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2 ひとりかくれんぼ【恐怖指数 ☆☆☆★★】
ひとりかくれんぼ【恐怖指数 ☆☆☆★★】 6
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金縛りが解けた京四郎も和室に入ってきて、ぬいぐるみとカッターを回収した。
「翔ちゃん、だいじょうぶ?」
アカリが翔陽の肩を揺らすと、翔陽は上半身を起こして、カッターを突き付けられていた右目をこすった。顔はまだ青ざめている。
「アカリのおかげで、なんとか……」
「よかった!」
アカリは翔陽に抱きついた。翔陽が死んでしまったらと思うと、本当に怖かった。
「翔陽、動けるか?」
京四郎が話しかけた。アカリは翔陽から離れる。
「動ける。ケガもないし」
「よし。じゃあ、『ひとりかくれんぼ』を終わらせてくれ。降霊術は終わりが肝心だ。アカリくん、ライトを持って。ぼくたちは出て行こう」
京四郎はニッコリほほ笑みながら、ぬいぐるみを翔陽に差し出した。
「この直後で、おれを暗闇に一人きりにするとか。京四郎キチクすぎ」
翔陽はがっくりとうなだれた。
数日後。
京四郎が編集した動画がユーチューブにアップされた。本人が言っていたように、テレビで放送されていてもおかしくないほどの、プロ並みの完成度だった。
押し入れの隙間から見えた目や、ぬいぐるみから吐き出された眼球などはカメラに写っていなかったが、霊のいた場所にはもやがかかっていて、怪奇現象として迫力があった。
しかも、ぬいぐるみが翔陽をおそうようすがハッキリと映っているので、恐怖映像としても成り立っている。
アカリが思わず翔陽に抱きついたシーンが残されていて、カットしてほしいと京四郎に頼んだが、断られてしまった。アカリは後ろ姿だったので、まあいいか、とあきらめた。
「こんなスゲー動画なのに、どうして再生数が伸びないんだよっ」
となりの席で、翔陽が嘆いた。
「百回くらい見られてるから、初回としてはまずまずじゃないか。とはいえ、再生数を伸ばすために工夫していかないとね」
翔陽の前の席に座るプロデューサーは、のんびりとしている。
「しかも、合成だとかやらせだとか書いてるヤツがいるしさ。おれは死にかけたんだっつの!」
翔陽は地団駄をふんだ。
「そうだよ、危なかったんだよ。これでこりたでしょ、もう心霊スポットに行くなんてやめよう」
アカリが言うと、
「やめないよ」
と、二人同時に返された。
「あれは、お札を忘れたおれのミスだからな。次は上手いことやる!」
「次の場所は決めてあるんだ。『死者に会える』と伝えられているトンネルだ」
「おおっ、心霊スポットっぽい!」
男子二人が盛り上がっている。
(あんなことがあったのに、どうして、そんな怖そうなところに行きたがるんだろう)
さっぱり理解できない。心配なので翔陽にも行かせたくないけれど、これだけやる気ならば、とめてもムダだろう。
「わたしは一回の約束だったよね。あとはがんばってね」
そう言ったとたん、アカリは翔陽に手をにぎられた。
「アカリが来なきゃ心霊現象が起きないかもしれねえじゃん。それにアカリがいなかったら、おれ、どうなってたかわからねえだろ。また協力してくれよ。頼りにしてるんだからさ」
翔陽にお願いされて、今度こそ抜けようとしていたアカリの決心が鈍った。
(翔ちゃん、わたしが頼まれると断れないのを知ってて、ワザとやってるよね)
アカリは赤くなりながら、ムムムッと翔陽をにらむ。
「この前の一件で、アカリくんはだいぶ暗闇に慣れたんじゃないかな。このまま続けていれば、夜でも懐中電灯なしで歩けるよ。雨の日なんて、カバンに懐中電灯に傘にって、荷物が多くて大変だろ。身軽になりたいよね」
京四郎もにっこりと笑ってダメ押しをしてくる。
(『死者に会える』トンネルか……)
その言葉が気になっていた。アカリには会いたい人がいる。
「……もう一回だけだからね」
またもアカリは、心霊スポット巡りを断れなかった。
「翔ちゃん、だいじょうぶ?」
アカリが翔陽の肩を揺らすと、翔陽は上半身を起こして、カッターを突き付けられていた右目をこすった。顔はまだ青ざめている。
「アカリのおかげで、なんとか……」
「よかった!」
アカリは翔陽に抱きついた。翔陽が死んでしまったらと思うと、本当に怖かった。
「翔陽、動けるか?」
京四郎が話しかけた。アカリは翔陽から離れる。
「動ける。ケガもないし」
「よし。じゃあ、『ひとりかくれんぼ』を終わらせてくれ。降霊術は終わりが肝心だ。アカリくん、ライトを持って。ぼくたちは出て行こう」
京四郎はニッコリほほ笑みながら、ぬいぐるみを翔陽に差し出した。
「この直後で、おれを暗闇に一人きりにするとか。京四郎キチクすぎ」
翔陽はがっくりとうなだれた。
数日後。
京四郎が編集した動画がユーチューブにアップされた。本人が言っていたように、テレビで放送されていてもおかしくないほどの、プロ並みの完成度だった。
押し入れの隙間から見えた目や、ぬいぐるみから吐き出された眼球などはカメラに写っていなかったが、霊のいた場所にはもやがかかっていて、怪奇現象として迫力があった。
しかも、ぬいぐるみが翔陽をおそうようすがハッキリと映っているので、恐怖映像としても成り立っている。
アカリが思わず翔陽に抱きついたシーンが残されていて、カットしてほしいと京四郎に頼んだが、断られてしまった。アカリは後ろ姿だったので、まあいいか、とあきらめた。
「こんなスゲー動画なのに、どうして再生数が伸びないんだよっ」
となりの席で、翔陽が嘆いた。
「百回くらい見られてるから、初回としてはまずまずじゃないか。とはいえ、再生数を伸ばすために工夫していかないとね」
翔陽の前の席に座るプロデューサーは、のんびりとしている。
「しかも、合成だとかやらせだとか書いてるヤツがいるしさ。おれは死にかけたんだっつの!」
翔陽は地団駄をふんだ。
「そうだよ、危なかったんだよ。これでこりたでしょ、もう心霊スポットに行くなんてやめよう」
アカリが言うと、
「やめないよ」
と、二人同時に返された。
「あれは、お札を忘れたおれのミスだからな。次は上手いことやる!」
「次の場所は決めてあるんだ。『死者に会える』と伝えられているトンネルだ」
「おおっ、心霊スポットっぽい!」
男子二人が盛り上がっている。
(あんなことがあったのに、どうして、そんな怖そうなところに行きたがるんだろう)
さっぱり理解できない。心配なので翔陽にも行かせたくないけれど、これだけやる気ならば、とめてもムダだろう。
「わたしは一回の約束だったよね。あとはがんばってね」
そう言ったとたん、アカリは翔陽に手をにぎられた。
「アカリが来なきゃ心霊現象が起きないかもしれねえじゃん。それにアカリがいなかったら、おれ、どうなってたかわからねえだろ。また協力してくれよ。頼りにしてるんだからさ」
翔陽にお願いされて、今度こそ抜けようとしていたアカリの決心が鈍った。
(翔ちゃん、わたしが頼まれると断れないのを知ってて、ワザとやってるよね)
アカリは赤くなりながら、ムムムッと翔陽をにらむ。
「この前の一件で、アカリくんはだいぶ暗闇に慣れたんじゃないかな。このまま続けていれば、夜でも懐中電灯なしで歩けるよ。雨の日なんて、カバンに懐中電灯に傘にって、荷物が多くて大変だろ。身軽になりたいよね」
京四郎もにっこりと笑ってダメ押しをしてくる。
(『死者に会える』トンネルか……)
その言葉が気になっていた。アカリには会いたい人がいる。
「……もう一回だけだからね」
またもアカリは、心霊スポット巡りを断れなかった。
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