50 / 80
第四部
2
しおりを挟む
勝負は一瞬で終わった。突っこんで来た魔獣はカミーユの背後にあった大きな岩に衝突して動きが止まった。そこを狙って剣で斬りつけた。
あらかじめカミーユは岩を背にして魔獣を挑発していた。猪型の大型魔獣の急所もバルバラから教わっていた。だから狙う場所もわかっていた。
……バルバラがどうして淑女教育と一緒に魔獣の倒し方まで教えてくれたのかは深く追求しない方がいいんだろうな。魔獣討伐することになるなんて自分でも思わなかったし。
首を落とされて魔獣が完全に動かなくなったのを確かめると、カミーユは剣の汚れを拭った。
「あの……依頼完了でいいですか?」
カミーユが問いかけると、引率の冒険者は額を押さえて苦悩しながら、完了だ、と答えた。
集合時間になって他の新人たちと合流すると、彼らは一様に魔獣と会わなかったという。大型魔獣が迷い込んできていたので小型の魔獣は逃げ出してしまっていたらしいという結論になった。他の新人たちは後日の再試験が認められた。
カミーユが倒した大型を見て、彼らは揃ってぽかんと口を開けていた。
あれ? わたし何かまずいことしてしまっただろうか。
そう思いながら周囲を見回していたカミーユは視界の隅に見つけたものを見て慌てて駆け寄った。
「……やっちゃったか……」
新人冒険者の試験依頼の経緯を聞いたアレクがぽつりと呟いた。
カミーユが倒した大型は本来住んでいる地域が全く違うのだという。それがもし街に来ていたら大変なことになっていた。なので冒険者ギルドはその原因調査のために大騒ぎになった。
おかげでその大型魔獣を倒したのが新人冒険者だったということはさほど大事にはならなかった……のだけれど。
ギルドの係員とカミーユの引率担当だった冒険者は深々とアレクとカミーユに頭を下げてきたし、正式な冒険者登録証も発行してもらえた。
彼らはカミーユを連れてきたのがアレクだと知っていたので、侮ってはいたけれど危険な目に遭わせるつもりもなかったらしい。
「それで、森の中で保護したそれなんだが……」
ギルドの担当者がカミーユが手にしたバスケットの中を見て戸惑った顔になる。
「ひとまず行方不明などの依頼を見ても該当者はいなかった。他の町から流れてきたのかもしれない。この騒動で人手が割けないから、しばらく面倒を頼めるだろうか」
そして残った問題はカミーユが森の中で見つけた弱り切った鼠だった。
もしかして魔獣に踏まれでもしたのかと保護して連れてきたけれど、外傷はなく、ただ飢えて弱っていただけらしい。
アレクは頷いて領館で預かることを了承した。
「まあ、うちの領民じゃなくても見捨てる訳にはいかないよね」
どうやらこの鼠、亜人が変化したものらしい。アレクと同じ先祖返りなのだと。
「でも、この子本当に亜人? 」
カミーユはバスケットを抱えたまま領館への道を歩きながらアレクに問いかけた。
「うん。モルモットの亜人だね。東部には多いけどこのへんじゃ見ないなあ」
灰色でフサフサした毛の手のひらの中にすっぽり収まるような鼠。どう見てもカミーユにはちょっと大きめの鼠にしか見えない。
アレクも最初に見たときは普通の小鳥と見分けがつかなかったのを思い出す。
「森の中で身を隠す必要があったのと、お腹空いてこの姿になったほうが生き延びられるって本能で感じたんじゃないかな。しかもまだ若いね」
ギルドの近くの店で買ってきた果物の汁などを飲ませてみたけれどまだ目を開けない。
「……一体どうして森の中に……」
「あまりいい話じゃないんだけど、鼠とかの弱い亜人を捕まえて周辺の国に奴隷として売り払う輩もいるらしいんだよね。だから鼠族の方にも問い合わせてみよう。それまでは領館で面倒見ればいいし」
「何か余計な仕事を増やしてしまってごめん……」
「いいよ、別に。どうせギルドのあの様子だと大型魔獣の調査が終わるまでは初級ランクの依頼はしばらく凍結だろうね。新人の適性試験の森にまたあんなの出てきたらヤバいし」
そのヤバいのをこれも一匹ならと倒してしまったカミーユは口をつぐむしかない。
……ギルドの人たちに危ない人みたいに思われてないだろうか。
「カミーユは別に間違ってはいないよ。あの場で誰かが駆除しなかったら他の新人たちが大怪我してたかもしれない」
「そうならいいのだけれど。ということは当分依頼も受けられないということ?」
「いや、合同での依頼とかなら大丈夫だと思うよ。僕はずっと一人でやってたから、そういう依頼は結構やってたから」
カミーユとしては剣を振るえる機会ができると楽しみだったのだけれど、あの大型魔獣のせいでせっかく冒険者登録をしたのにどこにも行けないと、少し落胆していたところだった。
「どっちみち、また明日ギルドに顔出してみよう。この子の身元もわかるかもしれないし」
アレクはそう言ってカミーユの背中を軽く叩いた。
カミーユたちが王都で立太子式とそれに関連する行事を終えて、カーネル領に戻るまでも結構一悶着あった。
まずグラントリーが一緒に行くと言い出した。それはひとまず新婚の邪魔になるからと国王夫妻がなんとか宥めてくれた。
それから決闘の後でお友達(?)になった貴婦人たちからもいつ戻るのかという問い合わせがあったり、ロラン王子とダルトワ侯爵からもいつか招待してほしいと手紙が届いた。
王太子の執務については王宮から毎日書類が転送魔法で届けられることになっている。
重要な行事の時は戻ることもあるけれど、当面は領地で過ごすことが認められた。
カミーユはこれを機に領地経営や王太子の執務について勉強することにした。なので午前中は二人で執務とカミーユの妃教育、午後からは冒険者ギルドに行くというのが当初の計画だった。
カミーユが無事冒険者登録をした日の夜、ギルドから初級の依頼は当面停止するという連絡が届いた。大型魔獣の足取りを確認したら、他の個体の気配もあったのだとか。
「……何か大事になってるね。僕が領主になってから今までこういうことは珍しかったんだけど、最近魔獣の行動が変化しているらしいんだ」
「理由があるものなの?」
カミーユは私室で鼠を寝かせたバスケットをかたわらに置いてレースを編んでいた。
アレクは五年前にカーネルの領主を命じられたという。王都にいても異母弟たちに喧嘩を売られるだけだったので、喜んで引き受けたのだとか。
最初はほっそりしたアレクを見て小馬鹿にしていた領民たちも、魔法を使って大規模な開拓や土木工事を手伝っているうちに敬意を向けてくれるようになった。
そして、ギルドと連携して魔獣被害についても今まで調査してきたのだという。
「魔獣の行動に変化が出るのは嵐などの天候的な要因とかで住処を失ったとかが多いんだけど……」
アレクはそこまで言ってから、カミーユの顔をじっと見つめてきた。
「聖女などの強い力を持つ聖職者の気配を感じとって、恐怖や混乱で暴走することもあるんだって……。考えたらカーネルには大きな神殿も今までなかったし……」
「待って。それってわたしのせいなのか?」
カミーユは思わず編み物の手を止めた。
「まあ調査中ではあるんだけど、魔物の暴走が始まったの、カミーユが前にここに来たときかららしいから……。とりあえずカミーユ、ギルドが忙しい間に一度魔力測定を受けに行こうか?」
「……」
王都で測定したらまずいから、とは言われたけれど、その理由も聞いていなかった。カーネル領は王都から離れているので小さな神殿と司祭が一人という状況なのだとか。
しかも、老司祭はアレクのことを生まれた時から知っている人だから信用できると言っていた。そこまで慎重になる必要があるのか。
わたしはいままで魔法なんて使えるとは思わなかったし、そんな力はないと思うのに、【祝福】の一件からアレクがとても慎重になっている。
無意識でやってるから自分では何がどうなってるのかわからないし、それが凄いことかどうかもよくわからないのに。
「……【祝福】というのは魔法なのか?」
「おそらくシーニュでもそうだろうけど、神殿は奇跡の技だとか呼んでいる。けど、光魔法の上位で神聖魔法の一つだよ。使い手は少ないし、権力者が一番欲しがる力だ。君の母方のダルトワ侯爵家は元々魔法が得意な家柄で、度々【祝福】の力をもつ人が現れていたり、聖女を輩出していることを考えても、光魔法の血筋なんだろうと推察できる。だから適性と魔力量を調べる必要があるんだ。ただ、この国は魔法が使える人間は少ないから、神殿に目をつけられてしまう。僕も何度か王族を抜けて聖職者になる気はないかって誘われたことがあるくらいだし。だからこっちで測定しようと思ったんだ」
「その司祭様は信用できるの?」
「うん。亜人は魔力持ちは少ないから、中央への報告しなくてもバレないから。その辺は根回し済み」
