49 / 53
短編:高校3年生
新しい関係
しおりを挟む
短編を何話か公開します。
数話ですが、高校3年生になったヒロ達をよろしくお願いします。
____________________
高校3年に進級した僕とアカリちゃんは、『許嫁』から『婚約者』とその関係が変わった。
それ以外は特に変わりない。
と思っていたんだけど…。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「七月先輩、コレ…」
「え…あの…ごめんなさい」
差し出された手紙を受け取ることなく逃げ出し教室に駆け込んだ。
「あー遂にヒロにも猛者が現れたか…」
「身長伸びて、色々イメチェンしたから、まあそうなるよな」
机に肘をついて僕を眺めているのはマサキとトーマだ。
3年でも同じクラスになった。
「ヒロはボクだけの恋人なのに失礼しちゃうな」
僕の首に腕を回して抱きつくアカリちゃんも勿論一緒のクラスだ。
僕はアカリちゃんの勧めで、もっさりした髪をすいて顔が良く見えるようになった。
また、眼鏡の分厚いフレームを少しだけ細くした。
イメチェンなんてそのくらいしかしてないのに、それからよく声をかけられるようになった。
そして、去年、164cmだった僕の身長はメキメキと伸びて今は171cmになった。
まだまだ伸びる気配があって、今の僕は成長痛に悩まされている。
成績も少しずつ伸びている気配があるけど、そっちは一朝一夕で伸びるものではなかった。
受験生でもあるから、今更ながら塾に通おうかという話を最近している。
この急激な成長についてお父さんが推測するには、6歳の時にアカリちゃんに項を噛まれたことでアルファとしての成長が止まったのではないかと。
レア・アルファはアルファの中でも頂点に君臨する種だけど、番には弱いらしい。
僕も仮契約とはいえアカリちゃんと番だったから、項を噛まれて能力に蓋をされてしまったが、正式に番になって蓋も取れ能力が安定したみたい。
僕の持つ赤のレア・アルファの能力は目に見えるものではないので、身長伸びたり成績が上がると普通のアルファと変わりない成長しか分からない。
そうそう、アカリちゃんも週2でまた格闘技を習いに行くようになった。
あの時、発情期中とはいえ簡単に気絶させられてしまったことが余程悔しかったみたいで「次は絶対負けない」と門下生や師範を蹴り飛ばしていると、たまに一緒に習っているトーマから聞いた。
「というか、今時ラブレターなんて古風な子もいるんだな。勝手に連絡先入手して突撃するもんじゃねぇの?」
「ああ、あれは迷惑だよな。お前誰だよって突っ込みたくなる」
そんなマサキとトーマの会話から、2人もなかなかモテてるらしく、実は1年の時からちょいちょい告白はされていたそうだ。
最近になって、「知らなかったのヒロぐらいだよー」とアカリちゃんに言われてめちゃくちゃ凹んだ。
「まっ、棗とヒロの連絡先知ってんのは俺たちぐらいだから、俺たちを攻略しないと連絡先は入手できないんだろうな」
「うん…そうだね…」
なんだろう。
嬉しいような、悲しいような。
確かに僕のスマホのアドレス帳とメッセージアプリに登録されている連絡先は少ない。
七月家は一人っ子が多い家系だから、親戚はかなり遡らないと居ない。
対して、アカリちゃんの方が多い。
お父さんの蒼さんの方はすでにご両親が他界されているけど、お母さんの百合ちゃんは兄弟が多い。
それは、百合ちゃんの実家の如月家がオメガの名家だからだ。
優秀なアルファを産みやすく子沢山で、百合ちゃんも5人兄妹の末っ子だ。
そのため、アカリちゃんには従兄弟がたくさんいる。
その差が、アドレス帳にも反映されている。
小さくため息を吐くと、アカリちゃんがよしよしと頭を撫でてくれた。
「あ、そーだ。みんなに会わせたい人いるんだ。放課後いい?」
「誰?」
「なーいしょ」
人差し指を口の前に立てて嬉しそうに言うアカリちゃんに、みんな首をかしげた。
____________________
次回の更新は21時の予定です。
数話ですが、高校3年生になったヒロ達をよろしくお願いします。
____________________
高校3年に進級した僕とアカリちゃんは、『許嫁』から『婚約者』とその関係が変わった。
それ以外は特に変わりない。
と思っていたんだけど…。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「七月先輩、コレ…」
「え…あの…ごめんなさい」
差し出された手紙を受け取ることなく逃げ出し教室に駆け込んだ。
「あー遂にヒロにも猛者が現れたか…」
「身長伸びて、色々イメチェンしたから、まあそうなるよな」
机に肘をついて僕を眺めているのはマサキとトーマだ。
3年でも同じクラスになった。
「ヒロはボクだけの恋人なのに失礼しちゃうな」
僕の首に腕を回して抱きつくアカリちゃんも勿論一緒のクラスだ。
僕はアカリちゃんの勧めで、もっさりした髪をすいて顔が良く見えるようになった。
また、眼鏡の分厚いフレームを少しだけ細くした。
イメチェンなんてそのくらいしかしてないのに、それからよく声をかけられるようになった。
そして、去年、164cmだった僕の身長はメキメキと伸びて今は171cmになった。
まだまだ伸びる気配があって、今の僕は成長痛に悩まされている。
成績も少しずつ伸びている気配があるけど、そっちは一朝一夕で伸びるものではなかった。
受験生でもあるから、今更ながら塾に通おうかという話を最近している。
この急激な成長についてお父さんが推測するには、6歳の時にアカリちゃんに項を噛まれたことでアルファとしての成長が止まったのではないかと。
レア・アルファはアルファの中でも頂点に君臨する種だけど、番には弱いらしい。
僕も仮契約とはいえアカリちゃんと番だったから、項を噛まれて能力に蓋をされてしまったが、正式に番になって蓋も取れ能力が安定したみたい。
僕の持つ赤のレア・アルファの能力は目に見えるものではないので、身長伸びたり成績が上がると普通のアルファと変わりない成長しか分からない。
そうそう、アカリちゃんも週2でまた格闘技を習いに行くようになった。
あの時、発情期中とはいえ簡単に気絶させられてしまったことが余程悔しかったみたいで「次は絶対負けない」と門下生や師範を蹴り飛ばしていると、たまに一緒に習っているトーマから聞いた。
「というか、今時ラブレターなんて古風な子もいるんだな。勝手に連絡先入手して突撃するもんじゃねぇの?」
「ああ、あれは迷惑だよな。お前誰だよって突っ込みたくなる」
そんなマサキとトーマの会話から、2人もなかなかモテてるらしく、実は1年の時からちょいちょい告白はされていたそうだ。
最近になって、「知らなかったのヒロぐらいだよー」とアカリちゃんに言われてめちゃくちゃ凹んだ。
「まっ、棗とヒロの連絡先知ってんのは俺たちぐらいだから、俺たちを攻略しないと連絡先は入手できないんだろうな」
「うん…そうだね…」
なんだろう。
嬉しいような、悲しいような。
確かに僕のスマホのアドレス帳とメッセージアプリに登録されている連絡先は少ない。
七月家は一人っ子が多い家系だから、親戚はかなり遡らないと居ない。
対して、アカリちゃんの方が多い。
お父さんの蒼さんの方はすでにご両親が他界されているけど、お母さんの百合ちゃんは兄弟が多い。
それは、百合ちゃんの実家の如月家がオメガの名家だからだ。
優秀なアルファを産みやすく子沢山で、百合ちゃんも5人兄妹の末っ子だ。
そのため、アカリちゃんには従兄弟がたくさんいる。
その差が、アドレス帳にも反映されている。
小さくため息を吐くと、アカリちゃんがよしよしと頭を撫でてくれた。
「あ、そーだ。みんなに会わせたい人いるんだ。放課後いい?」
「誰?」
「なーいしょ」
人差し指を口の前に立てて嬉しそうに言うアカリちゃんに、みんな首をかしげた。
____________________
次回の更新は21時の予定です。
21
あなたにおすすめの小説
オメガの復讐
riiko
BL
幸せな結婚式、二人のこれからを祝福するかのように参列者からは祝いの声。
しかしこの結婚式にはとてつもない野望が隠されていた。
とっても短いお話ですが、物語お楽しみいただけたら幸いです☆
当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
運命の息吹
梅川 ノン
BL
ルシアは、国王とオメガの番の間に生まれるが、オメガのため王子とは認められず、密やかに育つ。
美しく育ったルシアは、父王亡きあと国王になった兄王の番になる。
兄王に溺愛されたルシアは、兄王の庇護のもと穏やかに暮らしていたが、運命のアルファと出会う。
ルシアの運命のアルファとは……。
西洋の中世を想定とした、オメガバースですが、かなりの独自視点、想定が入ります。あくまでも私独自の創作オメガバースと思ってください。楽しんでいただければ幸いです。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる