6 / 51
第6話 王宮から派遣された侍女
しおりを挟む
レイヴァン様のお屋敷にやって来た初日から、しかもまだ時間もさほど経っていない内から失態を犯してしまった。開かれた扉によって廊下から私を見たレイヴァン様の瞳は鋭く、きっと厄介な娘がやって来たと思われてしまったことだろう。
ローザさんもミレイさんも顔にはまったく出さずに対処をしてくれたものの、とても再びお茶を飲む気にはなれない。謝罪の姿勢を取った後、手振り身振りで替えのお茶を固辞したら何とか分かってもらえたようだ。
その後は用事がなくなったからか、あるいは気遣って一人にしてくれたのか、お二人は私を残して部屋を出た。
一方、レイヴァン様と言えば、私が騒動を起こしている間にお出かけになっていたらしい。所在なさげに与えられた部屋をうろうろしていたところ、馬車から降りるお姿が窓から見えた。
お出迎えしたほうがいいのだろうか。けれど今日来たばかりの私に、まして招かざる人間に屋敷内をうろつかれるのは好まないかもしれない。
レイヴァン様を見つめながら、ああでもない、こうでもないと逡巡していたら不意に彼が顔を上げた。
――目が合った!?
私は慌てて身を翻して窓から離れる。
とっさに逃げてしまったけれど、今のは絶対に良くない態度だった。悔やみながらも既におこなってしまったことを取り消すことはできない。
結局、お出迎えする勇気も出なくて部屋の中に留まっていたら、少しして部屋の扉がノックされた。
サンティルノ語では何と返事するのだろうか。けれど今は自国の言語でしか答える術はない。一拍置いて、はいと返事をすると外から扉を押して開放された。廊下に立っているのはレイヴァン様だ。
慌てて顔を伏せて礼を取る私に彼は何かを言ってきた。もしかしてさっきのことを咎められているのだろうか。胸がどくどくと高鳴る。
「レイヴァン様は少し話がしたいとおっしゃっています」
「……え」
突然柔らかい女性の声が、しかも私に理解できる言葉が聞こえてきて、おそるおそる顔を上げるとレイヴァン様の横に若い女性が立っていた。栗色の瞳と髪色で肩まで髪を伸ばしている。まだ紹介されていない方だ。
「部屋に入ってもいいかと」
「――あ。は、はい」
慌てて横に身を引くとレイヴァン様が部屋に足を踏み入れた。けれど扉口辺りから動こうとはしない。
私が椅子へと誘導しなければならないのだろうかと考えていたら、レイヴァン様が女性に何かを言った。彼女は頷くと私に向き直る。
「はじめまして、クリスタル王女殿下。私はマノン・オランジュと申します。マノンとお呼びくださいませ」
礼を取って挨拶した後、彼女は私に笑顔を向けた。
サンティルノ国に来てから初めて見た嫌味のない笑顔だ。
「レイヴァン様のご要請により王宮から派遣され、本日より通訳者として王女殿下の専属侍女に就かせていただきます」
「通訳者……」
レイヴァン様は私に通訳者をつけてくれた?
私は彼女とレイヴァン様を交互に見ると、彼は何となく意図を読み取ってくれたようで頷く。
「はい。私はグランテーレ国出身で、四年ほど前に両親と共にこちらへ移住してまいりました。まだ私も言語が拙い所がございますが、精一杯務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」
「……あ。こ、こちらこそどうぞよろしくお願いいたします」
張っていた肩が少し緩んだ気さえする。私はレイヴァン様に向き直ると今はまだお礼の言葉は言えず、ただ丁重に礼を取った。
「そうですか。到着してすぐに失敗してしまったのですか」
「ええ。そうなのです。緊張してしまいまして」
「それは大変でしたね」
私は反省を踏まえて先ほどの失態を早速話すと、私の髪を優しく梳いてくれるマノンさんは眉を落としながらも困ったように小さく笑った。
正面には大きな鏡がかけられていて、金の繊細な装飾で縁取られている。
「仕方ありませんわ。クリスタル王女殿下はご自分の意志とは関係なく、元は交戦していた国と政的なご結婚でこちらにいらっしゃったのですもの。緊張もなさるでしょう」
「ええ。あの。マノンさん、わたくしはシュトラウス家に入りました。王女殿下の敬称はもう」
「失礼いたしました。それでは奥様でしょうか」
「……いえ。クリスタルでお願いいたします」
「はい。ではクリスタル様ですね。承知いたしました」
マノンさんはすぐに快く対応してくれた。
