至高のオメガとガラスの靴

むー

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短編:高校3年生

新しい出会い

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放課後、連れてこられたのは学校の最寄駅から2駅先の駅から徒歩5分のマンションだった。

「こちら、一城未那斗くんと凪沙くん。んで、こっちがボクの最愛の婚約者のヒロとそのお供のマサキとトーマ」
「お供じゃなくてお友達だっ」

アカリちゃんの紹介に、すかさずトーマがツッコミを入れた。
「えへへ、間違えちゃった」と言うアカリちゃんだけど、絶対ワザとだ。

「今、一城って言った?…あの一城?」
「えっ」
「うん、そーだよ」

あっけらかんと応えるアカリちゃんに、マサキとトーマは呆然とする。
目の前にいる2人、僕は一度だけ一城先輩の家で見たことがあったけど、アカリちゃんとここまで親しいとは知らなかった。
あんな酷い目に遭わせた人の弟なのに、なんでここまで親しくなっているのか分からない。

「あ、あの……その節はうちの兄が……すみませんでした」

2人は深々と頭を下げた。
あの一城先輩の兄弟とは思えないほど腰が低い。

「あーもう、大丈夫だってー。謝ってもらうために連れてきたんじゃないの。ほら、頭上げて」

頭を上げた凪沙くんは少し涙ぐんでいた。

「あれ、その制服…」
「もう、ヒロ気づくの遅ーい。そう、凪沙くんはウチの学校の新入生だよ」
「マジか…」

トーマの台詞に、凪沙くんは更に涙ぐんだ。


❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎

未那斗くんと凪沙くんの2人は、あの家でずっと一城先輩に虐げられていたそうだ。
ベータとオメガというバースの所為だけで。

去年の12月から、2人は実家から離れ、このマンショマンで過ごしている。
これは蒼さんの意向らしく、アカリちゃんのこともあって向こうの両親は「NO」とは言わなかった。

アカリちゃんは退院後、しばらくこのマンションで2人と両親と一緒に過ごしていて、そこで打ち解けて仲良くなったと言った。

「未那斗くんは頑張り屋さんで、凪ちゃんは可愛くて優しいんだよー」

2人の肩に手を置き、ニコニコ話すアカリちゃんに僕の警戒心はなくなった。

「アカリ先輩」
「なーに、凪ちゃん」
「ボク、お茶用意しますね」
「ほんとー?ありがとー」
「あ、オレも行きます」

未那斗くんと凪沙くんは席を立ち、キッチンへ行った。

「本当に大丈夫なのかよ?」

まだ少し疑うトーマに賛同するようにマサキは頷く。

「大丈夫だよ。ボクが言うんだから絶対間違いないよ。ね、ヒロは?」
「…よくわからないけど、大丈夫だと思う。それにアカリちゃんが絶対っていうんだから僕は信じる」
「やーん。ヒロ、大好きー」

僕に抱きつくアカリちゃんに、マサキもトーマも毒気を抜かれたような顔でため息をついた。

「ヒロがそう言うなら信じるよ」
「ああ、そうだな」

僕たちは、お茶をお菓子を持ってきた2人を笑顔で迎えた。


「でも、凪沙くんはなんでウチの高校にしたの?」

すごく気になっていたことだ。
未那斗くんと同じ高校の方が都合が良い気もするのに。

「それは…」
「ボクが勧めたのー」
「それって、棗が『先輩』って呼ばれたかっただけじゃないの?」
「あ……えへっ」

マサキの言葉にアカリちゃんは目を泳がせ、可愛く笑った。

「マジか…」
「あ、それもあるけど、それだけじゃないよ」
「あるんかいっ」

アカリちゃんとトーマのやり取りは漫才みたいだな。

「ウチの学校って【平等】を謳ってるじゃない。他にもそういう学校あるけど、凪ちゃんが通えそうなとこで一番いいのがウチかなって思ってさ。あと、凪ちゃんが寮のある学校行っちゃうと、未那斗くんと離れ離れになっちゃうから」
「アカリ先輩…」

凪沙くんの目がまた潤みだした。

「あの、アカリさん。ありがとうございます」
「いーのいーの。実際色々根回ししたのお父さんたちだし、ボクが言う前から進めていたみたいだから、お礼はお父さんたちに言って」

未那斗くんがお礼を言い深々とお辞儀をしようとするのをアカリちゃんはそう言い笑って止める。

「ボクはね。2人にボクの大好きなヒロと、マサキとトーマと友達になって欲しいんだ。ヒロたちにも、2人と友達になって欲しい。そう思ったから今日会わせたんだよ」

アカリちゃんの言葉に僕たちは顔を見合わせ笑って頷いた。

「「「これからよろしく」」」
「「はい」」

僕のスマホのアドレス帳に2つ連絡先が追加された。

____________________

未那斗と凪沙登場です。
とはいえ、今のところ次の登場予定はないです。

ヒロのスマホの連絡先は、両親、アカリ、アカリの両親、マサキ、トーマだけなんです。
ちょっとホクホクしたヒロでした(笑)
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