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第四話
しおりを挟む気が付いたら私は、隣国の時期王妃となる悪役令嬢に危害を加えた罪を着せられ、地下牢に入れられていた。
「なんでよ、どうしてこうなったのよ!」
なんで追放したはずの悪役令嬢がクレス様と結婚することになってるの!?
あいつ、魔物学の教授になったってなに!?この数年間ずっと調べ上げてきた魔物の生態を詳細に記しあげたレポートが評価されて、それをきっかけにクレス様とお近づきになったって…なによそれ!?
しかもあの時、猫娘に命令して私を床にたたきつけさせたあの男…あいつエンディングで悪役令嬢を金で買い取って、身も心もズタボロするポジションであるキモイおっさん…あいつは、魔王軍の侵攻を未然に防いだ伝説のモンスターテイマーなんですって…なによ!!そんな設定ゲームにはなかったわよ!?
「どうして私がこんな目に…まさかあの女、転生者だったの!?だからわざと追放された後クレス様に…」
「いや、あの子は正真正銘、この世界のビビアンだよ」
不意に男の声が聞こえてきて、顔を上げてみると、そこには助けに来た王子様じゃなくて、悪役令嬢を買い取って奴隷にするポジションだったはずのキモイおっさんがいた。
「やぁ聖女様、牢屋の住み心地はいかがかな?」
「あ…あんた!今のはどういうことよ!」
「そのままの意味だよ、あの子は転生者じゃないって話。転生者は僕なんだよ」
「あんたが!?」
「そうさ、僕は前の世界ではゲーム大好きなオタクだったんだ。それがちょっとした不注意で死んじゃってね。それからこの…乙女ゲームの世界に転生したんだよ。あの子…ビビアンの叔父としてね。ゲームの内容は知ってるから、可愛いあの子を没落させないためにいろいろと動いたんだよ。
ビビアンは元々、責任感の強い子で周りから天才だと期待されて、それに応えようと人一倍頑張ってきたんだよ。そのせいでちょっと人に対して厳しくなっちゃったけどね。
だからまずはそう言う所を治してあげたんだ。頑張るのもいいけど肩の力を抜いてみるのもいいよーって、そしたら雰囲気が少し柔らかい、優しい子になったんだよ。
これならゲーム本編が始まっても、ヒロインとやっていけるだろうなって安心してたんだけど…ヒロインがいい子じゃなかったみたいでね」
そこで話を区切ると、気持ち悪い笑みが一瞬で冷たい無表情になって、つい怯んでしまった。
「まさかヒロインも転生者で、しかも他人を蹴落とすために平気で噓をつくようなアバズレだったなんてねぇ」
「誰がアバズレよ!それはあの悪役令嬢でしょ!?」
「キミ言葉の意味わかって使ってる?アバズレっていうのは品がなくて、厚かましくて身持ちが悪い人の事を言うんだよ、まさにキミの事じゃないか」
「ざっけんなよクソジジィッ!私はこの世界のヒロインで聖女なのよ!私程心がきれいで美しいぶぎゃっ!」
ふざけたことを言うおっさんに怒鳴ってやると、おっさんは近くに置いてあったバケツの中身をぶちまけてきやがった。
「淑女はブサイク顔で怒鳴ったりしないよ。話を戻すけど、キミに貶められた後、僕があの子を保護したんだ。
表向きは追放ってことになってるけど、本当は隣国でずっと僕が頼んだ仕事をしていたんだよ。彼女の父…まぁ僕の弟には、モンスター娘と人間が一緒に経営する店の経理を、彼女の母親には貴族の身分を持つことになったモンスター娘たちに、淑女のマナーとかを教える教師に、そしてビビアンはずっと僕の助手として各地をついて回って、全世界に生息している魔物たちの調査して、調査記録を事細やかに記録し、レポートにまとめてくれたんだ。彼女は昔から努力家だったからね、僕の適当な教えでもついてきてくれたよ(笑)
ちなみに、キミの王子様たち…ゲームで言う所の攻略対象の彼ら以外の人たちは皆気が付いてたよ。ビビアンがやったことになっている苛めの数々は、全部キミの自作自演だって。
そもそも婚約者の居る貴族の男性に色目を使っている平民なんかの話なんて誰も信じるはずないじゃないか。彼らは馬鹿だから騙されたみたいだけどね。
昨日キミのとこの国の王様が、その証拠を持って王子様達に突き付けたそうだよ。お前らは騙されたんだって。
彼らショック受けてたらしいよ」
「じゃあ、私がこうなったのも全部あんたのせいってこと…」
「いいや、そうなったのは君の自業自得じゃないか。ゲームのヒロインは他人を貶めて、男を侍らすような子だった?聖女の仕事をさぼって遊び惚けるような子だった?」
「うるさいうるさい!!こうなったのは全部あんたと悪役令嬢のせいよ!ここから出たら王子様達に頼んで全員死刑にしてやる!!」
「あっそう、まぁここからならもうすぐ出られるよ。もうすぐ君の国が引き取ってくれるみたいだからね…そこで見てくるといいよ、現実をね」
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