【完】名前すら知らない、僕のつがい

325号室の住人

文字の大きさ
7 / 8

  6

しおりを挟む

何度目かの事後…
枕の山に寄り掛かる彼に横抱きにされた僕は、彼の左肩に寄り掛かりながら、たまに彼の差し出すこの世界のフルーツをパクリと口に含んでいた。

《少し食べられるようで安心しました。》
《なぜ?》
《私が、君を抱き潰すまで抱いてしまうからです。本能には抗えず…ですから今は、本能に干渉されにくいように人型を取っています。》
《そうか。それで耳がココについているんだね。》

僕は、彼の顔の横に手を伸ばした。

《フフフッ…くすぐったい。》

耳輪から耳垂までをツーッと指先で触れると、彼が笑った。

《ふふっいつもと逆だね。》
言って外耳道へ指を伸ばせば、
《意地悪ですね。》
少しだけムッとしながら彼の真面目な顔がこちらを見た。

水色の宝石のような瞳が、まっすぐにこちらを見つめる。
僕は軽く触れるだけのキスをすると、
《ごめん。》
《私の方が、だいぶ君に……》
《いや良いんだ。僕だって後ろが疼いてしまうし。やっぱり、【つがい】だからだろうか。》
《そうだな。早速こちらはもう私を誘うし?》

彼が僕の疼く場所へ指をのば…

「ん!」
《感じてくれますか? やはり君は…淫乱ですね。》
《こんな僕は、嫌い?》
《いいえ。私好みですよ。》
「ァんっ…」

彼は僕の顎を掴むと、下から指先がナカへ侵入するのと同時に口内へ舌が入ってきた。

「んっ…ンンッ!」

苦しい…けれど昂ぶる。
心も、身体も…

僕の背中はイきながら反り、唇が離れると、自分で膝を割りながら彼に後孔をさらした。

恥ずかしいよりも欲しいが増し、自らの手で後孔を左右に割り開くと、彼は心得たとばかりにそこへ剛直を突き刺した。

「ぁああああーーーー!!!」

ナカがうねり、身体が悦んでいるのがわかる。
そこからは叫ぶような嬌声が続き、僕はまた何度もイった。






《ママぁ~!》
《おかえり! ほら、見て見て!!》
《アタシたち、ママが居ない間に、【ひとがた】できるようになったの!!》


目が覚めたのは、仔犬たちと僕が過ごしているベッドだった。
僕を起こしたのは、何と3人の子どもだった。

そして、その内の1人の容姿に愕然とする。

体毛の時よりも一段薄くなった髪色の男の子は、あの夢に出てくる僕の相手の幼い頃と言っても過言でないほど、そっくりだったからだ。

──僕は、将来的に自分の息子に腰を振る? 運命のつがいとは、僕の息子だった?



《そろそろパパに、ママを返してくれる時間ですよ。》
《えー!!》
《人でいるのは、とても疲れるのです。そろそろ午睡をしなくては。》


言っているそばから元の仔犬の姿になった子どもたちは、大あくびをしながらベッドで寝息をたて始め…

僕は彼にエスコートされながら、その部屋をあとにした。






「……んっ!」
《どうしました? 【つがい】を前にしているのに、心ここにあらずですか?》

僕は、彼の部屋に魔法でやって来てもまだ考え事をしていたようだった。

《誰のことを考えていているのです? 子どもたちのことを考えるにしては、随分と色っぽい表情ですね。》
《え?》
《妬けます。私のことだけを考えてくれませんか?》

大きなベッドの、僕の向かいに座った彼はそう言うと、僕の顔を覗き込みながら少し悲しそうな表情をした。

《あ、ごめん。ちょっと、この世界に来る前のことを考えていたんだ。》
《……帰りたいのですか?》

そこで僕はやっと、彼の表情に合点がいった。

《帰れるのか?》
《帰ることは……できないでしょうね。なぜ君が、どうやって…何もわかっていませんから。》
《そうか……》

僕がまた黙ってしまうと、彼は心配そうに僕の表情を覗う。
現在は人だけれど、獣人化していれば耳は垂れていそうだ。

僕は彼の頭を撫で、そこから毛先へとスルーッと指を滑らせ……

《わかった。話すよ。あのね…》

僕は、日本で暮らしていた頃の夢の内容を話した。
それから、彼の美しい金髪の毛先で遊びながら、先程気付いたこと…息子とそっくりだった話もした。

《僕は怖いんだ。あの子が大きくなったら、僕はあの子と…?って。》

そこで顔を上げると、彼は手に魔法の氷で作った小刀を握っていた。
そして鷲掴みにした美しい髪を、ザクリと音を立てて切った。

はらり…

新しく毛先になった髪が、彼の顎のラインで自由に踊る。

切ってしまった髪と小刀は魔法で消してしまったようで、彼は利き手で僕の顎を掴むと触れるだけのキスを落とした。

《君の【つがい】は私です。絶対に離しません! ですが、もう子らの午睡が終わるでしょう。
夜になったら…覚悟を決めておいてください。》

言うと彼は、僕を残して魔法で出て行ってしまった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ある国の皇太子と侯爵家令息の秘め事

虎ノ威きよひ
BL
皇太子×侯爵家令息。 幼い頃、仲良く遊び友情を確かめ合った二人。 成長して貴族の子女が通う学園で再会し、体の関係を持つようになった。 そんな二人のある日の秘め事。 前後編、4000字ほどで完結。 Rシーンは後編。

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。

えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた! どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。 そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?! いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?! 会社員男性と、異世界獣人のお話。 ※6話で完結します。さくっと読めます。

【連載版あり】「頭をなでてほしい」と、部下に要求された騎士団長の苦悩

ゆらり
BL
「頭をなでてほしい」と、人外レベルに強い無表情な新人騎士に要求されて、断り切れずに頭を撫で回したあげくに、深淵にはまり込んでしまう騎士団長のお話。リハビリ自家発電小説。一話完結です。 ※加筆修正が加えられています。投稿初日とは誤差があります。ご了承ください。

異世界から戻ってきた俺の身体が可笑しい

海林檎
BL
異世界転生で何故か勇者でも剣士でもましてや賢者でもなく【鞘】と、言う職業につかされたんだが まぁ、色々と省略する。 察してくれた読者なら俺の職業の事は分かってくれるはずだ。 まぁ、そんなこんなで世界が平和になったから異世界から現代に戻ってきたはずなのにだ 俺の身体が変なままなのはどぼじで??

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

変人な同僚と一夜を過ごしてしまった魔術師さん

さか【傘路さか】
BL
天才型変人な魔術師×巻き込まれ気質な魔術師。 王宮付の魔術師であるディノが目を覚ますと、職場の同僚であるアルヴァが隣で寝ていた。 記憶はないが、実験好きの彼が作った飴状の魔術薬を口にしてしまったようで、相手が言うには身体の関係を持ったと言う。 魔力相性の良さという即物的な理由でもって求婚してくる変人に「言い方ってもんがあるだろ」と諭すと、アルヴァはディノを口説き落とそうと努力し始めた。 全8話。 ※小説の文章をコピーして無断で使用したり、登場人物名を版権キャラクターに置き換えた二次創作小説への転用は一部分であってもお断りします。 無断使用を発見した場合には、警告をおこなった上で、悪質な場合は法的措置をとる場合があります。 自サイト: https://sakkkkkkkkk.lsv.jp/ 誤字脱字報告フォーム: https://form1ssl.fc2.com/form/?id=fcdb8998a698847f

魔王様の瘴気を払った俺、何だかんだ愛されてます。

柴傘
BL
ごく普通の高校生東雲 叶太(しののめ かなた)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。 そこで初めて出会った大型の狼の獣に助けられ、その獣の瘴気を無意識に払ってしまう。 すると突然獣は大柄な男性へと姿を変え、この世界の魔王オリオンだと名乗る。そしてそのまま、叶太は魔王城へと連れて行かれてしまった。 「カナタ、君を私の伴侶として迎えたい」 そう真摯に告白する魔王の姿に、不覚にもときめいてしまい…。 魔王×高校生、ド天然攻め×絆され受け。 甘々ハピエン。

勇者様の攻略対象は勇者様

Q矢(Q.➽)
BL
金髪の勇者×黒髪の勇者 ある日の出勤途中で突如異世界に召喚されたリーマンが勇者様と祭り上げられながら、同時期に他地域で召喚された勇者に攻略対象として魔王討伐そっちのけで求愛される、読んでも何の身にもならない感じの話です。 伝家の宝刀・異世界転移も私が書くとロクな事になりそうにないです。

処理中です...