王都で立王太子の儀式のとき、頭の中に聞こえてきた神託を思い出した。
……一国の王にも聖者にもなれる、と言っていた。そんなわけがないと思っていたけれど、わたしは自分の魔力も知らない。恐れるにも隠すにも、知らなければどうにもできない。
どちらにしても確かめる必要はあるだろう。
そして、もし自分が魔獣達に影響を与える類の魔力持ちだったら、今日の大型魔獣を自分で仕留めたのはやはり正しかったということになる。だってわたしのせいで誰かが怪我するのはいやだし、それなら自分の手で始末をつけないと。
あらかじめカミーユは岩を背にして魔獣を挑発していた。猪型の大型魔獣の急所もバルバラから教わっていた。だから狙う場所もわかっていた。
……バルバラがどうして淑女教育と一緒に魔獣の倒し方まで教えてくれたのかは深く追求しない方がいいんだろうな。魔獣討伐することになるなんて自分でも思わなかったし。
首を落とされて魔獣が完全に動かなくなったのを確かめると、カミーユは剣の汚れを拭った。
「あの……依頼完了でいいですか?」
カミーユが問いかけると、引率の冒険者は額を押さえて苦悩しながら、完了だ、と答えた。
集合時間になって他の新人たちと合流すると、彼らは一様に魔獣と会わなかったという。大型魔獣が迷い込んできていたので小型の魔獣は逃げ出してしまっていたらしいという結論になった。他の新人たちは後日の再試験が認められた。
カミーユが倒した大型を見て、彼らは揃ってぽかんと口を開けていた。
あれ? わたし何かまずいことしてしまっただろうか。
そう思いながら周囲を見回していたカミーユは視界の隅に見つけたものを見て慌てて駆け寄った。
「……やっちゃったか……」
新人冒険者の試験依頼の経緯を聞いたアレクがぽつりと呟いた。
カミーユが倒した大型は本来住んでいる地域が全く違うのだという。それがもし街に来ていたら大変なことになっていた。なので冒険者ギルドはその原因調査のために大騒ぎになった。
おかげでその大型魔獣を倒したのが新人冒険者だったということはさほど大事にはならなかった……のだけれど。
ギルドの係員とカミーユの引率担当だった冒険者は深々とアレクとカミーユに頭を下げてきたし、正式な冒険者登録証も発行してもらえた。
彼らはカミーユを連れてきたのがアレクだと知っていたので、侮ってはいたけれど危険な目に遭わせるつもりもなかったらしい。
「それで、森の中で保護したそれなんだが……」
ギルドの担当者がカミーユが手にしたバスケットの中を見て戸惑った顔になる。
「ひとまず行方不明などの依頼を見ても該当者はいなかった。他の町から流れてきたのかもしれない。この騒動で人手が割けないから、しばらく面倒を頼めるだろうか」
そして残った問題はカミーユが森の中で見つけた弱り切った鼠だった。
もしかして魔獣に踏まれでもしたのかと保護して連れてきたけれど、外傷はなく、ただ飢えて弱っていただけらしい。
アレクは頷いて領館で預かることを了承した。
「まあ、うちの領民じゃなくても見捨てる訳にはいかないよね」
どうやらこの鼠、亜人が変化したものらしい。アレクと同じ先祖返りなのだと。
「でも、この子本当に亜人? 」
カミーユはバスケットを抱えたまま領館への道を歩きながらアレクに問いかけた。
「うん。モルモットの亜人だね。東部には多いけどこのへんじゃ見ないなあ」
灰色でフサフサした毛の手のひらの中にすっぽり収まるような鼠。どう見てもカミーユにはちょっと大きめの鼠にしか見えない。
アレクも最初に見たときは普通の小鳥と見分けがつかなかったのを思い出す。
「森の中で身を隠す必要があったのと、お腹空いてこの姿になったほうが生き延びられるって本能で感じたんじゃないかな。しかもまだ若いね」
ギルドの近くの店で買ってきた果物の汁などを飲ませてみたけれどまだ目を開けない。
「……一体どうして森の中に……」
「あまりいい話じゃないんだけど、鼠とかの弱い亜人を捕まえて周辺の国に奴隷として売り払う輩もいるらしいんだよね。だから鼠族の方にも問い合わせてみよう。それまでは領館で面倒見ればいいし」
「何か余計な仕事を増やしてしまってごめん……」
「いいよ、別に。どうせギルドのあの様子だと大型魔獣の調査が終わるまでは初級ランクの依頼はしばらく凍結だろうね。新人の適性試験の森にまたあんなの出てきたらヤバいし」
