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小話1.イチャイチャします
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「シャルロッテ様とジョシュア様が不釣り合いだという考えは変わっていませんが、先日は申し訳ございませんでした」
先日シャルロッテに絡んできた令嬢の一人が謝罪をしたいと申し出てきたのだが、悔しそうに歯を食いしばっての謝罪ってどうなのかと思う。やっぱり謝罪も社交も演技力が必要だというのが感想だ。謝りたいのか喧嘩をしたいのかよく分からない。
あからさまに不満満載で言われても「許す」と言いたくない。きっと親に叱られ謝るように言われたのだろうが、これなら謝罪しないほうがマシだと思う。
彼女はシャルロッテより二歳年下だ。ここは年長の鷹揚さを見せつけようかと一瞬思ったのだがやめた。なぜなら彼女のつけているネックレスはジュシュアの美しい瞳と同じ青い宝石だったからだ。ちなみにシャルロッテのネックレスも同じ青色だ。もちろんジョシュアから贈られたものである。わざわざなぜこの色を選んだと言いたい。これはもう決闘を挑まれたと言っても過言ではないハズ。
それならば――。
ジョシュアが慌ててこちらに来るのが見えた。きっと自分が離れたせいで絡まれていると心配しているのだろう。
「ロッティ」
令嬢はジョシュアが目の前に来ると一瞬瞳を輝かせたが、彼がシャルロッテの腰を抱くのを見て悔しそうに唇を噛んだ。
そしてジョシュアがシャルロッテを守るように威圧的な視線を令嬢に向ければ、彼女はスカートをギュッと掴み、ジョシュアに向かって誤解ですと訴えるように首をフルフルと振る。無実を訴え縋るように瞳を潤ませた。
きっと周りから見たらシャルロッテが意地悪をしているように見えるだろう。シャルロッテはジョシュアに笑顔を向けた。目を細めアイコンタクトを送る。ちょっと芝居がかってしまうけど二人の仲を見せつけよう。
「大丈夫よ、ジョシュ。彼女は先日の発言を謝罪してくれただけよ。でも彼女の言う通り、誰から見ても私ではあなたに釣り合わない。あなたに相応しいもっと素敵な女性がいるのは分かっているの……」
悲しそうに俯き殊勝気に呟く。確かに平凡代表のようなシャルロッテでは釣り合わないという彼女の言葉は正しい。それくらいジョシュアは素敵すぎるのだ。ジョシュアはシャルロッテの腰を抱く腕に力を入れはっきりと言った。
「そんなことはないよ。私にとってロッティ以上の女性なんて存在しない。ロッティは世界一可愛くて、世界一素敵な女性だ。知的で優しくそして強さもある。これほど素晴らしい婚約者がいるのだから他の女性になど興味はないよ。それに私こそロッティに相応しくありたいと思っているんだ」
ジョシュアは蕩けるような笑顔で見つめながらシャルロッテのこめかみにくちづけを落とす。彼なら否定してくれると思ったが、否定どころか誉められてしまった。この令嬢に見せつけるために協力してくれている演技とはいえ、すごく嬉しい。
「ジョシュ。ありがとう」
「早くロッティと結婚式を挙げて名実ともに夫婦になりたいな。待ち遠しいよ」
「私もよ」
ジョシュアとシャルロッテの二人の世界のやり取りを正面から見ていた令嬢は、顔を紙のように白くして唇をわななかせ悔しそうに踵を返した。
(必殺。イチャイチャ攻撃!)
令嬢の後姿が見えなくなったので肩の力を抜いてジョシュアを見上げる。
「ジョシュ。話を合わせてくれてありがとう」
ジョシュアはきょとんとする。
「えっ。本心だけど?」
アイコンタクトは伝わっていなかった……。
今日もシャルロッテは婚約者に深く愛されています。
先日シャルロッテに絡んできた令嬢の一人が謝罪をしたいと申し出てきたのだが、悔しそうに歯を食いしばっての謝罪ってどうなのかと思う。やっぱり謝罪も社交も演技力が必要だというのが感想だ。謝りたいのか喧嘩をしたいのかよく分からない。
あからさまに不満満載で言われても「許す」と言いたくない。きっと親に叱られ謝るように言われたのだろうが、これなら謝罪しないほうがマシだと思う。
彼女はシャルロッテより二歳年下だ。ここは年長の鷹揚さを見せつけようかと一瞬思ったのだがやめた。なぜなら彼女のつけているネックレスはジュシュアの美しい瞳と同じ青い宝石だったからだ。ちなみにシャルロッテのネックレスも同じ青色だ。もちろんジョシュアから贈られたものである。わざわざなぜこの色を選んだと言いたい。これはもう決闘を挑まれたと言っても過言ではないハズ。
それならば――。
ジョシュアが慌ててこちらに来るのが見えた。きっと自分が離れたせいで絡まれていると心配しているのだろう。
「ロッティ」
令嬢はジョシュアが目の前に来ると一瞬瞳を輝かせたが、彼がシャルロッテの腰を抱くのを見て悔しそうに唇を噛んだ。
そしてジョシュアがシャルロッテを守るように威圧的な視線を令嬢に向ければ、彼女はスカートをギュッと掴み、ジョシュアに向かって誤解ですと訴えるように首をフルフルと振る。無実を訴え縋るように瞳を潤ませた。
きっと周りから見たらシャルロッテが意地悪をしているように見えるだろう。シャルロッテはジョシュアに笑顔を向けた。目を細めアイコンタクトを送る。ちょっと芝居がかってしまうけど二人の仲を見せつけよう。
「大丈夫よ、ジョシュ。彼女は先日の発言を謝罪してくれただけよ。でも彼女の言う通り、誰から見ても私ではあなたに釣り合わない。あなたに相応しいもっと素敵な女性がいるのは分かっているの……」
悲しそうに俯き殊勝気に呟く。確かに平凡代表のようなシャルロッテでは釣り合わないという彼女の言葉は正しい。それくらいジョシュアは素敵すぎるのだ。ジョシュアはシャルロッテの腰を抱く腕に力を入れはっきりと言った。
「そんなことはないよ。私にとってロッティ以上の女性なんて存在しない。ロッティは世界一可愛くて、世界一素敵な女性だ。知的で優しくそして強さもある。これほど素晴らしい婚約者がいるのだから他の女性になど興味はないよ。それに私こそロッティに相応しくありたいと思っているんだ」
ジョシュアは蕩けるような笑顔で見つめながらシャルロッテのこめかみにくちづけを落とす。彼なら否定してくれると思ったが、否定どころか誉められてしまった。この令嬢に見せつけるために協力してくれている演技とはいえ、すごく嬉しい。
「ジョシュ。ありがとう」
「早くロッティと結婚式を挙げて名実ともに夫婦になりたいな。待ち遠しいよ」
「私もよ」
ジョシュアとシャルロッテの二人の世界のやり取りを正面から見ていた令嬢は、顔を紙のように白くして唇をわななかせ悔しそうに踵を返した。
(必殺。イチャイチャ攻撃!)
令嬢の後姿が見えなくなったので肩の力を抜いてジョシュアを見上げる。
「ジョシュ。話を合わせてくれてありがとう」
ジョシュアはきょとんとする。
「えっ。本心だけど?」
アイコンタクトは伝わっていなかった……。
今日もシャルロッテは婚約者に深く愛されています。
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