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一章 信頼できるパートナー
信頼できるパートナー 3
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「きみたちのためにも、ぼくは頑張るからね」
チビに乗って部屋を去ったピッピを見送りながら、ぼくは決意を新たにした。
とはいえ、なにをすればいいのだろうか。
「世界平和、ねえ」
ぼくは部屋の中央付近にある、黒い本革のソファに腰を下ろした。
無用な争いを避けるため、魔族には人に危害を加えないように伝えている。だから、魔族が人の村や町を襲うようなことはないけれど、国境付近で人と魔族が出くわすと、小競り合いが起きるのだ。
国境といっても、魔族と人は同じ大陸に住んでいて、わかりやすく線が引いてあるわけでもない。幹部たちの話によると、こちらが大人しくしているせいか、人はだんだんと魔族の住処に踏み込んできているらしい。
ぼくたちが手を出さなくても、相手から来られてはどうしようもない。このままでは魔族たちの不満が高まり、好戦的な魔族を止められないだろう。
「人間側にも協力者が必要か」
ぼくはゲームの登場人物たちを思い浮かべた。
真っ先に候補となったのは、王さまだ。
勇者のいるブルーシア国の国王は、“明鏡王”と呼ばれるほど不正や不義に厳しく、公正な判断をする王なのだ。
「でもぼく、魔王だしなあ」
厳格な王だからこそ、魔王という肩書だけで、ぼくの話を聞いてもらえない気もする。もう少し柔軟な人物のほうが適していそうだ。
ぼくは腕を組んで、ああでもない、こうでもないと小一時間うなっていた。よさそうな人材がいても、この段階では居場所がわからなかったりもするのだ。
「……あっ、そうか。勇者だ」
ぼくはパチリと目を開ける。
プレイヤーキャラクターだったから、盲点だった。
勇者であるヴィンセントは、パーティのリーダーだけあって、さまざまなことに寛容だ。少なくても、話を聞く前に門前払いをするような人物ではない。
それに彼は孤児院育ちで、争いによる孤児をなくしたいと強く望んでいる。
しかも、その孤児院にはヴィンセントと仲のいい人間と魔族のハーフの子供がいたので、魔族に偏見がないところもいい。
ボス戦の前には、魔王が暴走した理由が判明するのだけど、それを知ったヴィンセントは魔王に同情すらしていた。
「うん、ヴィンセントしかいないな」
そう思いながらも、ぼくの額にはうっすらと冷や汗がにじんでいた。
ぼくは、死にたくないから世界を平和にしたいんだ。そのために勇者に会いに行く。
だけど勇者はとある理由で、魔王を倒せる唯一の人物だった。
つまり、ぼくの天敵なのだ。
少し、怖い。
チビに乗って部屋を去ったピッピを見送りながら、ぼくは決意を新たにした。
とはいえ、なにをすればいいのだろうか。
「世界平和、ねえ」
ぼくは部屋の中央付近にある、黒い本革のソファに腰を下ろした。
無用な争いを避けるため、魔族には人に危害を加えないように伝えている。だから、魔族が人の村や町を襲うようなことはないけれど、国境付近で人と魔族が出くわすと、小競り合いが起きるのだ。
国境といっても、魔族と人は同じ大陸に住んでいて、わかりやすく線が引いてあるわけでもない。幹部たちの話によると、こちらが大人しくしているせいか、人はだんだんと魔族の住処に踏み込んできているらしい。
ぼくたちが手を出さなくても、相手から来られてはどうしようもない。このままでは魔族たちの不満が高まり、好戦的な魔族を止められないだろう。
「人間側にも協力者が必要か」
ぼくはゲームの登場人物たちを思い浮かべた。
真っ先に候補となったのは、王さまだ。
勇者のいるブルーシア国の国王は、“明鏡王”と呼ばれるほど不正や不義に厳しく、公正な判断をする王なのだ。
「でもぼく、魔王だしなあ」
厳格な王だからこそ、魔王という肩書だけで、ぼくの話を聞いてもらえない気もする。もう少し柔軟な人物のほうが適していそうだ。
ぼくは腕を組んで、ああでもない、こうでもないと小一時間うなっていた。よさそうな人材がいても、この段階では居場所がわからなかったりもするのだ。
「……あっ、そうか。勇者だ」
ぼくはパチリと目を開ける。
プレイヤーキャラクターだったから、盲点だった。
勇者であるヴィンセントは、パーティのリーダーだけあって、さまざまなことに寛容だ。少なくても、話を聞く前に門前払いをするような人物ではない。
それに彼は孤児院育ちで、争いによる孤児をなくしたいと強く望んでいる。
しかも、その孤児院にはヴィンセントと仲のいい人間と魔族のハーフの子供がいたので、魔族に偏見がないところもいい。
ボス戦の前には、魔王が暴走した理由が判明するのだけど、それを知ったヴィンセントは魔王に同情すらしていた。
「うん、ヴィンセントしかいないな」
そう思いながらも、ぼくの額にはうっすらと冷や汗がにじんでいた。
ぼくは、死にたくないから世界を平和にしたいんだ。そのために勇者に会いに行く。
だけど勇者はとある理由で、魔王を倒せる唯一の人物だった。
つまり、ぼくの天敵なのだ。
少し、怖い。
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