そのヤバいのをこれも一匹ならと倒してしまったカミーユは口をつぐむしかない。
……ギルドの人たちに危ない人みたいに思われてないだろうか。
「カミーユは別に間違ってはいないよ。あの場で誰かが駆除しなかったら他の新人たちが大怪我してたかもしれない」
「そうならいいのだけれど。ということは当分依頼も受けられないということ?」
「いや、合同での依頼とかなら大丈夫だと思うよ。僕はずっと一人でやってたから、そういう依頼は結構やってたから」
カミーユとしては剣を振るえる機会ができると楽しみだったのだけれど、あの大型魔獣のせいでせっかく冒険者登録をしたのにどこにも行けないと、少し落胆していたところだった。
「どっちみち、また明日ギルドに顔出してみよう。この子の身元もわかるかもしれないし」
アレクはそう言ってカミーユの背中を軽く叩いた。
カミーユたちが王都で立太子式とそれに関連する行事を終えて、カーネル領に戻るまでも結構一悶着あった。
まずグラントリーが一緒に行くと言い出した。それはひとまず新婚の邪魔になるからと国王夫妻がなんとか宥めてくれた。
それから決闘の後でお友達(?)になった貴婦人たちからもいつ戻るのかという問い合わせがあったり、ロラン王子とダルトワ侯爵からもいつか招待してほしいと手紙が届いた。
王太子の執務については王宮から毎日書類が転送魔法で届けられることになっている。
重要な行事の時は戻ることもあるけれど、当面は領地で過ごすことが認められた。
カミーユはこれを機に領地経営や王太子の執務について勉強することにした。なので午前中は二人で執務とカミーユの妃教育、午後からは冒険者ギルドに行くというのが当初の計画だった。
カミーユが無事冒険者登録をした日の夜、ギルドから初級の依頼は当面停止するという連絡が届いた。大型魔獣の足取りを確認したら、他の個体の気配もあったのだとか。
「……何か大事になってるね。僕が領主になってから今までこういうことは珍しかったんだけど、最近魔獣の行動が変化しているらしいんだ」
「理由があるものなの?」
カミーユは私室で鼠を寝かせたバスケットをかたわらに置いてレースを編んでいた。
アレクは五年前にカーネルの領主を命じられたという。王都にいても異母弟たちに喧嘩を売られるだけだったので、喜んで引き受けたのだとか。
最初はほっそりしたアレクを見て小馬鹿にしていた領民たちも、魔法を使って大規模な開拓や土木工事を手伝っているうちに敬意を向けてくれるようになった。
そして、ギルドと連携して魔獣被害についても今まで調査してきたのだという。
「魔獣の行動に変化が出るのは嵐などの天候的な要因とかで住処を失ったとかが多いんだけど……」
アレクはそこまで言ってから、カミーユの顔をじっと見つめてきた。
「聖女などの強い力を持つ聖職者の気配を感じとって、恐怖や混乱で暴走することもあるんだって……。考えたらカーネルには大きな神殿も今までなかったし……」
「待って。それってわたしのせいなのか?」
カミーユは思わず編み物の手を止めた。
「まあ調査中ではあるんだけど、魔物の暴走が始まったの、カミーユが前にここに来たときかららしいから……。とりあえずカミーユ、ギルドが忙しい間に一度魔力測定を受けに行こうか?」
「……」
王都で測定したらまずいから、とは言われたけれど、その理由も聞いていなかった。カーネル領は王都から離れているので小さな神殿と司祭が一人という状況なのだとか。
しかも、老司祭はアレクのことを生まれた時から知っている人だから信用できると言っていた。そこまで慎重になる必要があるのか。
わたしはいままで魔法なんて使えるとは思わなかったし、そんな力はないと思うのに、【祝福】の一件からアレクがとても慎重になっている。
無意識でやってるから自分では何がどうなってるのかわからないし、それが凄いことかどうかもよくわからないのに。
「……【祝福】というのは魔法なのか?」
「おそらくシーニュでもそうだろうけど、神殿は奇跡の技だとか呼んでいる。けど、光魔法の上位で神聖魔法の一つだよ。使い手は少ないし、権力者が一番欲しがる力だ。君の母方のダルトワ侯爵家は元々魔法が得意な家柄で、度々【祝福】の力をもつ人が現れていたり、聖女を輩出していることを考えても、光魔法の血筋なんだろうと推察できる。だから適性と魔力量を調べる必要があるんだ。ただ、この国は魔法が使える人間は少ないから、神殿に目をつけられてしまう。僕も何度か王族を抜けて聖職者になる気はないかって誘われたことがあるくらいだし。だからこっちで測定しようと思ったんだ」
