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第5話「博士が遺したもの」
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メインスクリーンに映るフィリア。背後には漆黒の宇宙空間が広がり、微細なデブリが銀河の粒子のように流れている。
《殿下反乱勢力の配置図です》
ホログラムで展開されるデータ。
アヤトの眉が跳ね上がる。超高速思考が自動的にマッピングを開始する。
第七拠点外縁部の地下施設に密集する赤いマーク——反乱勢力の識別信号。
「確認した。フィリアは一度帰還して補給だ」
《了解しました》
通信が途切れると同時にアヤトは立ち上がった。
「エリアル、バリアントのチェックを迅速に」
「はい殿下!」
エリアルが命じる前にアヤトはブリッジを出ていく。
■
《ドラグーン》のコクピットでアヤトは魔力炉を温める。
モニターに反乱勢力の分布図が映る。
「問題は……なぜこの場所を選んだのかということだ」
超高速思考が過去の戦術データと比較する。
通常ならもっと広大な惑星を選ぶはずなのに、こんな辺境の廃墟化した拠点を……
「何かがある」
考えているうちにフェリアが帰還する。機体はすぐに点検に入った。
「フィリア、補給が終わったら私のサポートにつけ」
「はい殿下」
少しばかり硬い返事だった。
顔も少し赤い。
「どうした?」
「あ、いえ……」
距離を置くフィリア。珍しい反応だ。
「その……汗臭いので」
ふっとアヤトの口元が緩む。
「気にすることないでしょ」
アヤトはフィリアを抱き寄せて頬にキスをする。
「へ、陛下……こんなとこで……///」
「誰も見てないよ」
アヤトが首筋に舌を這わせるとフィリアがぴくりと痙攣する。
「あの……殿下……これから戦闘なので……」
「わかってる」
軽く口づけして離れると、フィリアは耳まで真っ赤だった。
■
《ドラグーン》は《メテオストライカー》から発進して宇宙を疾走する。
目的地は反乱勢力が占拠する第七拠点。
その前には反乱勢力のバリアントが展開している。
≪接触まで10秒≫
フィリアの通信が入る。
「フィリアは後方に。援護よろしく」
≪……わかりました≫
戦闘開始。
《ドラグーン》のシールドが展開する。
敵バリアントは十数機。
「まずはお手並み拝見だ」
超高速思考が敵の構成を分析する。
敵バリアントは高機動だが攻撃精度は低い。
他の機体はさらに脆い。
アヤトは急旋回。敵機が追尾するが軌道が安定しない。
アヤトは一機ずつロックオンしていく。
敵機からビームライフルが放たれる。
アヤトは最小限の動作で回避し反撃。一機撃墜。
残りは混乱している。
そこへフィリア機が支援射撃。
≪命中確認!≫
フィリアもいい感じだ
さらに接近戦を挑む反乱勢力機を次々と撃破。
残りわずかになったとき……
≪警告! エネルギー反応上昇中!≫
拠点内部から強力な魔力波形。
これはバリアントでもない。大型ユニット。
≪殿下! 第七拠点熱源反応!≫
次の瞬間、拠点の壁を突き破って高エネルギー砲が発射された。
「危なっ!?」
《ドラグーン》は急速離脱。高エネルギーは《ドラグーン》を掠めて遥か遠方に消える。
拠点を振り返ると、岩壁が抉れ巨大な砲身が露出していた。
「あれは……まさか」
アヤトの超高速思考が警鐘を鳴らす。
データベースに一致する記録。
ヴァレス博士が設計した未完成の試作兵器。
≪殿下! バリアント隊が後退開始!≫
反乱勢力が撤退を始めた。
逃がすわけにはいかない。
「フィリア、俺たちで試作兵器を破壊する。他は反乱勢力の追撃だ。博士を確保している可能性が高い。基地は捨てる。どっちみちあれで暴れたら原型持たないでしょ」
≪了解しました!≫
《ドラグーン》は超加速で拠点へ接近する。
拠点入口付近に残された数機のバリアントが必死の抵抗を試みるがアヤトは一切無視。そのまま試作兵器に相対する。
直径数十メートルはあろうかという巨体。既に次弾の充填が始まっている。
副砲で弾幕をも展開してくる。アヤトとフィリアは難なく躱すが、反乱勢力のバリアントは被弾して爆散していく。敵味方の識別は無いようだ。
「時間が無いな」
アヤトはライフルを構える。指向性を持つ魔力弾を砲口めがけて連射する。
敵砲塔が揺れるがまだ撃破には至らない。
≪殿下!≫
フィリアがロングライフルを放つ。弾頭が砲身内部に入り込み内側から爆破。砲塔の一部が崩壊した。
試作兵器は揺れ、動きを一時停止するが、アームを展開して二人に襲い掛かる。
「動力炉を破壊しないとダメか……」
敵兵器が全方位に無数のレーザー光線を放つ。
全ての射線を予測し最小限の動きで回避。スラスターの推進力が機体を震わせる。
敵は反応が追いつかない。
「フィリア、注意を引いていて……貫通させる」
《殿下反乱勢力の配置図です》
ホログラムで展開されるデータ。
アヤトの眉が跳ね上がる。超高速思考が自動的にマッピングを開始する。
第七拠点外縁部の地下施設に密集する赤いマーク——反乱勢力の識別信号。
「確認した。フィリアは一度帰還して補給だ」
《了解しました》
通信が途切れると同時にアヤトは立ち上がった。
「エリアル、バリアントのチェックを迅速に」
「はい殿下!」
エリアルが命じる前にアヤトはブリッジを出ていく。
■
《ドラグーン》のコクピットでアヤトは魔力炉を温める。
モニターに反乱勢力の分布図が映る。
「問題は……なぜこの場所を選んだのかということだ」
超高速思考が過去の戦術データと比較する。
通常ならもっと広大な惑星を選ぶはずなのに、こんな辺境の廃墟化した拠点を……
「何かがある」
考えているうちにフェリアが帰還する。機体はすぐに点検に入った。
「フィリア、補給が終わったら私のサポートにつけ」
「はい殿下」
少しばかり硬い返事だった。
顔も少し赤い。
「どうした?」
「あ、いえ……」
距離を置くフィリア。珍しい反応だ。
「その……汗臭いので」
ふっとアヤトの口元が緩む。
「気にすることないでしょ」
アヤトはフィリアを抱き寄せて頬にキスをする。
「へ、陛下……こんなとこで……///」
「誰も見てないよ」
アヤトが首筋に舌を這わせるとフィリアがぴくりと痙攣する。
「あの……殿下……これから戦闘なので……」
「わかってる」
軽く口づけして離れると、フィリアは耳まで真っ赤だった。
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《ドラグーン》は《メテオストライカー》から発進して宇宙を疾走する。
目的地は反乱勢力が占拠する第七拠点。
その前には反乱勢力のバリアントが展開している。
≪接触まで10秒≫
フィリアの通信が入る。
「フィリアは後方に。援護よろしく」
≪……わかりました≫
戦闘開始。
《ドラグーン》のシールドが展開する。
敵バリアントは十数機。
「まずはお手並み拝見だ」
超高速思考が敵の構成を分析する。
敵バリアントは高機動だが攻撃精度は低い。
他の機体はさらに脆い。
アヤトは急旋回。敵機が追尾するが軌道が安定しない。
アヤトは一機ずつロックオンしていく。
敵機からビームライフルが放たれる。
アヤトは最小限の動作で回避し反撃。一機撃墜。
残りは混乱している。
そこへフィリア機が支援射撃。
≪命中確認!≫
フィリアもいい感じだ
さらに接近戦を挑む反乱勢力機を次々と撃破。
残りわずかになったとき……
≪警告! エネルギー反応上昇中!≫
拠点内部から強力な魔力波形。
これはバリアントでもない。大型ユニット。
≪殿下! 第七拠点熱源反応!≫
次の瞬間、拠点の壁を突き破って高エネルギー砲が発射された。
「危なっ!?」
《ドラグーン》は急速離脱。高エネルギーは《ドラグーン》を掠めて遥か遠方に消える。
拠点を振り返ると、岩壁が抉れ巨大な砲身が露出していた。
「あれは……まさか」
アヤトの超高速思考が警鐘を鳴らす。
データベースに一致する記録。
ヴァレス博士が設計した未完成の試作兵器。
≪殿下! バリアント隊が後退開始!≫
反乱勢力が撤退を始めた。
逃がすわけにはいかない。
「フィリア、俺たちで試作兵器を破壊する。他は反乱勢力の追撃だ。博士を確保している可能性が高い。基地は捨てる。どっちみちあれで暴れたら原型持たないでしょ」
≪了解しました!≫
《ドラグーン》は超加速で拠点へ接近する。
拠点入口付近に残された数機のバリアントが必死の抵抗を試みるがアヤトは一切無視。そのまま試作兵器に相対する。
直径数十メートルはあろうかという巨体。既に次弾の充填が始まっている。
副砲で弾幕をも展開してくる。アヤトとフィリアは難なく躱すが、反乱勢力のバリアントは被弾して爆散していく。敵味方の識別は無いようだ。
「時間が無いな」
アヤトはライフルを構える。指向性を持つ魔力弾を砲口めがけて連射する。
敵砲塔が揺れるがまだ撃破には至らない。
≪殿下!≫
フィリアがロングライフルを放つ。弾頭が砲身内部に入り込み内側から爆破。砲塔の一部が崩壊した。
試作兵器は揺れ、動きを一時停止するが、アームを展開して二人に襲い掛かる。
「動力炉を破壊しないとダメか……」
敵兵器が全方位に無数のレーザー光線を放つ。
全ての射線を予測し最小限の動きで回避。スラスターの推進力が機体を震わせる。
敵は反応が追いつかない。
「フィリア、注意を引いていて……貫通させる」
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