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第32話 竜天女の再来
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竜茶には、人族にしか効かない毒がある。
アイザックがそのことを国王陛下に伝えると、王の命令によってただちに国内の研究者たちが集められました。
私の研究内容が正しいのか、調査をするためです。
その間、人族が竜茶を飲まないように、アイザックが手を回してくれました。
アイザックのおかげで、被害は最小限に抑えられる。
そして数日後。
国王陛下が勅命を出します。
『人族が竜茶を飲むことを禁ずる』
その理由についても、発表しました。
竜木の葉に、人族にしか効かない毒があるということは、ジェネラス竜国に衝撃を与えました。
もちろん、毒が効かない竜人族にとっても他人事ではありません。
人族と結婚した者もいるため、そういった人は知らないうちに家族に毒を飲ませていたことになるからです。
建国以来、最大の衝撃を与えた竜茶の真相。
このことが明るみにでなければ、数十年後にはジェネラス竜国の人族は絶滅していたこと、研究者たちは口にします。
そしてこの事件が発覚したことにより、思ってもいなかったことが発生します。
「ルシル様、万歳ー!」
「人族の救世主!」
「俺たちを救ってくれて、ありがとうございます!」
「ルシル様は俺たちの竜天女様だ!」
「竜天女の再来だ!」
「この恩は生涯忘れません!」
「竜天女の再来、ルシル様万歳!」
私が人族の居住区へ検診に出かけると、大勢の人たちに囲まれてしまう。
みんな、私のことを女神様だと勘違いしているような熱狂ぶりです。
こんなに大歓迎さえるのは初めてだから、ちょっと困っちゃうわね。
その人族の居住区へは、アイザックによって臨時の救済院が作られることになりました。
おかげで、病院の機能を持っている救済院で、毒におかされている子どもたちを救うことができた。
ちなみに竜茶の解毒には、竜の爪を使いました。
竜の爪が竜茶の毒に効くことは、私で実証済みだから。
私が竜茶を飲んで倒れたからこそ、ここまで早急に調査できた。
そうして竜茶の真相が発覚してから一か月後には、人族のみんなの毒はすべて解毒することができました。
竜都の人たちに、笑顔が戻ったのだ。
私が研究室でレポートをまとめていると、いつものようにアイザックが声をかけてきますy。
「ルシルの人気が凄いことになってるぞ」
「アイザックに言われなくても知ってるわよ。人族からのでしょう?」
「いいや、それだけじゃない。竜人族からもだ」
この時代、竜人族の家族にも、人族に連なる者たちがいる。
竜人族と人族の子は、ハーフ。
そんな子どもたちも、竜茶の毒に侵されていた者の一人だったのだ。
「これも、すべてはルシルが発明した竜毒の解毒薬のおかげだ」
「あれは……アイザックの功績よ。私を助けてくれたのは、アイザックとこの竜の爪なんだから」
竜の爪による解毒薬によって、竜茶の毒──竜毒におかされていたジェネラス竜国の人族は、すべて救われた。
家で寝たきりになっていた者も、解毒薬によってすぐに回復したのだ。
ちなみにこの国の人族の子どもが、竜茶を飲んだ瞬間に倒れたことはない。
それはこの国の人族には、少なからず竜の血が混ざっているから。
おかげで竜茶を飲んでも、すぐに命を奪われるようなことはなかったみたい。
私が竜茶を一杯飲んだだけで生死を彷徨ったのは、私が別大陸の人間だから。
竜の血が一滴も混ざっていない純潔の人族である私の体は、竜茶による毒の抗体がまったくない。
そのせいで、少量の竜木のエキスを摂取しただけで、猛毒になるようです。
「竜毒の存在が明らかになったことで、これまで謎に包まれていた現象のいくつかが解明できるようだ。竜天女が早死にした理由も、竜茶の毒だったのだろう。そのことがわかっただけでも、竜人族はルシルに感謝しているようだ」
初代国王の妻であり、竜たちを救った竜天女の人気はいまだに高い。
そんな竜天女の真実を突き止めたとして、私の知名度もうなぎ登りになっているみたい。
「中には、ルシルのことを竜天女の生まれ変わりだっていう者もいるそうだぞ。竜天女の再来だったか」
「やめてよね……研究の成果が認められたのってこれが初めてだから、なんだか恥ずかしいわ」
「いや、案外的外れなことではないかもしれないぞ。竜天女ほど竜のことを愛していた人間はこれまでいなかった。ルシルはいまや、その竜天女と同じ立ち位置にいると思う」
「それについては、なんとなくわかるかも……竜天女様は、きっと竜のことを愛していたのだろうし」
人族の居住区で生き残っていたお年寄りから話を聞いたことで、ある事実がわかった。
ブラッドの祖母が遺言にしていた、人族は成人するまで竜茶を飲んではいけないという古いしきたり。
あれは、竜天女の教えだったそうです。
竜天女は、竜茶を発明した。
だけどその竜茶に、人族にしか効かない毒があるということを、なんとなくわかっていたのだと思う。
だけどその事実を解明する前に、自身が発明した竜茶の毒によって、命を失ってしまった。
もしも人族が竜茶を飲むような未来になったときの対策にと、未成年は竜茶を飲まないようにというしきたりを残した。
もしもこのしきたりがなければ、人族の子どもは大人になるまで生きながらえることはできなかったことでしょう。
数百年前に竜天女が残したしきたりによって、人族の命は最低限守られていたのだ。
「竜天女様……どんな方だったのかしら。一度、会ってみたかったわね」
「なら、会いに行っててみるか?」
その言葉を聞いて、私はすかさずアイザックの顔を覗き込みます。
それって、いったいどういう意味?
竜天女は何百年も前に亡くなっている、歴史上の人のはずなのに!
「ルシル、ついてきてくれ」
アイザックがそのことを国王陛下に伝えると、王の命令によってただちに国内の研究者たちが集められました。
私の研究内容が正しいのか、調査をするためです。
その間、人族が竜茶を飲まないように、アイザックが手を回してくれました。
アイザックのおかげで、被害は最小限に抑えられる。
そして数日後。
国王陛下が勅命を出します。
『人族が竜茶を飲むことを禁ずる』
その理由についても、発表しました。
竜木の葉に、人族にしか効かない毒があるということは、ジェネラス竜国に衝撃を与えました。
もちろん、毒が効かない竜人族にとっても他人事ではありません。
人族と結婚した者もいるため、そういった人は知らないうちに家族に毒を飲ませていたことになるからです。
建国以来、最大の衝撃を与えた竜茶の真相。
このことが明るみにでなければ、数十年後にはジェネラス竜国の人族は絶滅していたこと、研究者たちは口にします。
そしてこの事件が発覚したことにより、思ってもいなかったことが発生します。
「ルシル様、万歳ー!」
「人族の救世主!」
「俺たちを救ってくれて、ありがとうございます!」
「ルシル様は俺たちの竜天女様だ!」
「竜天女の再来だ!」
「この恩は生涯忘れません!」
「竜天女の再来、ルシル様万歳!」
私が人族の居住区へ検診に出かけると、大勢の人たちに囲まれてしまう。
みんな、私のことを女神様だと勘違いしているような熱狂ぶりです。
こんなに大歓迎さえるのは初めてだから、ちょっと困っちゃうわね。
その人族の居住区へは、アイザックによって臨時の救済院が作られることになりました。
おかげで、病院の機能を持っている救済院で、毒におかされている子どもたちを救うことができた。
ちなみに竜茶の解毒には、竜の爪を使いました。
竜の爪が竜茶の毒に効くことは、私で実証済みだから。
私が竜茶を飲んで倒れたからこそ、ここまで早急に調査できた。
そうして竜茶の真相が発覚してから一か月後には、人族のみんなの毒はすべて解毒することができました。
竜都の人たちに、笑顔が戻ったのだ。
私が研究室でレポートをまとめていると、いつものようにアイザックが声をかけてきますy。
「ルシルの人気が凄いことになってるぞ」
「アイザックに言われなくても知ってるわよ。人族からのでしょう?」
「いいや、それだけじゃない。竜人族からもだ」
この時代、竜人族の家族にも、人族に連なる者たちがいる。
竜人族と人族の子は、ハーフ。
そんな子どもたちも、竜茶の毒に侵されていた者の一人だったのだ。
「これも、すべてはルシルが発明した竜毒の解毒薬のおかげだ」
「あれは……アイザックの功績よ。私を助けてくれたのは、アイザックとこの竜の爪なんだから」
竜の爪による解毒薬によって、竜茶の毒──竜毒におかされていたジェネラス竜国の人族は、すべて救われた。
家で寝たきりになっていた者も、解毒薬によってすぐに回復したのだ。
ちなみにこの国の人族の子どもが、竜茶を飲んだ瞬間に倒れたことはない。
それはこの国の人族には、少なからず竜の血が混ざっているから。
おかげで竜茶を飲んでも、すぐに命を奪われるようなことはなかったみたい。
私が竜茶を一杯飲んだだけで生死を彷徨ったのは、私が別大陸の人間だから。
竜の血が一滴も混ざっていない純潔の人族である私の体は、竜茶による毒の抗体がまったくない。
そのせいで、少量の竜木のエキスを摂取しただけで、猛毒になるようです。
「竜毒の存在が明らかになったことで、これまで謎に包まれていた現象のいくつかが解明できるようだ。竜天女が早死にした理由も、竜茶の毒だったのだろう。そのことがわかっただけでも、竜人族はルシルに感謝しているようだ」
初代国王の妻であり、竜たちを救った竜天女の人気はいまだに高い。
そんな竜天女の真実を突き止めたとして、私の知名度もうなぎ登りになっているみたい。
「中には、ルシルのことを竜天女の生まれ変わりだっていう者もいるそうだぞ。竜天女の再来だったか」
「やめてよね……研究の成果が認められたのってこれが初めてだから、なんだか恥ずかしいわ」
「いや、案外的外れなことではないかもしれないぞ。竜天女ほど竜のことを愛していた人間はこれまでいなかった。ルシルはいまや、その竜天女と同じ立ち位置にいると思う」
「それについては、なんとなくわかるかも……竜天女様は、きっと竜のことを愛していたのだろうし」
人族の居住区で生き残っていたお年寄りから話を聞いたことで、ある事実がわかった。
ブラッドの祖母が遺言にしていた、人族は成人するまで竜茶を飲んではいけないという古いしきたり。
あれは、竜天女の教えだったそうです。
竜天女は、竜茶を発明した。
だけどその竜茶に、人族にしか効かない毒があるということを、なんとなくわかっていたのだと思う。
だけどその事実を解明する前に、自身が発明した竜茶の毒によって、命を失ってしまった。
もしも人族が竜茶を飲むような未来になったときの対策にと、未成年は竜茶を飲まないようにというしきたりを残した。
もしもこのしきたりがなければ、人族の子どもは大人になるまで生きながらえることはできなかったことでしょう。
数百年前に竜天女が残したしきたりによって、人族の命は最低限守られていたのだ。
「竜天女様……どんな方だったのかしら。一度、会ってみたかったわね」
「なら、会いに行っててみるか?」
その言葉を聞いて、私はすかさずアイザックの顔を覗き込みます。
それって、いったいどういう意味?
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