至高のオメガとガラスの靴

むー

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短編:高校3年生

アカリちゃんの発情期

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5月の後半。

いつもの様にアカリちゃんのお家のインターホンを鳴らすと百合ちゃんが出た。

「ヒロくん、ごめんね。アカリ、発情期始まっちゃったのよ。今日は1人で学校行ってもらえる?」
「うん。あの……アカリちゃんは大丈夫?」

「大丈夫よ。ビックリするくらい軽いわよ。ヒロくんと番になったから安定したのね」
「えっ、あっ、あの……」

ふふふっと笑う百合ちゃんはとても嬉しそうで、逆に僕は照れて赤くなってしまう。

「そういうとこ、貴美ちゃんにそっくりね」
「へっっ?」
「ふふふふっ、ホラ、早く行かないと遅刻するんじゃない?」
「えっ、あ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」

百合ちゃんに見送られて学校へ向かった。

徒歩15分の朝の道のりは、会社や学校に向かう人が多く、僕1人でも歩ける。
時々、途中でマサキやトーマと会うこともあるけど、今日は違った。

「あ……ヒロ先輩、おはようございます」
「あ、凪沙くん。おはよう」

珍しく凪沙くんと会った。

「あの、アカリ先輩はお休みですか?」
「うん、発情期が始まっちゃったから」
「……寂しいですね」
「うん、そうだね…」

話す機会が増えて分かったんだけど、凪沙くんはとても穏やかな性格で口数が少ない。
僕もそこまでお喋りじゃないから、なんかちょうど良いのかもしれない。

「あ、ヒロー、おはよ。凪沙もおはよ」
「トーマ、おはよう」
「トーマ先輩、おはようございます」

寝坊してマサキに置いて行かれたとボヤくトーマと、学校までの5分、3人で向かった。


❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎

コンコン

「アカリちゃん、どう?」
「あっ、ヒロ!うん、元気だよー。身体もそんなにキツくない」

帰宅後、百合ちゃんの面会許可が降りたからサンドウィッチとプリンを作ってお家を訪ねた。
発情期の初日に会いに行くのは初めてだから少し緊張したけど、会ってみたら、頬が少しピンクだけどいつものアカリちゃんと変わりがないくらい元気だった。
アカリちゃんの部屋に入って少しして、百合ちゃんがミルクティーを持ってきてくれたから、それの飲みながら僕の差し入れを一緒に食べた。

「んー、食後のプリン最高ー」

美味しそうにプリンを食べる様子に、発情期が軽いのが本当のようで安心する。
アカリちゃんはプリンのおかわりを強請るくらい元気で、僕のプリンを半分あげた。

「ねぇ。ヒロ、項見せて」

番になっても変わらなかったのは、アカリちゃんの儀式だ。

「ボクの噛み跡、かなり薄くなっちゃったな……」
「え、そうなの?」
「うん。また噛んでいい?」
「え、それは…ちょっと考えていい?」

せめて、身長があと5cm伸びるまで待って欲しい。
「ちぇ」とアカリちゃんは残念そうに言い、僕の項にキスをした。
今回の項へのキスは少し長くて、チリリとした刺激があった。
項から顔が離れたアカリちゃんは僕と目を合わせてから眼鏡を外した。

「あ……ボクの好きなヒロの色だ」

ここに来る前にコンタクトを外してきた僕の赤い目に、アカリちゃんは嬉しそうに微笑み、閉じた目蓋にキスをした。

香りが一気に強くなって目を開けると、アカリちゃんの頬はピンクから赤に変わっていた。

「ヒロ……したい……」

チュッチュッと唇を啄むキスと熱い息が僕にかかる。
されるがままに身を任せていると、どんどんアカリちゃんの匂いは強くなり、僕の理性がぐらついた。
パンツのポケットに手を入れ、小さな袋に触れる。

「あの、ア、カリちゃん…」
「ヒロ……ダメ?」

欲情の熱を帯びた瞳に、僕の理性の糸はもう切れそうだ。
小さな袋を取り出し、なおも啄まれている僕の唇の前にそれを掲げる。

「い、一回、だけだよ」
「……うん、ボク、頑張る!」

笑顔になったアカリちゃんの唇に僕は噛み付いて押し倒した。


❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎

部屋に入る前、僕は百合ちゃんと約束をした。

1回までよ」

頑張るのは僕の方かもしれない……。


____________________


余談ですが、アカリは箱単位で部屋に隠していて、いつでも取り出せるようにしています(笑)
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