聖女様の生き残り術

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断罪

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「貴女、途中で浄化をやめましたよね?あのアホに付き添うために」

「確かに私が浄化をやめたのは事実です。ですが、完全にやり遂げました」

 私が言い返すと、カオリは目を潤ませて自分は間違っていないと訴えかけてきた。

「いや、君は嘘をついてるよ」

 そこに、一人の男が割り込んできた。
 見覚えのある顔は、本の挿絵にそっくりだ。

「カサディン様」

「どうも、お久しぶりです」

 私が名前を呼ぶと、カサディンはにっこりと笑って、なんだか獲物を狙うかのようなねっとりとした視線を向けてきた。
 なぜかわからないけれど、ぞくっとした。

「確かに、僕はカオリさんに浄化をしてもらいました。ですが、途中で彼女は席を外しましたよ。その後を引き継いだのはアイオラ様です」

「私はやり切りました。アイオラが、きっと、余計なことをしたのよ!間違いないわ!」

「……本気でそれ言ってます?」

 カオリの反論にカサディンは、恐ろしいほどに冷めた目を向けた。
 本の中では一方的に片思いしていた事が信じられないくらいに。

「何よ、生意気よ。アンタ、田舎者の貴族のくせに」

「そういえば『辺境伯って田舎の伯爵ってことでしょ?これで充分よ。なんの見返りもないもの。それよりもクロード様に付き添った方がいいもの』って言ってましたね」

 カサディンは、にっこりと笑ってカオリが言ったことを一言一句間違えずに言ってのけた。
 あの時に、ちゃんと意識があったという証拠だ。

「なるほど。よくわかった」

 ついさっきまで眠っていた王が、今しがた起きたような顔をして声をかけてきた。

 いや、お前寝てただろ。

 そう言いたくなったが、私は黙ることにした。

「まず最初に、辺境伯は、田舎貴族ではなくて、この国の守護者だ。軽く扱っていい者ではない」

 まともなことを言う王に、私は少しだけ驚いた。
 寝ていたから、ボンクラだと思っていた。

 カオリは、「辺境って言うんだから田舎者じゃなかったの?本をちゃんと読んでなかったから、ハッピーエンドだったのに」と、呟いている。
 大丈夫なのか、この子、気がついたらとんでもない借用書にサインでもしてそうで見ていて不安になる。

「今日、この場で聖女二人のお披露目をしたのには理由がある」

 王はそう口火を切る。

「アイオラ嬢のカドラ家との絶縁の承諾と、カドラ家の取り潰しを通告するためだ」

 王様は、淡々とカドラ家のやからしを貴族たちに発表し出す。
 これは、とんでもない羞恥プレイなのではないか。

「本当は、もっと早くにしたかったが、アイオラ嬢があまり目立ちたくない様子だったからあえて触れなかった」

 と、最後に締め括られてた。
 意外とちゃんと空気を読んでいたことに私は驚いた。

「で、アイオラ嬢は、どうしたい?」

「あ、二度と顔を見たくないです。こいつもですが」

 私はクロードを思い切り指差した。

「じゃあ、ついでにそいつも廃嫡にしよう。虐待を見て見ぬふりをするのは、虐待とさほど変わらない。無関心であることも同じだ」

 クロードも、ついでに仲良く廃嫡にされた。
 そうなると黙っていられないのはカオリだ。

「わ、私はどうなるんですか!」






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