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番外編 瑠可/楓
番外編 Luka-7
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目が覚めると、ベッドにはボクだけが横になっていた。
バスルームの方から音がして起き上がると、後ろからドロリと何かが流れ出す感触がして、吐き気を催すほど気持ち悪くなる。
「瑠可、起きたのか?」
バスルームから出てきた篠崎さんは、服を着ていた。
「はる、き、さん?」
「僕は用事があるから帰るね。瑠可は疲れただろうから、泊まっていきなさい」
そう言い、いつもと変わらないはずの笑顔をボクに向けた。
その笑顔に今はもう違和感しかなかった。
「春樹さん、なんで…」
「ん?ああ、なんで中に出したかって?それは瑠可を僕の番にするためだよ」
「でも、春樹さん、待つって。それにボク、今日はピル持ってきてないのに…」
抑制剤は持ってきたのにピルを忘れてしまった。
「そんなこと、僕は知らなかったんだから仕方がないだろう。でも、大丈夫。子供が出来たら僕が責任取るから。その時はちゃんと番になろうね」
項を撫でられると不快感が走り、その手を払い除けた。
「そんな…ボク、まだ学生だよ……将来の…夢もあるのにーー」
「瑠可、そんなものは必要ないよ。オメガなんて社会の足手纏いにしかならないんだから。早く番いを見つけて優秀なアルファの子供を産んで、その子に夢を託せばいいんだよ」
突き放されたような気持ちになった。
篠崎さんは最初からボクのことを…。
「瑠可、なんで泣いているの?僕と居たら瑠可は何の不自由もない未来が待っているのに」
「そんなの違う…」
「違わないよ。瑠可は今混乱しているんだ。落ち着いたら話をしよう。じゃあ、僕は行くね」
そう言うと、篠崎さんはボクを置いて出て行った。
「そ、そうだ。ピルを…」
ボクは慌ててバッグからスマホを取り出して電話を掛けた。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
1時間後。
ピルを持ってホテルに来たのは意外な人だった。
「な、なんで……?ボクは結季くんを呼んだのに…」
「ゆうは今実家にいる。俺はゆうにお前を頼まれたんだよ」
開けたドアからズカズカと中に入った楓兄は不機嫌そうで、部屋の奥のぐちゃぐちゃになったベッドを見ると眉間の皺が深くなって更に不機嫌になった。
備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出すと、キャップを開けてボクに手渡した。
「ほら、薬出すから飲め」
言われるがまま、水を一口飲むと口の中に錠剤を放り込まれた。
「はい、飲む」と言われ、素直に水をまた一口含んで飲み込む。
「中、掻き出したか?」
「あ、うん、一応」
そう言った直後、白いものが脚を伝って流れたから慌てて隠したけどしっかり見られてしまった。
楓兄は舌打ちをして、ボクを抱えてバスルームへ向かった。
「気持ち悪いだろうけど少しの間我慢しろよ」
「えっ、あのっ、自分でやーーあっ…んんんっー」
楓兄は服が濡れるのも構わず、シャワーを当ててボクの中から篠崎さんが残したものを掻き出し始めた。
楓兄の長い指が、ボクの指では届かなかった奥まで入って優しく丁寧に掻き出す。
ボクはその指の感触に声を抑えることができず、楓兄のTシャツの裾を握りしめながらずっと喘いだ。
「着替えたら帰るぞ」
濡れた服をタオルで拭きながら楓兄は言った。
「えっ、帰るって…」
「俺ん家。このまま置いて帰れないし、瑠可も此処には居たくないだろ?」
「……うん」
此処は嫌だ。
こんな所、もう一秒だって居たくない。
ボクは手早く着替えると、楓兄と一緒にホテルを出た。
バスルームの方から音がして起き上がると、後ろからドロリと何かが流れ出す感触がして、吐き気を催すほど気持ち悪くなる。
「瑠可、起きたのか?」
バスルームから出てきた篠崎さんは、服を着ていた。
「はる、き、さん?」
「僕は用事があるから帰るね。瑠可は疲れただろうから、泊まっていきなさい」
そう言い、いつもと変わらないはずの笑顔をボクに向けた。
その笑顔に今はもう違和感しかなかった。
「春樹さん、なんで…」
「ん?ああ、なんで中に出したかって?それは瑠可を僕の番にするためだよ」
「でも、春樹さん、待つって。それにボク、今日はピル持ってきてないのに…」
抑制剤は持ってきたのにピルを忘れてしまった。
「そんなこと、僕は知らなかったんだから仕方がないだろう。でも、大丈夫。子供が出来たら僕が責任取るから。その時はちゃんと番になろうね」
項を撫でられると不快感が走り、その手を払い除けた。
「そんな…ボク、まだ学生だよ……将来の…夢もあるのにーー」
「瑠可、そんなものは必要ないよ。オメガなんて社会の足手纏いにしかならないんだから。早く番いを見つけて優秀なアルファの子供を産んで、その子に夢を託せばいいんだよ」
突き放されたような気持ちになった。
篠崎さんは最初からボクのことを…。
「瑠可、なんで泣いているの?僕と居たら瑠可は何の不自由もない未来が待っているのに」
「そんなの違う…」
「違わないよ。瑠可は今混乱しているんだ。落ち着いたら話をしよう。じゃあ、僕は行くね」
そう言うと、篠崎さんはボクを置いて出て行った。
「そ、そうだ。ピルを…」
ボクは慌ててバッグからスマホを取り出して電話を掛けた。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
1時間後。
ピルを持ってホテルに来たのは意外な人だった。
「な、なんで……?ボクは結季くんを呼んだのに…」
「ゆうは今実家にいる。俺はゆうにお前を頼まれたんだよ」
開けたドアからズカズカと中に入った楓兄は不機嫌そうで、部屋の奥のぐちゃぐちゃになったベッドを見ると眉間の皺が深くなって更に不機嫌になった。
備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出すと、キャップを開けてボクに手渡した。
「ほら、薬出すから飲め」
言われるがまま、水を一口飲むと口の中に錠剤を放り込まれた。
「はい、飲む」と言われ、素直に水をまた一口含んで飲み込む。
「中、掻き出したか?」
「あ、うん、一応」
そう言った直後、白いものが脚を伝って流れたから慌てて隠したけどしっかり見られてしまった。
楓兄は舌打ちをして、ボクを抱えてバスルームへ向かった。
「気持ち悪いだろうけど少しの間我慢しろよ」
「えっ、あのっ、自分でやーーあっ…んんんっー」
楓兄は服が濡れるのも構わず、シャワーを当ててボクの中から篠崎さんが残したものを掻き出し始めた。
楓兄の長い指が、ボクの指では届かなかった奥まで入って優しく丁寧に掻き出す。
ボクはその指の感触に声を抑えることができず、楓兄のTシャツの裾を握りしめながらずっと喘いだ。
「着替えたら帰るぞ」
濡れた服をタオルで拭きながら楓兄は言った。
「えっ、帰るって…」
「俺ん家。このまま置いて帰れないし、瑠可も此処には居たくないだろ?」
「……うん」
此処は嫌だ。
こんな所、もう一秒だって居たくない。
ボクは手早く着替えると、楓兄と一緒にホテルを出た。
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