中学生ユーチューバーの心霊スポットMAP

じゅん

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5 神の怒り【恐怖指数 ★★★★★】

神の怒り【恐怖指数 ★★★★★】 3

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(アレが効いてるんだ)
 アカリたちは神社に来る前、心霊スポットで起きた情報をまとめた。
 特に、金縛り対策が重要課題だった。
 一回目はお札で金縛りが解けたのに、三回目は効かなかった。
 その違いは、霊の力の差だと思われたが、別の考え方もあった。
「アカリが描いたものだから」
 冴子がその可能性を指摘した。
「護符は、霊力の高い人が模様をなぞると力を増すの。アカリが翔陽の顔に模様を描いたから、翔陽は金縛りにならなかった」
「わたしはスマホに護符を表示しただけで、金縛りが解けたよ」
「あのとき、アカリは画面が見えない状態で、画像を開いたって言ってたわよね。しかも、開いたはずなのに、初めは金縛りが解けなかった」
「そうそう」
「スマホ画面を触っているうちに、護符の線をなぞっていたのかもしれない。それで力が強まって、金縛りが解けた」
 一同は冴子の言葉に納得した。辻褄は合っている。
 そこで今日は、アカリは自分自身も含めて、メンバーの腕に護符を描いてきたのだ。
(いっぱい練習したから、みんなには上手く描けてるはず!)
 もちろん、手書きの護符が効かなかったときのことも考えている。
 霊にかけられた金縛りは呪いのようなものなので、聖水や清めた塩で解除できるはずだという情報を、冴子が得てきた。
 そこで、もしメンバーが金縛りにあった場合は、離れている京四郎が解除することになっている。
「動けるのはいいけど、あんなに大きなキツネに咬まれたら、ひとたまりもないよ」
「よし、まずは一匹、おれがやっつけてやるぜ」
 翔陽は正面にいるキツネに向かって走り出した。
 ――ぬかせ、小僧!
 キツネは目で追えないほどの速さで動いた。ワニのように大きく口を開いて噛みついてくるのを、翔陽はローリングでかわす。しかし、追うようにキツネの足がのび、爪でふくらはぎを引っ掻かれた。皮膚が破れて血が噴き出す。翔陽は顔を顰めて四つん這いになった。
「翔ちゃん!」
「だいじょうぶ。そっちにもいるんだから、こっちは気にすんな」
(そんなことを言われても……)
 アカリの前にもキツネはいるが、翔陽が心配で仕方がない。
 手負いになった翔陽を一気に仕留めようと考えたのか、キツネが飛び掛かってきた。
 翔陽はカバンに手を突っ込んで、口角を上げた。
「飛び掛かってくるのを待ってたぜ。くらえっ!」
 大きく開いたキツネの口に、水風船が吸い込まれる。
 水風船の中身は、聖水だ。
 ――ぐおおおあああぁぁぁぁっ
 キツネは凄まじい叫びをあげた。そのすきに翔陽は立ち上がり、キツネの体に札をはった。叫びが激しくなり、煙のようにキツネは消滅した。
 ――おのれ、わが眷属を。
 もう一匹のキツネが凄まじい形相でアカリたちをにらんだ。
 ――なるほど、そのカバンが邪魔なのだな。
 拝殿近くで控えている邪神が、自分の長い髪を握って束にし、髪の先を長い爪で切った。その髪を手の平にのせてフッと吹くと、髪が細長いキツネに変わった。管ギツネだ。
「なんか、細長いキツネがいっぱいくる!」
 ヒイイッと思いながら、アカリはカバンから清めた塩が入った袋を取り出し、持てるだけ塩をにぎると、管ギツネの群れに向かって投げた。当たった管キツネは消滅するが、数が多い。アカリ、冴子、翔陽のカバンは、管ギツネたちに持ち去られた。
「うわ、お清めアイテムが!」
 アカリは塩、冴子は札、翔陽は聖水入りの水袋を手に持っているだけになってしまった。
「ヤベーな」
 翔陽がやってきて、キツネの前に横に三人並んだ。
「翔ちゃん、ケガだいじょうぶ?」
「平気。かすりキズ」
 アイテムを一つも無駄にできなくなった。三人はキツネの出方を待つ。
(二人は、一回使ったらなくなっちゃうけど、塩は何回か投げられる)
 キツネにぶつけてひるんだところに、冴子に札を張ってもらえばいい。
「わたしが行く!」
 アカリは一歩前に出て、塩を投げつけた。キツネは素早くよける。
「まだあるもんね」
 更に塩を投げつけた。
 ――こしゃくな。
 キツネがしっぽを振ると強い風が起こり、塩がアカリに戻ってきた。
「きゃっ」
 思わず手で顔を隠す。
 ――バカめ。
 ひるんでいるアカリに、キツネが咬みついてきた。姿勢を崩していたので、避けることができない。
(咬まれる!)
 アカリは強く目をつむった。
(あれ、痛くない)
 目を開くと翔陽にかばわれていて、キツネは翔陽の腕をかんでいた。
「翔ちゃん!」
 
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