「その司祭様は信用できるの?」
「うん。亜人は魔力持ちは少ないから、中央への報告しなくてもバレないから。その辺は根回し済み」
王都で立王太子の儀式のとき、頭の中に聞こえてきた神託を思い出した。
……一国の王にも聖者にもなれる、と言っていた。そんなわけがないと思っていたけれど、わたしは自分の魔力も知らない。恐れるにも隠すにも、知らなければどうにもできない。
どちらにしても確かめる必要はあるだろう。
そして、もし自分が魔獣達に影響を与える類の魔力持ちだったら、今日の大型魔獣を自分で仕留めたのはやはり正しかったということになる。だってわたしのせいで誰かが怪我するのはいやだし、それなら自分の手で始末をつけないと。
43
あなたにおすすめの小説
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
ぼくの婚約者を『運命の番』だと言うひとが現れたのですが、婚約者は変わらずぼくを溺愛しています。
夏笆(なつは)
BL
公爵令息のウォルターは、第一王子アリスターの婚約者。
ふたりの婚約は、ウォルターが生まれた際、3歳だったアリスターが『うぉるがぼくのはんりょだ』と望んだことに起因している。
そうして生まれてすぐアリスターの婚約者となったウォルターも、やがて18歳。
初めての発情期を迎えようかという年齢になった。
これまで、大切にウォルターを慈しみ、その身体を拓いて来たアリスターは、やがて来るその日を心待ちにしている。
しかし、そんな幸せな日々に一石を投じるかのように、アリスターの運命の番を名乗る男爵令息が現れる。
男性しか存在しない、オメガバースの世界です。
改定前のものが、小説家になろうに掲載してあります。
※蔑視する内容を含みます。
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
【完結】王子様たちに狙われています。本気出せばいつでも美しくなれるらしいですが、どうでもいいじゃないですか。
竜鳴躍
BL
同性でも子を成せるようになった世界。ソルト=ペッパーは公爵家の3男で、王宮務めの文官だ。他の兄弟はそれなりに高級官吏になっているが、ソルトは昔からこまごまとした仕事が好きで、下級貴族に混じって働いている。机で物を書いたり、何かを作ったり、仕事や趣味に没頭するあまり、物心がついてからは身だしなみもおざなりになった。だが、本当はソルトはものすごく美しかったのだ。
自分に無頓着な美人と彼に恋する王子と騎士の話。
番外編はおまけです。
特に番外編2はある意味蛇足です。
【本編完結済】神子は二度、姿を現す
江多之折(エタノール)
BL
1/7外伝含め完結
ファンタジー世界で成人し、就職しに王城を訪れたところ異世界に転移した少年が転移先の世界で神子となり、壮絶な日々の末、自ら命を絶った前世を思い出した主人公。
死んでも戻りたかった元の世界には戻ることなく異世界で生まれ変わっていた事に絶望したが
神子が亡くなった後に取り残された王子の苦しみを知り、向き合う事を決めた。
戻れなかった事を恨み、死んだことを後悔し、傷付いた王子を助けたいと願う少年の葛藤。
王子様×元神子が転生した侍従の過去の苦しみに向き合い、悩みながら乗り越えるための物語。
※小説家になろうに掲載していた作品を改修して投稿しています。
描写はキスまでの全年齢BL
【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる
ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。
・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。
・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。
・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる