異世界転生したら宇宙の帝王になった件~俺は今日も最強ハーレム部隊を作ってる~

こうたろ

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第4話「陰謀の足跡」

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 恒星間航行モードに移行し、《メテオストライカー》は宇宙の真空を切り裂いて進んでいく。

「ヴァレス博士……どんな人物だったんだろう」

 窓際で星空を見ながらフィリアが呟いた。

「噂では狂気の科学者だって言われてるけど……実際は合理的な考え方の人だと思ってる」
「合理主義者?」
「ああ。無駄を嫌うタイプ。もし彼が反乱軍に寝返ったのなら必ず理由がある」
「何のために……」

 フィリアは口を噤んだが答えは見つからないようだった。

 俺はただ黙って考え込む。超高速思考が様々な仮説を並べていく。
 もしかすると帝国の体制そのものに不満があったのではないか。博士は帝国軍の兵器開発に携わりながらも「効率的すぎるシステム」を忌避していたという噂もある。

「いずれにせよ……」

 俺は星空に向けて拳を握った。

「会えば分かるさ」



 3日後。第七拠点のある星系へ進入した。小惑星帯を利用した迂回コースを選び、目立たぬよう慎重に接近する。

「前方スキャン範囲に未登録熱源反応!」

 エリアルの鋭い報告が《メテオストライカー》の艦橋を走る。
 俺は即座にホログラムマップへ目を向けた。第七拠点の外縁部に展開するのは帝国製ではない無秩序な艦艇群──反乱勢力のだろう。

「艦数は?」
「10隻ですが……奇妙です。編隊が全く整っていません。まるで難民船団のようです」

 超高速思考が瞬時に状況分析を開始する。ヴァレス博士を匿うには不自然な布陣だ。罠の可能性が高い。

「《ドラグーン》で先行偵察に出る。バリアント隊は待機を──」
「お待ち下さい殿下」

 制止したのはフィリアだった。普段は決して遮らない彼女の強い口調に一瞬驚く。

「私にお任せ頂けませんか? 新型の索敵スペクトラムを使えばより正確に把握できます」

「了解。では私が予備斥候に回る。危険を感じたらすぐ退避を」

 フィリアの瞳に一瞬迷いの色が浮かぶ。しかしすぐに騎士のような凛とした表情に戻った。
 俺が出撃する自体に納得できないんだな。

「必ず任務を果たします」



 フィリア機が離艦してわずか三分後。緊急通信が飛び込んできた。

≪緊急報告!大質量反応接近中!識別信号は……アンノウンです!≫

 艦橋が騒然とする。

「そっちが来たか」

 わざわざ識別を隠すってことは、ゴルラン兄さんが出した艦隊だな。3男にして帝国屈指の猛将。普段は前線で暴れている男だ。
 見える見える。いや、見づらいんだけど見覚えのある漆黒の禍々しい艦隊が突進してくる。

「数は?」
「戦艦8隻です。損傷の跡を確認しました」

 最初の情報より減ってる。反乱勢力に苦戦したのか。

「停止勧告は?」

「未だ応答ありません!衝突軌道に入っています!」

「兄さんめ……偶然じゃないな。仕方ない。艦隊戦用意!フィリアは偵察を継続、反乱勢力を探れ。エリアル、バリアント隊も展開だ」

「はい!」

 エリアルが復唱すると同時に、《メテオストライカー》の武装が開放された。



 15分後──
 敵艦隊との距離75キロ。

「光学レンズを通過させます」

 眼前のモニターに映し出されたのは、第八艦隊。傷ついた戦艦が死んだ魚のように漂流していた。

「第八のゴルラン殿下直属艦隊です。まさかここまで消耗しているとは……」

 超高速思考が自動的に被害状況を読み取る。かなり派手にに延焼した形跡。直撃を受けたのだろう。
 この時点での犠牲者は把握出来ない。

「第八艦隊から主砲チャージ反応! こちらに向けている!」

 エリアルの報告と同時に《メテオストライカー》の警報がけたたましく鳴り響いた。

「敵はこちらを排除する気か……」

 アヤトはモニターに映る膨れ上がる魔力チャージの波形を見据えた。超高速思考が一瞬で最適戦術を計算し始める。ただし第八艦隊が消耗しているのは事実であり、艦艇のほとんどは損傷を受けていた。ここで潰しすぎても帝国内部の結束に亀裂が入りかねない――父レグルス皇帝は敢えて第八を放置している節さえある。

「全体対ショック! シールド展開!」

 エリアルの指示が飛び、《メテオストライカー》は一斉に防御シールドを展開した。轟音と共に衝撃波が押し寄せ、艦が激しく揺れる。

「回避運動を取りつつ反撃だ。損傷が甚だしい艦から潰す!」

「了解! 電磁妨害と並行して射撃を実施します!」

 敵の重巡が舷側装甲を晒した瞬間を狙い、《メテオストライカー》の副砲が一斉に火を吹いた。光速を超える魔法貫通弾が数隻の中枢区画を貫通し、爆炎と黒煙が尾を引いて流れる。

「3隻轟沈確認! 後続艦接近!」

「正面衝角をセット! 舷側の砲も準備!」

「照準良し!」

 エリアルが叫ぶ間もなく、漆黒の戦艦が眼前に迫った。衝角を突き出すタイミングを合わせようと超高速思考が調整する。

「今だ! 接近戦用意!」

 次の瞬間――敵艦の側面から突如として眩い閃光が放たれた。同時に多数の小型飛翔体が解き放たれる。

「ミサイル! 数20以上!」

 《メテオストライカー》の周囲に数百もの誘導弾が撒き散らされ、空間を覆うような光の嵐となった。

「 バリアント隊を前へ! 」

「了解です!」

 バリアントが《メテオストライカー》を護るように展開。シールドとミサイルポッドが作動し、敵の波状攻撃を凌ぎ始める。幾つかの爆発が生じるが致命的な被弾はない。
とはいえ数が多い。

 《メテオストライカー》の側面に取り付けられたレールガンが起動し、高出力の砲弾を連射する。敵艦の側面装甲を穿ち、艦橋付近で大規模な爆発が起こった。
 
「敵艦隊沈黙! 」

 そして、次の瞬間、艦艇がいくつもの爆発を起こす。

「こちらの攻撃とは無関係の箇所から爆発……自爆か」

 爆発は戦艦のあらゆる部分から同時に起こっているようだ。おそらくは自爆プログラム。

「おそらくはヴァレス博士の確保が失敗した時点で自爆するはずだったけど、俺たちが来たから、俺たちに博士を奪われないように攻撃を仕掛けてきた。まぁ結果駄目だったわけだ」

「凄惨な最期ですね」

 エリアルの声が響く。
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