至高のオメガとガラスの靴

むー

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短編:高校3年生

新しい関係

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短編を何話か公開します。
数話ですが、高校3年生になったヒロ達をよろしくお願いします。

____________________


高校3年に進級した僕とアカリちゃんは、『許嫁』から『婚約者』とその関係が変わった。

それ以外は特に変わりない。

と思っていたんだけど…。


❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎

「七月先輩、コレ…」
「え…あの…ごめんなさい」

差し出された手紙を受け取ることなく逃げ出し教室に駆け込んだ。

「あー遂にヒロにも猛者が現れたか…」
「身長伸びて、色々イメチェンしたから、まあそうなるよな」

机に肘をついて僕を眺めているのはマサキとトーマだ。
3年でも同じクラスになった。

「ヒロはボクだけの恋人なのに失礼しちゃうな」

僕の首に腕を回して抱きつくアカリちゃんも勿論一緒のクラスだ。
僕はアカリちゃんの勧めで、もっさりした髪をすいて顔が良く見えるようになった。
また、眼鏡の分厚いフレームを少しだけ細くした。
イメチェンなんてそのくらいしかしてないのに、それからよく声をかけられるようになった。
そして、去年、164cmだった僕の身長はメキメキと伸びて今は171cmになった。
まだまだ伸びる気配があって、今の僕は成長痛に悩まされている。

成績も少しずつ伸びている気配があるけど、そっちは一朝一夕で伸びるものではなかった。
受験生でもあるから、今更ながら塾に通おうかという話を最近している。

この急激な成長についてお父さんが推測するには、6歳の時にアカリちゃんに項を噛まれたことでアルファとしての成長が止まったのではないかと。
レア・アルファはアルファの中でも頂点に君臨する種だけど、番には弱いらしい。
僕も仮契約とはいえアカリちゃんと番だったから、項を噛まれて能力に蓋をされてしまったが、正式に番になって蓋も取れ能力が安定したみたい。
僕の持つ赤のレア・アルファの能力は目に見えるものではないので、身長伸びたり成績が上がると普通のアルファと変わりない成長しか分からない。


そうそう、アカリちゃんも週2でまた格闘技を習いに行くようになった。
あの時、発情期中とはいえ簡単に気絶させられてしまったことが余程悔しかったみたいで「次は絶対負けない」と門下生や師範を蹴り飛ばしていると、たまに一緒に習っているトーマから聞いた。

「というか、今時ラブレターなんて古風な子もいるんだな。勝手に連絡先入手して突撃するもんじゃねぇの?」
「ああ、あれは迷惑だよな。お前誰だよって突っ込みたくなる」

そんなマサキとトーマの会話から、2人もなかなかモテてるらしく、実は1年の時からちょいちょい告白はされていたそうだ。
最近になって、「知らなかったのヒロぐらいだよー」とアカリちゃんに言われてめちゃくちゃ凹んだ。

「まっ、棗とヒロの連絡先知ってんのは俺たちぐらいだから、俺たちを攻略しないと連絡先は入手できないんだろうな」
「うん…そうだね…」

なんだろう。
嬉しいような、悲しいような。
確かに僕のスマホのアドレス帳とメッセージアプリに登録されている連絡先は少ない。
七月家は一人っ子が多い家系だから、親戚はかなり遡らないと居ない。
対して、アカリちゃんの方が多い。
お父さんの蒼さんの方はすでにご両親が他界されているけど、お母さんの百合ちゃんは兄弟が多い。
それは、百合ちゃんの実家の如月家がオメガの名家だからだ。
優秀なアルファを産みやすく子沢山で、百合ちゃんも5人兄妹の末っ子だ。
そのため、アカリちゃんには従兄弟がたくさんいる。
その差が、アドレス帳にも反映されている。

小さくため息を吐くと、アカリちゃんがよしよしと頭を撫でてくれた。

「あ、そーだ。みんなに会わせたい人いるんだ。放課後いい?」
「誰?」
「なーいしょ」

人差し指を口の前に立てて嬉しそうに言うアカリちゃんに、みんな首をかしげた。

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次回の更新は21時の予定です。
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