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「あおくん…」
感動の再会にまたも涙が込み上げて、成長したあの日のあおくんに抱きつこうとしたら、
「まあ、お前は1ミリも気づかなかったけどな」
皮肉な笑みを浮かべた奏くんにチクっと刺された。
…あおくん?
「俺は高校で会って一目でわかったけどな」
…あら。あおくん?
「今度は和泉のことあおくんあおくんて」
…あらあら。あおくん?
「お前、本っっ当―――に、バカだよな」
きゃあ―――、あおくんに言われるとバカが重いっ
過去と現在のダブルパンチ――――っ
「いやでもだって、…」
ヘビー級の「バカ」を振り払い、体勢を立て直す。
立て、立つんだ、のい。
なぜ1ミリも気づかなかったのか。そう、それは。
「目の色変えるとか、サギじゃん!」
「詐欺じゃねえよ。普通気づくだろ、カラコンくらい」
「だって、あおくんはすっごく綺麗なアースアイだったもん―――っ」
渾身の雄たけびを上げると、奏くんはちょっとふて腐れたような表情で、
「じゃあ、イズくんはなんだよ?」
「……名前が碧くんじゃん?」
やっぱり頭をはたかれた。…痛い。
「教えてくれれば良かったのに…」
頭をさすりながら奏くんを見上げると、奏くんはそのすごく綺麗なアースアイで真っすぐに私を見て、
「過去はいらない。俺は、今が欲しい」
一瞬で心の奥深くまで射抜いた。
「かっ、…奏くんがかっこ良過ぎて吐きそうです――――っ」
通路で帰りを待っていてくれた意外と面倒見のいい結城医師にすがりついたら、速攻はたかれた。
「…好きにしろ」
あれ以上奏くんの部屋に居たら理性が崩壊しそうで、というか、腰が抜けて動けなくなりそうで、退散してきた。
奏くんに会えたし。
あおくんだって分かったし。
キスしてもらっちゃったし。
…いや、でも。
「忘れろってどういうことですかね、先生?」
深夜過ぎの誰もいないひんやりとした病院の通路は、私のスリッパの音しかしない。
「…知るか」
超絶美形の結城医師は一見怖いけど、外科の腕は超一流で意外と優しい。
「キスしてくれたのに、間違えたって、忘れろって…」
ぶつぶつ言ってる私を黙って病室まで送ってくれて、
「…お前のためじゃないのか」
結局、質問にもぼそりと答えてくれた。
「お前の想ってる相手が、…自分じゃないから」
結城医師の低い声が切なく響いて胸を刺す。
『イズくんには内緒にしといてやるから』
…奏くん。
「それか、ただの気の迷いで本当に忘れたいか、だな」
少しばかり切なさに浸っているうちに、結城医師は口の端に皮肉げな笑みを浮かべて、さっさと病室のドアを閉めて行ってしまった。
先生。…意外と意地悪だし。
感動の再会にまたも涙が込み上げて、成長したあの日のあおくんに抱きつこうとしたら、
「まあ、お前は1ミリも気づかなかったけどな」
皮肉な笑みを浮かべた奏くんにチクっと刺された。
…あおくん?
「俺は高校で会って一目でわかったけどな」
…あら。あおくん?
「今度は和泉のことあおくんあおくんて」
…あらあら。あおくん?
「お前、本っっ当―――に、バカだよな」
きゃあ―――、あおくんに言われるとバカが重いっ
過去と現在のダブルパンチ――――っ
「いやでもだって、…」
ヘビー級の「バカ」を振り払い、体勢を立て直す。
立て、立つんだ、のい。
なぜ1ミリも気づかなかったのか。そう、それは。
「目の色変えるとか、サギじゃん!」
「詐欺じゃねえよ。普通気づくだろ、カラコンくらい」
「だって、あおくんはすっごく綺麗なアースアイだったもん―――っ」
渾身の雄たけびを上げると、奏くんはちょっとふて腐れたような表情で、
「じゃあ、イズくんはなんだよ?」
「……名前が碧くんじゃん?」
やっぱり頭をはたかれた。…痛い。
「教えてくれれば良かったのに…」
頭をさすりながら奏くんを見上げると、奏くんはそのすごく綺麗なアースアイで真っすぐに私を見て、
「過去はいらない。俺は、今が欲しい」
一瞬で心の奥深くまで射抜いた。
「かっ、…奏くんがかっこ良過ぎて吐きそうです――――っ」
通路で帰りを待っていてくれた意外と面倒見のいい結城医師にすがりついたら、速攻はたかれた。
「…好きにしろ」
あれ以上奏くんの部屋に居たら理性が崩壊しそうで、というか、腰が抜けて動けなくなりそうで、退散してきた。
奏くんに会えたし。
あおくんだって分かったし。
キスしてもらっちゃったし。
…いや、でも。
「忘れろってどういうことですかね、先生?」
深夜過ぎの誰もいないひんやりとした病院の通路は、私のスリッパの音しかしない。
「…知るか」
超絶美形の結城医師は一見怖いけど、外科の腕は超一流で意外と優しい。
「キスしてくれたのに、間違えたって、忘れろって…」
ぶつぶつ言ってる私を黙って病室まで送ってくれて、
「…お前のためじゃないのか」
結局、質問にもぼそりと答えてくれた。
「お前の想ってる相手が、…自分じゃないから」
結城医師の低い声が切なく響いて胸を刺す。
『イズくんには内緒にしといてやるから』
…奏くん。
「それか、ただの気の迷いで本当に忘れたいか、だな」
少しばかり切なさに浸っているうちに、結城医師は口の端に皮肉げな笑みを浮かべて、さっさと病室のドアを閉めて行ってしまった。
先生。…意外と意地悪だし。
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