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Ⅶ 二人のオメガと二人のアルファ
④
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「それでさぁ聞いてよ、リン。ドーラ殿下は思っていたのと少し違うけれど良いアルファだと思うんだよ」
「良いアルファ、かぁ。それは間違いない。信念を持つと、それを貫き通すために不可能も可能にしちゃうスゴイところがあるよね」
夜になりセレスの部屋でベッドにゴロゴロしながら話している。リン用のベッドがセレスの部屋に用意されていた。リンがアローラ国王都に行く前みたいだと二人ではしゃいだ。昼間に動いて疲れているから早く休もうとベッドに入ったが、変な興奮でなかなか寝入れない。だから会話が弾んでしまう。
「うん。初めて会ったときに『セレスを迎えに来る。絶対に会いに来るから待っていて欲しい』と言われた。半信半疑で信じていたけれど、まさかあの人がザザ国王子で国交復活させちゃうとは驚いた」
「へえ。それを言うならセレスだってオメガの鏡だ。待っていて欲しい、の言葉を信じて発情期も一人で耐えていたのだから。お似合いの二人じゃないか」
「えへへ。そうかな?」
昼間の湖畔デートがよほど楽しかったのだろう。セレスは頬を染めて興奮気味にドーラ殿下の話をする。その様子が微笑ましい。その内にスヤスヤと可愛い寝息が聞こえる。ふふ、とリンは笑う。
(本当にセレスと過ごしているんだ。夢みたい。アルファ王子に嫌われる作戦を考えていたころが懐かしいな)
あの頃を思い出し、リンの頭に『王子殿下に嫌われるための十の作戦』が浮かぶ。そうだ。カロール殿下にリンを忘れてもらうために、あの作戦の奥の手がある。
最後の作戦だった『あなたが嫌いです』の言葉。
(もう僕は罪人なのだ。不敬罪になっても構わないじゃないか)
リンは自分に言い聞かせる。でも、リンの愛するカロール殿下に『あなたが嫌いだ』と言う場面を想像すれば苦しくて涙が流れた。その言葉を言うことが出来るだろうか。昼間の寂しそうに微笑むカロール殿下の顔が過る。リンの胸が痛くなる。
(泣いてばかりだ)
そんなことを考えてリンは眠りについた。
翌日午前にニッゼン子爵家を後にした。もう二度と来ることがないだろう。リンは心の中でセレスの生家に別れを告げた。
リンのジャルル伯爵家までは馬車で一時間。深呼吸して気持ちを切り替える。ここから先は、リンである片鱗を見せてはいけない。記憶喪失のリーン殿下でいなくては家族を不幸にしてしまう。
「リン、眠れなかった? 目が腫れている」
馬車に同席しているカロール殿下。心配そうにリンを見る殿下にリンは仮面の様な微笑みを向ける。
「いえ。夢見が悪かったようです。ご心配に及びません」
今日はドーラ殿下の提案で、ザザ国馬車にドーラ殿下とセレスで乗り、アローラ国の馬車にカロール殿下とリンで乗車している。
「そうか。少し寝ていく? って言ってもニッゼン家とジャルル家は隣同士だ。一時間もかからないからなぁ」
「景色を眺めて行きます」
「そうか。では、少し話そうか」
何の話だろう。話題の心当たりがありすぎてリンは恐る恐るカロール殿下を見る。
「あはは。そんなに怖がらなくていい。ただ、少しでもリンと会話していたいだけだよ」
心が揺れるからリーンと呼んで欲しいけれど昨日もそこについて進言しているため、これ以上は言えない。
「リンはなぜジャルル家が伯爵家なのに国境近くの辺境地に居ると思う? 国境付近は子爵から男爵家が狭領地に分けて管理管轄するものだ」
カロール殿下の言葉にリンは首を傾ける。言われるまで考えたことが無かった。隣のニッゼン家は子爵だ。殿下の言う通りアローラ国は田舎に行くほど爵位が低い。
「ジャルル家は特別な家柄だ。百年前、この地からザザ国との戦いが始まった。その時に国境を守りぬいた戦果からジャルル家は伯爵家になっている。国防軍が来るまでの数週間を耐え忍んだのはジャルル領地軍が優秀だったからだ。それからジャルル家は伯爵家となり一目置かれている。ちなみに今では国防軍特別参謀をジャルル伯爵が担っている。攻め入るならばこの国境だからな。国境で何かあれば国王への報告をせずに軍を動かす力をジャルル家に与えている。これはジャルル家の特権だ」
リンは自分の家の事なのに初耳だった。
「だから、国防を担うという点で伯爵家でありながら王城に登城する貴族の義務を免除している。この領地の領主を不在にすることが国の危機になりかねんからな」
リンは納得する。伯爵家なのに貴族との交流が少ない事、父があまり領地を離れない事。次期当主として兄が時々王都に行くが、父と一緒に同行することが少ない事など、思い当たることが沢山だ。
「知りませんでした。僕はオメガですしジャルル家の、そのあたりは教えてもらっていません」
「うん。それでいい。ジャルル家の裏事情はごく一部の者たちの秘密になっている。リンは俺の妃になれば知ることだからさ」
カロール殿下の言葉にリンは心臓がドキッとする。また失敗した。つい、リンとして会話をしてしまった。どう誤魔化していいのか分からなくてリンは身体を固くする。
「伯爵家があまり王都に来ないことでリンに出会うのが遅くなった。それは悔いている。今後はザザ国と友好国になりジャルル家が王都に来る回数が増えることを願う。リンが王城で父や兄に会えたら嬉しいだろう?」
返事が出来ないリンに微笑みを向けるカロール殿下。
「そう言えば昨夜、ドーラと飲んだよ。ドーラは面白い奴だな。へつらってくる遺族アルファとは違うな。言いたいこと言ってきて面食らうけれど、こちらの反応を鋭く観察しているところがある。あいつは敵に回したくない奴だな」
カロール殿下の言葉が分かりすぎる。ドーラ殿下の話題になり緊張から解き放たれる。
「そう思います。僕は結構ドーラ殿下が好きですけれど」
正直な気持ちを口にした。するとカロール殿下が何も言わない。不安になりカロール殿下を見れば口をへの字にして外を見ている。何だろう。
「リン、他のアルファを『好き』とか言うなよ。そう言えばさ、ルーにも『大好き』とか言ったことあるよな。俺の目の前でさ。あれは、ない。無いと思う」
思いっきり拗ねているカロール殿下にリンは吹きだしてしまった。笑いが込み上げる。
「いえ、だってあの時は……」
言おうとして気が付く。リンとしての言葉をこれ以上出してはいけない。ごくりと唾を飲みこむ。楽しい気持ちが一気に引いていく。
「申し訳ありません。何のお話なのか、分かりかねます」
頭を下げるリン。カロール殿下が残念そうに息を吐くのが伝わってきた。
(ごめんなさい。でもこれしか僕にはできる事がありません)
そう心の中で謝りながら、その後の静かな馬車の中を過ごした。リンの心が痛かった。
「良いアルファ、かぁ。それは間違いない。信念を持つと、それを貫き通すために不可能も可能にしちゃうスゴイところがあるよね」
夜になりセレスの部屋でベッドにゴロゴロしながら話している。リン用のベッドがセレスの部屋に用意されていた。リンがアローラ国王都に行く前みたいだと二人ではしゃいだ。昼間に動いて疲れているから早く休もうとベッドに入ったが、変な興奮でなかなか寝入れない。だから会話が弾んでしまう。
「うん。初めて会ったときに『セレスを迎えに来る。絶対に会いに来るから待っていて欲しい』と言われた。半信半疑で信じていたけれど、まさかあの人がザザ国王子で国交復活させちゃうとは驚いた」
「へえ。それを言うならセレスだってオメガの鏡だ。待っていて欲しい、の言葉を信じて発情期も一人で耐えていたのだから。お似合いの二人じゃないか」
「えへへ。そうかな?」
昼間の湖畔デートがよほど楽しかったのだろう。セレスは頬を染めて興奮気味にドーラ殿下の話をする。その様子が微笑ましい。その内にスヤスヤと可愛い寝息が聞こえる。ふふ、とリンは笑う。
(本当にセレスと過ごしているんだ。夢みたい。アルファ王子に嫌われる作戦を考えていたころが懐かしいな)
あの頃を思い出し、リンの頭に『王子殿下に嫌われるための十の作戦』が浮かぶ。そうだ。カロール殿下にリンを忘れてもらうために、あの作戦の奥の手がある。
最後の作戦だった『あなたが嫌いです』の言葉。
(もう僕は罪人なのだ。不敬罪になっても構わないじゃないか)
リンは自分に言い聞かせる。でも、リンの愛するカロール殿下に『あなたが嫌いだ』と言う場面を想像すれば苦しくて涙が流れた。その言葉を言うことが出来るだろうか。昼間の寂しそうに微笑むカロール殿下の顔が過る。リンの胸が痛くなる。
(泣いてばかりだ)
そんなことを考えてリンは眠りについた。
翌日午前にニッゼン子爵家を後にした。もう二度と来ることがないだろう。リンは心の中でセレスの生家に別れを告げた。
