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幕間1
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こちらはジュリアスとストラウスとの遣り取りがメインです。
読み飛ばして頂いても問題ありませんが、本編では明かされなかった裏話などが含まれていますので、お茶請け程度に楽しんで頂けたら幸いです。
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「それで?ヴィヴィにちょっかいを出してきたバカは、そいつらだけなんだな?」
「ああ。その中にいた子爵の息子は、うちの騎士団だったな……後でよ~く言って聞かせておくよ。」
目の前で憤慨している相手に頷いていたジュリアスは、ニヤリとしながら付け足してきた。
夜会から一夜明け、ヴィヴィアーナの兄であるストラウスは中庭での話を何処から聞きつけたのか、詳しく話を聞かせろとジュリアスの所に突撃してきたのであった。
――相変わらず、妹溺愛してんなぁ~。
ヴィヴィアーナに色目を使ってきた男達のリストを作るストラウスを見ながら、ジュリアスは肩を竦めて苦笑する。
実は、幼馴染でもあり友人でもあるストラウスは、妹であるヴィヴィアーナの事を溺愛しており、地位や名前だけで寄ってくるような男共を妹にバレないように排除していたのだった。
今回もまた、昨夜の夜会でヴィヴィアーナに色目を使ってきた令息達を何人かピックアップしたストラウスは、侯爵家のコネを総動員して彼等に圧力をかける手配をしていた所であった。
「ふふふふ。これでもうこいつらは、ヴィヴィに手を出せなくなるよ。」
リストを見ながら、ほくそ笑む友人にジュリアスは肩を竦める。
「ったく……ヴィ―の事になると、ほんと見境なくなるなぁ。」
呆れた表情で言ってやれば、何を今更と、あちらもまた呆れた表情でこちらを見てきたのであった。
「ふ……何を言うかと思ったら、お前も人の事言えないじゃないか。」
訳知り顔でニヤリとされてしまった。
ストラウスの言葉にジュリアスは黙り込む。
「ヴィヴィが発作を起こしたと聞いたが、随分早く治まったそうじゃないか。」
そう言って意地悪く口角を上げてくる。
そんな旧友にジュリアスは「ちっ」と舌打ちしたのだった。
「ま、君のお陰でヴィヴィを安心して夜会に連れて行く事が出来るからね。これでも感謝しているんだよ?」
ストラウスは、友人の胸元を見ながら笑顔で言ってきた。
その視線に、ジュリアスも己の胸元を見る。
正確には内ポケットの中なのだが、「まあ、無いよりはマシだろ?」とジュリアスは照れ隠しに、ぶっきら棒に答えてきたのであった。
「そんなに心配してるなら、揶揄わなければいいのに。話し方もだけど、そのせいでヴィヴィは君に素直になってくれないんだからさ……。」
そんな不器用な男に、ストラウスは呆れたように肩を竦める。
しかしジュリアスは、溜息を吐きながら答えたのだった。
「いいんだよあれで……怒ってた方が嫌な事も思い出さないだろ?」
それまで苦笑を零していたストラウスは、ジュリアスの言葉に黙り込んでしまった。
何かを思い出したのか不快そうに眉を寄せた後、徐に立ち上がる。
「そろそろ失礼するよ。」
「そうか。」
ストラウスの言葉に、ジュリアスは引き留める事無く素っ気なく頷く。
そんな彼に肩を竦めながら、ストラウスは部屋を出て行く前に立ち止まり振り返ってきた。
「まあ君のお陰で、あの子が修道院を諦めてくれた事は良かったと思っているよ。」
そう笑顔で言いながら、ストラウスは部屋から出て行ったのであった。
「俺もさ……。」
友人が去って行く足音を聞きながら、ジュリアスもまた同意するように呟いていたのであった。
読み飛ばして頂いても問題ありませんが、本編では明かされなかった裏話などが含まれていますので、お茶請け程度に楽しんで頂けたら幸いです。
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「それで?ヴィヴィにちょっかいを出してきたバカは、そいつらだけなんだな?」
「ああ。その中にいた子爵の息子は、うちの騎士団だったな……後でよ~く言って聞かせておくよ。」
目の前で憤慨している相手に頷いていたジュリアスは、ニヤリとしながら付け足してきた。
夜会から一夜明け、ヴィヴィアーナの兄であるストラウスは中庭での話を何処から聞きつけたのか、詳しく話を聞かせろとジュリアスの所に突撃してきたのであった。
――相変わらず、妹溺愛してんなぁ~。
ヴィヴィアーナに色目を使ってきた男達のリストを作るストラウスを見ながら、ジュリアスは肩を竦めて苦笑する。
実は、幼馴染でもあり友人でもあるストラウスは、妹であるヴィヴィアーナの事を溺愛しており、地位や名前だけで寄ってくるような男共を妹にバレないように排除していたのだった。
今回もまた、昨夜の夜会でヴィヴィアーナに色目を使ってきた令息達を何人かピックアップしたストラウスは、侯爵家のコネを総動員して彼等に圧力をかける手配をしていた所であった。
「ふふふふ。これでもうこいつらは、ヴィヴィに手を出せなくなるよ。」
リストを見ながら、ほくそ笑む友人にジュリアスは肩を竦める。
「ったく……ヴィ―の事になると、ほんと見境なくなるなぁ。」
呆れた表情で言ってやれば、何を今更と、あちらもまた呆れた表情でこちらを見てきたのであった。
「ふ……何を言うかと思ったら、お前も人の事言えないじゃないか。」
訳知り顔でニヤリとされてしまった。
ストラウスの言葉にジュリアスは黙り込む。
「ヴィヴィが発作を起こしたと聞いたが、随分早く治まったそうじゃないか。」
そう言って意地悪く口角を上げてくる。
そんな旧友にジュリアスは「ちっ」と舌打ちしたのだった。
「ま、君のお陰でヴィヴィを安心して夜会に連れて行く事が出来るからね。これでも感謝しているんだよ?」
ストラウスは、友人の胸元を見ながら笑顔で言ってきた。
その視線に、ジュリアスも己の胸元を見る。
正確には内ポケットの中なのだが、「まあ、無いよりはマシだろ?」とジュリアスは照れ隠しに、ぶっきら棒に答えてきたのであった。
「そんなに心配してるなら、揶揄わなければいいのに。話し方もだけど、そのせいでヴィヴィは君に素直になってくれないんだからさ……。」
そんな不器用な男に、ストラウスは呆れたように肩を竦める。
しかしジュリアスは、溜息を吐きながら答えたのだった。
「いいんだよあれで……怒ってた方が嫌な事も思い出さないだろ?」
それまで苦笑を零していたストラウスは、ジュリアスの言葉に黙り込んでしまった。
何かを思い出したのか不快そうに眉を寄せた後、徐に立ち上がる。
「そろそろ失礼するよ。」
「そうか。」
ストラウスの言葉に、ジュリアスは引き留める事無く素っ気なく頷く。
そんな彼に肩を竦めながら、ストラウスは部屋を出て行く前に立ち止まり振り返ってきた。
「まあ君のお陰で、あの子が修道院を諦めてくれた事は良かったと思っているよ。」
そう笑顔で言いながら、ストラウスは部屋から出て行ったのであった。
「俺もさ……。」
友人が去って行く足音を聞きながら、ジュリアスもまた同意するように呟いていたのであった。
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