「はい。お願いいたします。ところでマノンさんはどうしてこちらの国にいらっしゃるのですか」
「父の仕事の関係で移住したのです。本来なら異国の者が王宮に務めることなど考えられないことですが、幸いにも伝手がございまして。とても幸運なことでした」
「そうでしたか。それなのに臨時的とは言え、わたくしのために王宮を離れさせることになってしまい、誠に申し訳ありません」
「いいえ。とんでもないことでございます。まさかグランテーレ国の王女様にお仕えすることができる日が来るだなんて夢にも思いませんでした。とても光栄なことですわ。それにお初にお目にかかりますが、こんなにお美しい方だっただなんて! お肌も抜けるように白いですし、何より左右違いの瞳の色がとても神秘的ですね」
返す言葉がなくて目を半ば伏せて黙っていたけれど、彼女の完成でございますの声に顔を上げる。
鏡で頭を確認すると、自分では持て余していた長い髪が綺麗にまとめられている。また綺麗な髪飾りも付けられていた。
「まあ。とても素敵です。ありがとうございます」
「お気に召していただけて大変嬉しく存じます。――さあ。ではこれからご夕食ですわ。心のご準備はいかがでしょうか」
「は、い」
そうだ。
これからレイヴァン様との初めての食事だ。先ほどのような失敗はしないだろうか。そんな思いが言葉を詰まらせる。
「大丈夫ですわ。お力を抜いてくださいませ。お食事中も私がすぐ側に控えさせていただきますので」
「そんなことまでしていただくわけには」
「いいえ。私は通訳者でございますからお気になさらずに。何かあれば私がお助けいたします。一緒に頑張りましょう」
「はい。ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
心強い言葉に落ち着いた私は頷いた。
ローザさんもミレイさんも顔にはまったく出さずに対処をしてくれたものの、とても再びお茶を飲む気にはなれない。謝罪の姿勢を取った後、手振り身振りで替えのお茶を固辞したら何とか分かってもらえたようだ。
その後は用事がなくなったからか、あるいは気遣って一人にしてくれたのか、お二人は私を残して部屋を出た。
一方、レイヴァン様と言えば、私が騒動を起こしている間にお出かけになっていたらしい。所在なさげに与えられた部屋をうろうろしていたところ、馬車から降りるお姿が窓から見えた。
お出迎えしたほうがいいのだろうか。けれど今日来たばかりの私に、まして招かざる人間に屋敷内をうろつかれるのは好まないかもしれない。
レイヴァン様を見つめながら、ああでもない、こうでもないと逡巡していたら不意に彼が顔を上げた。
――目が合った!?
私は慌てて身を翻して窓から離れる。
とっさに逃げてしまったけれど、今のは絶対に良くない態度だった。悔やみながらも既におこなってしまったことを取り消すことはできない。
結局、お出迎えする勇気も出なくて部屋の中に留まっていたら、少しして部屋の扉がノックされた。
サンティルノ語では何と返事するのだろうか。けれど今は自国の言語でしか答える術はない。一拍置いて、はいと返事をすると外から扉を押して開放された。廊下に立っているのはレイヴァン様だ。
慌てて顔を伏せて礼を取る私に彼は何かを言ってきた。もしかしてさっきのことを咎められているのだろうか。胸がどくどくと高鳴る。
「レイヴァン様は少し話がしたいとおっしゃっています」
「……え」
突然柔らかい女性の声が、しかも私に理解できる言葉が聞こえてきて、おそるおそる顔を上げるとレイヴァン様の横に若い女性が立っていた。栗色の瞳と髪色で肩まで髪を伸ばしている。まだ紹介されていない方だ。
「部屋に入ってもいいかと」
「――あ。は、はい」
慌てて横に身を引くとレイヴァン様が部屋に足を踏み入れた。けれど扉口辺りから動こうとはしない。
私が椅子へと誘導しなければならないのだろうかと考えていたら、レイヴァン様が女性に何かを言った。彼女は頷くと私に向き直る。
「はじめまして、クリスタル王女殿下。私はマノン・オランジュと申します。マノンとお呼びくださいませ」
礼を取って挨拶した後、彼女は私に笑顔を向けた。
サンティルノ国に来てから初めて見た嫌味のない笑顔だ。
「レイヴァン様のご要請により王宮から派遣され、本日より通訳者として王女殿下の専属侍女に就かせていただきます」
「通訳者……」
レイヴァン様は私に通訳者をつけてくれた?
私は彼女とレイヴァン様を交互に見ると、彼は何となく意図を読み取ってくれたようで頷く。
「はい。私はグランテーレ国出身で、四年ほど前に両親と共にこちらへ移住してまいりました。まだ私も言語が拙い所がございますが、精一杯務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」
「……あ。こ、こちらこそどうぞよろしくお願いいたします」
張っていた肩が少し緩んだ気さえする。私はレイヴァン様に向き直ると今はまだお礼の言葉は言えず、ただ丁重に礼を取った。
「そうですか。到着してすぐに失敗してしまったのですか」
「ええ。そうなのです。緊張してしまいまして」
「それは大変でしたね」
私は反省を踏まえて先ほどの失態を早速話すと、私の髪を優しく梳いてくれるマノンさんは眉を落としながらも困ったように小さく笑った。
正面には大きな鏡がかけられていて、金の繊細な装飾で縁取られている。
「仕方ありませんわ。クリスタル王女殿下はご自分の意志とは関係なく、元は交戦していた国と政的なご結婚でこちらにいらっしゃったのですもの。緊張もなさるでしょう」
「ええ。あの。マノンさん、わたくしはシュトラウス家に入りました。王女殿下の敬称はもう」
「失礼いたしました。それでは奥様でしょうか」
「……いえ。クリスタルでお願いいたします」
「はい。ではクリスタル様ですね。承知いたしました」
マノンさんはすぐに快く対応してくれた。
「はい。お願いいたします。ところでマノンさんはどうしてこちらの国にいらっしゃるのですか」
「父の仕事の関係で移住したのです。本来なら異国の者が王宮に務めることなど考えられないことですが、幸いにも伝手がございまして。とても幸運なことでした」
「そうでしたか。それなのに臨時的とは言え、わたくしのために王宮を離れさせることになってしまい、誠に申し訳ありません」
「いいえ。とんでもないことでございます。まさかグランテーレ国の王女様にお仕えすることができる日が来るだなんて夢にも思いませんでした。とても光栄なことですわ。それにお初にお目にかかりますが、こんなにお美しい方だっただなんて! お肌も抜けるように白いですし、何より左右違いの瞳の色がとても神秘的ですね」
返す言葉がなくて目を半ば伏せて黙っていたけれど、彼女の完成でございますの声に顔を上げる。
鏡で頭を確認すると、自分では持て余していた長い髪が綺麗にまとめられている。また綺麗な髪飾りも付けられていた。
「まあ。とても素敵です。ありがとうございます」
「お気に召していただけて大変嬉しく存じます。――さあ。ではこれからご夕食ですわ。心のご準備はいかがでしょうか」
「は、い」
そうだ。
これからレイヴァン様との初めての食事だ。先ほどのような失敗はしないだろうか。そんな思いが言葉を詰まらせる。
「大丈夫ですわ。お力を抜いてくださいませ。お食事中も私がすぐ側に控えさせていただきますので」
「そんなことまでしていただくわけには」
「いいえ。私は通訳者でございますからお気になさらずに。何かあれば私がお助けいたします。一緒に頑張りましょう」
「はい。ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
心強い言葉に落ち着いた私は頷いた。
22
あなたにおすすめの小説
盲目王子の策略から逃げ切るのは、至難の業かもしれない
当麻月菜
恋愛
生まれた時から雪花の紋章を持つノアは、王族と結婚しなければいけない運命だった。
だがしかし、攫われるようにお城の一室で向き合った王太子は、ノアに向けてこう言った。
「はっ、誰がこんな醜女を妻にするか」
こっちだって、初対面でいきなり自分を醜女呼ばわりする男なんて願い下げだ!!
───ということで、この茶番は終わりにな……らなかった。
「ならば、私がこのお嬢さんと結婚したいです」
そう言ってノアを求めたのは、盲目の為に王位継承権を剥奪されたもう一人の王子様だった。
ただ、この王子の見た目の美しさと薄幸さと善人キャラに騙されてはいけない。
彼は相当な策士で、ノアに無自覚ながらぞっこん惚れていた。
一目惚れした少女を絶対に逃さないと決めた盲目王子と、キノコをこよなく愛する魔力ゼロ少女の恋の攻防戦。
※但し、他人から見たら無自覚にイチャイチャしているだけ。
二度目の初恋は、穏やかな伯爵と
柴田はつみ
恋愛
交通事故に遭い、気がつけば18歳のアランと出会う前の自分に戻っていた伯爵令嬢リーシャン。
冷酷で傲慢な伯爵アランとの不和な結婚生活を経験した彼女は、今度こそ彼とは関わらないと固く誓う。しかし運命のいたずらか、リーシャンは再びアランと出会ってしまう。
追放聖女35歳、拾われ王妃になりました
真曽木トウル
恋愛
王女ルイーズは、両親と王太子だった兄を亡くした20歳から15年間、祖国を“聖女”として統治した。
自分は結婚も即位もすることなく、愛する兄の娘が女王として即位するまで国を守るために……。
ところが兄の娘メアリーと宰相たちの裏切りに遭い、自分が追放されることになってしまう。
とりあえず亡き母の母国に身を寄せようと考えたルイーズだったが、なぜか大学の学友だった他国の王ウィルフレッドが「うちに来い」と迎えに来る。
彼はルイーズが15年前に求婚を断った相手。
聖職者が必要なのかと思いきや、なぜかもう一回求婚されて??