リンのジャルル伯爵家までは馬車で一時間。深呼吸して気持ちを切り替える。ここから先は、リンである片鱗を見せてはいけない。記憶喪失のリーン殿下でいなくては家族を不幸にしてしまう。
「リン、眠れなかった? 目が腫れている」
馬車に同席しているカロール殿下。心配そうにリンを見る殿下にリンは仮面の様な微笑みを向ける。
「いえ。夢見が悪かったようです。ご心配に及びません」
今日はドーラ殿下の提案で、ザザ国馬車にドーラ殿下とセレスで乗り、アローラ国の馬車にカロール殿下とリンで乗車している。
「そうか。少し寝ていく? って言ってもニッゼン家とジャルル家は隣同士だ。一時間もかからないからなぁ」
「景色を眺めて行きます」
「そうか。では、少し話そうか」
何の話だろう。話題の心当たりがありすぎてリンは恐る恐るカロール殿下を見る。
「あはは。そんなに怖がらなくていい。ただ、少しでもリンと会話していたいだけだよ」
心が揺れるからリーンと呼んで欲しいけれど昨日もそこについて進言しているため、これ以上は言えない。
「リンはなぜジャルル家が伯爵家なのに国境近くの辺境地に居ると思う? 国境付近は子爵から男爵家が狭領地に分けて管理管轄するものだ」
カロール殿下の言葉にリンは首を傾ける。言われるまで考えたことが無かった。隣のニッゼン家は子爵だ。殿下の言う通りアローラ国は田舎に行くほど爵位が低い。
「ジャルル家は特別な家柄だ。百年前、この地からザザ国との戦いが始まった。その時に国境を守りぬいた戦果からジャルル家は伯爵家になっている。国防軍が来るまでの数週間を耐え忍んだのはジャルル領地軍が優秀だったからだ。それからジャルル家は伯爵家となり一目置かれている。ちなみに今では国防軍特別参謀をジャルル伯爵が担っている。攻め入るならばこの国境だからな。国境で何かあれば国王への報告をせずに軍を動かす力をジャルル家に与えている。これはジャルル家の特権だ」
リンは自分の家の事なのに初耳だった。
「だから、国防を担うという点で伯爵家でありながら王城に登城する貴族の義務を免除している。この領地の領主を不在にすることが国の危機になりかねんからな」
リンは納得する。伯爵家なのに貴族との交流が少ない事、父があまり領地を離れない事。次期当主として兄が時々王都に行くが、父と一緒に同行することが少ない事など、思い当たることが沢山だ。
「知りませんでした。僕はオメガですしジャルル家の、そのあたりは教えてもらっていません」
「うん。それでいい。ジャルル家の裏事情はごく一部の者たちの秘密になっている。リンは俺の妃になれば知ることだからさ」
カロール殿下の言葉にリンは心臓がドキッとする。また失敗した。つい、リンとして会話をしてしまった。どう誤魔化していいのか分からなくてリンは身体を固くする。
「伯爵家があまり王都に来ないことでリンに出会うのが遅くなった。それは悔いている。今後はザザ国と友好国になりジャルル家が王都に来る回数が増えることを願う。リンが王城で父や兄に会えたら嬉しいだろう?」
返事が出来ないリンに微笑みを向けるカロール殿下。
「そう言えば昨夜、ドーラと飲んだよ。ドーラは面白い奴だな。へつらってくる遺族アルファとは違うな。言いたいこと言ってきて面食らうけれど、こちらの反応を鋭く観察しているところがある。あいつは敵に回したくない奴だな」
カロール殿下の言葉が分かりすぎる。ドーラ殿下の話題になり緊張から解き放たれる。
「そう思います。僕は結構ドーラ殿下が好きですけれど」
正直な気持ちを口にした。するとカロール殿下が何も言わない。不安になりカロール殿下を見れば口をへの字にして外を見ている。何だろう。
「リン、他のアルファを『好き』とか言うなよ。そう言えばさ、ルーにも『大好き』とか言ったことあるよな。俺の目の前でさ。あれは、ない。無いと思う」
思いっきり拗ねているカロール殿下にリンは吹きだしてしまった。笑いが込み上げる。
「いえ、だってあの時は……」
言おうとして気が付く。リンとしての言葉をこれ以上出してはいけない。ごくりと唾を飲みこむ。楽しい気持ちが一気に引いていく。
「申し訳ありません。何のお話なのか、分かりかねます」
頭を下げるリン。カロール殿下が残念そうに息を吐くのが伝わってきた。
(ごめんなさい。でもこれしか僕にはできる事がありません)
そう心の中で謝りながら、その後の静かな馬車の中を過ごした。リンの心が痛かった。
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