20 / 24
社会人 編
許すも許さないも、ないよ
しおりを挟む
ハッと、オレの言葉に狼谷は顔を上げた。
そして、こくこくと勢いよく首を縦に振った。
「センパイのことは好きだ! 先輩が何だって、好きだったんだ、多分。変に言い訳して、自分の気持ちを隠して、先輩と後輩なんだからおかしいって。だけど、もう、違う。センパイ……寧さん。好きだ。オレの事許してくれるなら、オレの謝罪を、受け入れて、欲しい……」
ぎゅっとオレの服の裾を掴む指に、力が入ったのがわかった。
こんなに格好良くて、いくらでも相手がいて、オレのようなオメガなんてヤリ捨てしまってもなんの問題もない奴なのに、必死にオレに謝罪して、許しを乞うている。
「狼谷……許すも、許さないも、ないよ」
オレの言葉に、狼谷の表情が酷く歪んだ。
何でまた泣きそうになっているんだろう、と思っていると、
「そ、そう、だよな。オレ、本当にセンパイからしたら、酷いこと、した……から。だけど、だけどさあ……ちょっとぐらい……」
眉と口にきゅっと力を入れて、泣くまいと我慢しいる顔をした。
と、ここで、ようやくオレは、こいつが大きな勘違いをしている事に気づいた。
「ああ! 違うよ、狼谷。とっくに、許してるって事だ。あれで、助かったのはオレの方なんだ。確かに、まあ、した後の行動には傷ついたけど……お前の気遣いだった事が、ようやくわかったから。これまでも、お前に対して、怒ったり許さないって、思ったこと無いよ。むしろオレの方が申し訳ないと思ってたんだから」
つい頭を撫でてやりながらそう言うと、みるみる後輩の顔が真っ赤になっていった。頬が上気している。
こんな大男に思うのもなんだが、かわいらしい表情だった。獣耳がピンと立ち、尻尾がブンブン左右に揺れている。
「あ、あの、そしたら、その、寧さんは、その……オレのこと…好き?」
「ああ、好きだよ」
しどろもどろに紡がれる言葉に、いとも簡単に返事をすると、なぜかまたしょんぼりした大型犬の顔になった。
「あ、えっと、それは、そのつまり……今までみたいな、先輩後輩として、って、こと…?」
それ以上の事を望んでいる、と、顔にありありと書いている後輩に、思わず笑ってしまった。
そして、こくこくと勢いよく首を縦に振った。
「センパイのことは好きだ! 先輩が何だって、好きだったんだ、多分。変に言い訳して、自分の気持ちを隠して、先輩と後輩なんだからおかしいって。だけど、もう、違う。センパイ……寧さん。好きだ。オレの事許してくれるなら、オレの謝罪を、受け入れて、欲しい……」
ぎゅっとオレの服の裾を掴む指に、力が入ったのがわかった。
こんなに格好良くて、いくらでも相手がいて、オレのようなオメガなんてヤリ捨てしまってもなんの問題もない奴なのに、必死にオレに謝罪して、許しを乞うている。
「狼谷……許すも、許さないも、ないよ」
オレの言葉に、狼谷の表情が酷く歪んだ。
何でまた泣きそうになっているんだろう、と思っていると、
「そ、そう、だよな。オレ、本当にセンパイからしたら、酷いこと、した……から。だけど、だけどさあ……ちょっとぐらい……」
眉と口にきゅっと力を入れて、泣くまいと我慢しいる顔をした。
と、ここで、ようやくオレは、こいつが大きな勘違いをしている事に気づいた。
「ああ! 違うよ、狼谷。とっくに、許してるって事だ。あれで、助かったのはオレの方なんだ。確かに、まあ、した後の行動には傷ついたけど……お前の気遣いだった事が、ようやくわかったから。これまでも、お前に対して、怒ったり許さないって、思ったこと無いよ。むしろオレの方が申し訳ないと思ってたんだから」
つい頭を撫でてやりながらそう言うと、みるみる後輩の顔が真っ赤になっていった。頬が上気している。
こんな大男に思うのもなんだが、かわいらしい表情だった。獣耳がピンと立ち、尻尾がブンブン左右に揺れている。
「あ、あの、そしたら、その、寧さんは、その……オレのこと…好き?」
「ああ、好きだよ」
しどろもどろに紡がれる言葉に、いとも簡単に返事をすると、なぜかまたしょんぼりした大型犬の顔になった。
「あ、えっと、それは、そのつまり……今までみたいな、先輩後輩として、って、こと…?」
それ以上の事を望んでいる、と、顔にありありと書いている後輩に、思わず笑ってしまった。
219
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
息の合うゲーム友達とリア凸した結果プロポーズされました。
ふわりんしず。
BL
“じゃあ会ってみる?今度の日曜日”
ゲーム内で1番気の合う相棒に突然誘われた。リアルで会ったことはなく、
ただゲーム中にボイスを付けて遊ぶ仲だった
一瞬の葛藤とほんの少しのワクワク。
結局俺が選んだのは、
“いいね!あそぼーよ”
もし人生の分岐点があるのなら、きっとこと時だったのかもしれないと
後から思うのだった。
使用人と家族たちが過大評価しすぎて神認定されていた。
ふわりんしず。
BL
ちょっと勘とタイミングがいい主人公と
主人公を崇拝する使用人(人外)達の物語り
狂いに狂ったダンスを踊ろう。
▲▲▲
なんでも許せる方向けの物語り
人外(悪魔)たちが登場予定。モブ殺害あり、人間を悪魔に変える表現あり。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる