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…あおくん。
「寝るな、本宮! 死ぬぞ!」
橙子さんに首を絞められて飛び上がる。
…今、ちらっと本気で殺意感じたよね。
「私、外回りしてくるから」
「はーい」
「絶対まとめときなさいよ! このボンクラ―――っ」
橙子さんは丸めたファイルで私の頭をはたくと、慌ただしく去って行った。
若干ワードセンスが時代がかっていることには触れずにおく。
ていうか。寝てないから。考えてたんだから。
…あおくんの記事。
山と積まれた資料を眺める。
和泉 碧 Ao Izumi
20××年3月 明都大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。同年(株)ウィンエンターテイメント入社。20××年 東島建設(株)に移籍。20××年より同建設技術研究所 開発研究部チーフマネージャー,現在に至る。
テクノフォーラムゴールドメダル賞 最年少受賞。
他,文部科学大臣賞,総務省情報化推進会議議長表彰,バーチャルリアリティー学会長表彰,日本産業技術研究賞,等多数受賞。
今最も話題の若き天才エンジニア。
あおくん、すごい人なんだな。
私を一瞬で過去に引き戻した映像技術。
本当に現実感があって、見えて聞こえて匂いがした。
もしかしたら、昔あおくんが見せてくれた青い鳥は。
VR技術だったのかもしれない。
頭に置かれた和泉さんの大きな手の感触を思い出す。
優しい手だった。
研究室を訪れてデカい自己紹介をした時、細めた目元がすごく優しかった。
抱きしめてくれた時、その腕の中が温かくて安心して懐かしかった。
思い出の中のあおくんも。
すごく優しかったな。
大切過ぎて心の奥深くにしまい込んでしっかり鍵をかけていた思い出は。
思い出のままの方が良かったのかもしれない。
でも。
「…あおくん。好きです」
パソコンの画面に開かれた空白のページに書き込む。
「前からずっと、今でもずっと、
やっぱりどうしてもあおくんが好きです」
それからそれらを一気に消去して、慣れない理系用語が並ぶVR技術についての資料をまとめた。
数字とアルファベットが並ぶと拒絶反応が出てしまい、同じ文章がぐるぐる回って全然進まなかった。
それでも一つ一つ調べながら書いては消して、書いては消した。
私が体感した技術の素晴らしさが少しでも伝わるように、できる限り丁寧にまとめた。
「寝るな、本宮! 死ぬぞ!」
橙子さんに首を絞められて飛び上がる。
…今、ちらっと本気で殺意感じたよね。
「私、外回りしてくるから」
「はーい」
「絶対まとめときなさいよ! このボンクラ―――っ」
橙子さんは丸めたファイルで私の頭をはたくと、慌ただしく去って行った。
若干ワードセンスが時代がかっていることには触れずにおく。
ていうか。寝てないから。考えてたんだから。
…あおくんの記事。
山と積まれた資料を眺める。
和泉 碧 Ao Izumi
20××年3月 明都大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。同年(株)ウィンエンターテイメント入社。20××年 東島建設(株)に移籍。20××年より同建設技術研究所 開発研究部チーフマネージャー,現在に至る。
テクノフォーラムゴールドメダル賞 最年少受賞。
他,文部科学大臣賞,総務省情報化推進会議議長表彰,バーチャルリアリティー学会長表彰,日本産業技術研究賞,等多数受賞。
今最も話題の若き天才エンジニア。
あおくん、すごい人なんだな。
私を一瞬で過去に引き戻した映像技術。
本当に現実感があって、見えて聞こえて匂いがした。
もしかしたら、昔あおくんが見せてくれた青い鳥は。
VR技術だったのかもしれない。
頭に置かれた和泉さんの大きな手の感触を思い出す。
優しい手だった。
研究室を訪れてデカい自己紹介をした時、細めた目元がすごく優しかった。
抱きしめてくれた時、その腕の中が温かくて安心して懐かしかった。
思い出の中のあおくんも。
すごく優しかったな。
大切過ぎて心の奥深くにしまい込んでしっかり鍵をかけていた思い出は。
思い出のままの方が良かったのかもしれない。
でも。
「…あおくん。好きです」
パソコンの画面に開かれた空白のページに書き込む。
「前からずっと、今でもずっと、
やっぱりどうしてもあおくんが好きです」
それからそれらを一気に消去して、慣れない理系用語が並ぶVR技術についての資料をまとめた。
数字とアルファベットが並ぶと拒絶反応が出てしまい、同じ文章がぐるぐる回って全然進まなかった。
それでも一つ一つ調べながら書いては消して、書いては消した。
私が体感した技術の素晴らしさが少しでも伝わるように、できる限り丁寧にまとめた。
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