大人なようで素直じゃない2人の両片想い婚。
●他作品とは特に世界観のつながりはありません。
●『小説家になろう』に先行して掲載しております。
あなたのことが大好きなので、今すぐ婚約を解消いたしましょう!
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「ランドルフ様、私との婚約を解消しませんかっ!?」
子爵令嬢のミリィは、一度も対面することなく初恋の武人ランドルフの婚約者になった。けれどある日ミリィのもとにランドルフの恋人だという踊り子が押しかけ、婚約が不本意なものだったと知る。そこでミリィは決意した。大好きなランドルフのため、なんとかしてランドルフが真に愛する踊り子との仲を取り持ち、自分は身を引こうと――。
けれどなぜか戦地にいるランドルフからは、婚約に前向きとしか思えない手紙が届きはじめる。一体ミリィはつかの間の婚約者なのか。それとも――?
戸惑いながらもぎこちなく心を通わせはじめたふたりだが、幸せを邪魔するかのように次々と問題が起こりはじめる。
勘違いからすれ違う離れ離れのふたりが、少しずつ距離を縮めながらゆっくりじりじりと愛を育て成長していく物語。
◇小説家になろう、他サイトでも(掲載予定)です。
◇すでに書き上げ済みなので、完結保証です。
理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました
ぺきぺき
恋愛
王家の次男として生まれたヨーゼフには幼い頃から決められていた婚約者がいた。兄の補佐として育てられ、兄の息子が立太子した後には臣籍降下し大公になるよていだった。
このヨーゼフ、優秀な頭脳を持ち、立派な大公となることが期待されていたが、幼い頃に見た絵本のお姫様を理想の女性として探し続けているという残念なところがあった。
そしてついに貴族学園で絵本のお姫様とそっくりな令嬢に出会う。
ーーーー
若気の至りでやらかしたことに苦しめられる主人公が最後になんとか幸せになる話。
作者別作品『二人のエリーと遅れてあらわれるヒーローたち』のスピンオフになっていますが、単体でも読めます。
完結まで執筆済み。毎日四話更新で4/24に完結予定。
第一章 無計画な婚約破棄
第二章 無計画な白い結婚
第三章 無計画な告白
第四章 無計画なプロポーズ
第五章 無計画な真実の愛
エピローグ
【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ
【完結】破滅フラグを回避したいのに婚約者の座は譲れません⁈─王太子殿下の婚約者に転生したみたいだけど転生先の物語がわかりません─
江崎美彩
恋愛
侯爵家の令嬢エレナ・トワインは王太子殿下の婚約者……のはずなのに、正式に発表されないまま月日が過ぎている。
王太子殿下も通う王立学園に入学して数日たったある日、階段から転げ落ちたエレナは、オタク女子高生だった恵玲奈の記憶を思い出す。
『えっ? もしかしてわたし転生してる?』
でも肝心の転生先の作品もヒロインなのか悪役なのかモブなのかもわからない。エレナの記憶も恵玲奈の記憶も曖昧で、エレナの王太子殿下に対する一方的な恋心だけしか手がかりがない。
王太子殿下の発表されていない婚約者って、やっぱり悪役令嬢だから殿下の婚約者として正式に発表されてないの? このまま婚約者の座に固執して、断罪されたりしたらどうしよう!
『婚約者から妹としか思われてないと思い込んで悪役令嬢になる前に身をひこうとしている侯爵令嬢(転生者)』と『婚約者から兄としか思われていないと思い込んで自制している王太子様』の勘違いからすれ違いしたり、謀略に巻き込まれてすれ違いしたりする物語です。
長編ですが、一話一話はさっくり読めるように短めです。
『小説家になろう』『カクヨム』にも投稿しています。
自称悪役令嬢は嫌われるべく暗躍する!皆の幸福の為に嫌われるはずが、何故か愛されてしまいました。
ユウ
恋愛
侯爵令嬢のレティシアは婚約者との顔合わせの日、前世の記憶を取り戻す。
乙女ゲームの王道的悪役ヒロインの立ち位置にいる事に。
このままでは多くの人が悲しむ結果になる。
ならば家を存続させ一人で罪を被って国外追放なろう!と思いきや。
貴族令嬢としては色々ぶっ飛び過ぎてポンコツ令嬢のレティシアに悪女は厳しかった。
間違った悪役令嬢を演じる末に嫌われるはずの婚約者に愛されてしまう中真のヒロインが学園に現れるのだが…
「貴女悪役令嬢の癖にどういう事よ!ちゃんと役目を果しなさいよ」
「えっと…なんかごめんなさい」
ポンコツ令嬢はうっかりヒロインに頭を下げてしまって事態は急変してしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる