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番外編 瑠可/楓
番外編 Luka-8
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「ただいまー。ほれ、瑠可入れよ」
「入れって言われても…」
中、人の気配ないんですけど。
チラッと楓兄に見る。
「あー、うちの両親?ゆうと一緒にゆうの実家に行ってるんだ」
「楓兄はなんで残ったの?」
「就活中だからに決まってるだろ。のんびり田舎行ってる暇ないの」
「あ、そっかぁ」
クスクスと笑ってしまうと、頭をくしゃくしゃされた。
リビングはムッとする暑さは少しあったけど、外よりだいぶ涼しい。
ボクのとこに来る前までここにいたのかもしれない。
楓兄は「あちぃ」とエアコンのスイッチを入れた。
「その辺座っとけ」と言うとキッチンに向かった。
ソファーに座って待っていると、チンっと電子レンジの音がして、少しすると楓兄がマグカップを持って戻ってきた。
「ほら、飲めよ。熱いから火傷すんなよ」
そう言って渡されたのはほんのり甘い香りのするホットミルクだった。
「夏にホットミルク…?」
「だぁー、文句言うな。こういう時は暑くても温かいもの飲んだ方が落ち着くだろ」
ガシガシ頭をかいて不貞腐れたように言い放った。
「クスッ……頂きます」
フーフーして一口含むと、蜂蜜の香りと甘さが口のなかで広がった。
「……瑠可…?」
「ふふっ、美味しい…」
楓兄はまたボクの頭をくしゃくしゃ撫でた。
玄関の時より優しかった。
「瑠可、お手」
「?……痛っ!」
濡れた服を着替えて戻ってきた楓兄が差し出した手に言われるがまま手を乗せると、消毒液を吹きかけられた。
「ほら、おかわり」
「ボク、犬じゃないっ…ったぁいー!」
そう言いつつ、反対の手を乗せて消毒液を吹きかけられる。
涙目のボクを無視して、楓兄は傷薬の軟膏をガーゼに塗りつけて歯形に被せてテープを貼り、その上から更に包帯を巻いた。
「やり過ぎじゃないの?これじゃあ、おトイレ行った後、手が洗えない…」
「手ェ洗わんでも死なないから気にすんな」
「えーヤダー」
「じゃあ、ウェットティッシュで拭けよ」
「あ、そっか…うん、そうする」
そんな話をしながら、楓兄は救急箱を戸棚に仕舞うと、ボクの隣に座った。
ちょんって肩が触れ合う距離なのに、体温を感じる。
その体温をちゃんと感じたくてコテンと寄りかかると、ほんのちょっと寄りかかり返された。
「明日、病院行くか?あと、警察も行くか?」
「ううん。どっちも行きたくない」
「でも…」
「たぶん、大丈夫……な気がする」
「その間、怖いんですけどぉ」
グッと体重を掛けられてグゥと唸るとククッと笑われて、ボクもつられて笑った。
こんな状況で笑えるなんて、あのホテルに1人残された時は想像できなかった。
楓兄はボクを2階の結季くんの部屋に連れて行った。
箪笥の中を漁ってパジャマを出しボクに渡した。
「これに着替えろ。あ、エアコンのリモコンはこれな。熱中症になったら困るから暑かったら我慢しないで付けること。あと、隣、俺の部屋だから、なんかあったらいつでも言え」
「うん、ありがと」
楓兄はボクの頭を撫で「おやすみ」と言って部屋から出ていった。
ボクはグルっと結季くんの部屋を見渡した。
本棚には少しの漫画と、たくさんの参考書が並んでいた。
前に、勉強に関して父と兄は先生よりスパルタだと言っていたのを思い出し、参考書を一冊取り出してパラパラと捲ると、みっしりと書き込みがあった。
「わっ、本当にスパルタなんだ」
そっと戻してパジャマに着替え、布団に潜り込む。
目を閉じて鼻から空気を吸い込むと、布団からお日様のいい匂いがした。
あの日見た、お日様の様な笑顔を皇貴先輩に向ける結季くんを思い出した。
羨ましかったな…。
ボクは布団から出ると結季くんの部屋を出た。
「入れって言われても…」
中、人の気配ないんですけど。
チラッと楓兄に見る。
「あー、うちの両親?ゆうと一緒にゆうの実家に行ってるんだ」
「楓兄はなんで残ったの?」
「就活中だからに決まってるだろ。のんびり田舎行ってる暇ないの」
「あ、そっかぁ」
クスクスと笑ってしまうと、頭をくしゃくしゃされた。
リビングはムッとする暑さは少しあったけど、外よりだいぶ涼しい。
ボクのとこに来る前までここにいたのかもしれない。
楓兄は「あちぃ」とエアコンのスイッチを入れた。
「その辺座っとけ」と言うとキッチンに向かった。
ソファーに座って待っていると、チンっと電子レンジの音がして、少しすると楓兄がマグカップを持って戻ってきた。
「ほら、飲めよ。熱いから火傷すんなよ」
そう言って渡されたのはほんのり甘い香りのするホットミルクだった。
「夏にホットミルク…?」
「だぁー、文句言うな。こういう時は暑くても温かいもの飲んだ方が落ち着くだろ」
ガシガシ頭をかいて不貞腐れたように言い放った。
「クスッ……頂きます」
フーフーして一口含むと、蜂蜜の香りと甘さが口のなかで広がった。
「……瑠可…?」
「ふふっ、美味しい…」
楓兄はまたボクの頭をくしゃくしゃ撫でた。
玄関の時より優しかった。
「瑠可、お手」
「?……痛っ!」
濡れた服を着替えて戻ってきた楓兄が差し出した手に言われるがまま手を乗せると、消毒液を吹きかけられた。
「ほら、おかわり」
「ボク、犬じゃないっ…ったぁいー!」
そう言いつつ、反対の手を乗せて消毒液を吹きかけられる。
涙目のボクを無視して、楓兄は傷薬の軟膏をガーゼに塗りつけて歯形に被せてテープを貼り、その上から更に包帯を巻いた。
「やり過ぎじゃないの?これじゃあ、おトイレ行った後、手が洗えない…」
「手ェ洗わんでも死なないから気にすんな」
「えーヤダー」
「じゃあ、ウェットティッシュで拭けよ」
「あ、そっか…うん、そうする」
そんな話をしながら、楓兄は救急箱を戸棚に仕舞うと、ボクの隣に座った。
ちょんって肩が触れ合う距離なのに、体温を感じる。
その体温をちゃんと感じたくてコテンと寄りかかると、ほんのちょっと寄りかかり返された。
「明日、病院行くか?あと、警察も行くか?」
「ううん。どっちも行きたくない」
「でも…」
「たぶん、大丈夫……な気がする」
「その間、怖いんですけどぉ」
グッと体重を掛けられてグゥと唸るとククッと笑われて、ボクもつられて笑った。
こんな状況で笑えるなんて、あのホテルに1人残された時は想像できなかった。
楓兄はボクを2階の結季くんの部屋に連れて行った。
箪笥の中を漁ってパジャマを出しボクに渡した。
「これに着替えろ。あ、エアコンのリモコンはこれな。熱中症になったら困るから暑かったら我慢しないで付けること。あと、隣、俺の部屋だから、なんかあったらいつでも言え」
「うん、ありがと」
楓兄はボクの頭を撫で「おやすみ」と言って部屋から出ていった。
ボクはグルっと結季くんの部屋を見渡した。
本棚には少しの漫画と、たくさんの参考書が並んでいた。
前に、勉強に関して父と兄は先生よりスパルタだと言っていたのを思い出し、参考書を一冊取り出してパラパラと捲ると、みっしりと書き込みがあった。
「わっ、本当にスパルタなんだ」
そっと戻してパジャマに着替え、布団に潜り込む。
目を閉じて鼻から空気を吸い込むと、布団からお日様のいい匂いがした。
あの日見た、お日様の様な笑顔を皇貴先輩に向ける結季くんを思い出した。
羨ましかったな…。
ボクは布団から出ると結季くんの部屋を出た。
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