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24 オルコット商会
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ローゼリアとイアンは王都に着いた翌日にオルコット商会へと訪れた。
商会は貴族街の外れ、平民街との境目に近い路地裏にある小さな建物の一階にあった。
「初めまして奥様、そして若様。私は伯爵様よりこの商会の副会頭をさせていただいております、クレイグと申します。男爵家出身でしたが実家が代替わりした事で平民となりましたので、姓はありません」
そう言いながらローゼリアとイアンに頭を下げたのは鼻の下にヒゲを生やした初老の男性だった。
オルコット商会の会頭は伯爵なので、領地にいる事の多い伯爵に代わり実務は副会頭のクレイグが担当していた。そしてオルコット商会はオルコット領で作られる紙を扱うだけの小さな商会だった。
クレイグの他は帳簿付けを担当しているクレイグの娘のエラと、雑務をこなしている若い平民の男性のロニーの三人だけが従業員として勤めている小さな商会だった。
「当商会は領地から送られてくる紙を契約している旅商人たちに渡し、彼らが各地へ赴いて紙を売り上げてくれます。何年も契約している旅商人には商品だけ渡して売り上げは後で貰うようにしていますが、契約して年数の浅い旅商人には先に紙を買い取らせるようにしております。王都内でしたら私やロニーが納品をしております」
応接セットに座りながらクレイグが商会の業務内容について簡単に説明をしてくれた。
「伯爵さまから奥様が当商会で取り扱う新しい商品をお考えになられたので、相談に乗って欲しいと手紙にて伺っております」
ローゼリアは持ってきた鞄から紙の束を取り出す。
「この小説を売りたいの。これの売れ行きが良かったら同じ内容で装丁を豪華して貴族向けに販売したいと思っていますわ。それとエルランドから美容液を取り寄せて売りたいの。最終的には売れたものと似たようなものをオルコット領内でも作って販売をしたいと思っているわ」
クレイグはローゼリアの持ってきた小説の写しと企画書を丁寧に読んでいく。
「なるほど、小説の方は装丁の無い紙のみの方でしたら伯爵様より進めて構わないと申し使っておりますので、早速写本をしてくれる者を探しましょう。美容液につきましてはエルランドで商売をしている旅商人もおりますが、人数が少ないのとエルランドのどの商会で販売されている美容液を選ぶか等々ございますので、実際に販売されるまでにお時間がかかるかと思います」
「エルランドの事でしたら大丈夫でしてよ。私は家族がエルランドにおりますので、母と伯母にお願いをして、伯母さまがお使いになっていらっしゃる美容液とエルランドの貴族女性たちに好まれる美容液をいくつか送ってもらおうと思っていますの。エルランドの公爵夫人や令嬢が使っている美容液として売り出せばランゲルでも売れると思いますわ」
「そのようなお話でしたら、商品を仕入れましたら貴族家に出入りをしている商人に声を掛けてみましょう」
「それとオルコット領でも栽培が出来る植物を使ってどんな美容液が作れるか知りたいの。どこかに薬草に詳しい方はいないかしら?」
「薬草ですか……当商会では取り扱いがございませんのですぐには分かりませんが、薬草を扱っている旅商人はいますので聞いてみます」
「ありがとう。紙の小説の方は書き写されてしまったら価値は低くなるでしょうから、最初に多めに作られた方が良くてよ。王宮やヴィルタ家の周りでしたらきっと売れますわ」
そう言ってローゼリアは出された紅茶を飲み終えた。
商会は貴族街の外れ、平民街との境目に近い路地裏にある小さな建物の一階にあった。
「初めまして奥様、そして若様。私は伯爵様よりこの商会の副会頭をさせていただいております、クレイグと申します。男爵家出身でしたが実家が代替わりした事で平民となりましたので、姓はありません」
そう言いながらローゼリアとイアンに頭を下げたのは鼻の下にヒゲを生やした初老の男性だった。
オルコット商会の会頭は伯爵なので、領地にいる事の多い伯爵に代わり実務は副会頭のクレイグが担当していた。そしてオルコット商会はオルコット領で作られる紙を扱うだけの小さな商会だった。
クレイグの他は帳簿付けを担当しているクレイグの娘のエラと、雑務をこなしている若い平民の男性のロニーの三人だけが従業員として勤めている小さな商会だった。
「当商会は領地から送られてくる紙を契約している旅商人たちに渡し、彼らが各地へ赴いて紙を売り上げてくれます。何年も契約している旅商人には商品だけ渡して売り上げは後で貰うようにしていますが、契約して年数の浅い旅商人には先に紙を買い取らせるようにしております。王都内でしたら私やロニーが納品をしております」
応接セットに座りながらクレイグが商会の業務内容について簡単に説明をしてくれた。
「伯爵さまから奥様が当商会で取り扱う新しい商品をお考えになられたので、相談に乗って欲しいと手紙にて伺っております」
ローゼリアは持ってきた鞄から紙の束を取り出す。
「この小説を売りたいの。これの売れ行きが良かったら同じ内容で装丁を豪華して貴族向けに販売したいと思っていますわ。それとエルランドから美容液を取り寄せて売りたいの。最終的には売れたものと似たようなものをオルコット領内でも作って販売をしたいと思っているわ」
クレイグはローゼリアの持ってきた小説の写しと企画書を丁寧に読んでいく。
「なるほど、小説の方は装丁の無い紙のみの方でしたら伯爵様より進めて構わないと申し使っておりますので、早速写本をしてくれる者を探しましょう。美容液につきましてはエルランドで商売をしている旅商人もおりますが、人数が少ないのとエルランドのどの商会で販売されている美容液を選ぶか等々ございますので、実際に販売されるまでにお時間がかかるかと思います」
「エルランドの事でしたら大丈夫でしてよ。私は家族がエルランドにおりますので、母と伯母にお願いをして、伯母さまがお使いになっていらっしゃる美容液とエルランドの貴族女性たちに好まれる美容液をいくつか送ってもらおうと思っていますの。エルランドの公爵夫人や令嬢が使っている美容液として売り出せばランゲルでも売れると思いますわ」
「そのようなお話でしたら、商品を仕入れましたら貴族家に出入りをしている商人に声を掛けてみましょう」
「それとオルコット領でも栽培が出来る植物を使ってどんな美容液が作れるか知りたいの。どこかに薬草に詳しい方はいないかしら?」
「薬草ですか……当商会では取り扱いがございませんのですぐには分かりませんが、薬草を扱っている旅商人はいますので聞いてみます」
「ありがとう。紙の小説の方は書き写されてしまったら価値は低くなるでしょうから、最初に多めに作られた方が良くてよ。王宮やヴィルタ家の周りでしたらきっと売れますわ」
そう言ってローゼリアは出された紅茶を飲み終えた。
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