11 / 13
11.喧嘩すればするほど*
しおりを挟むグラースがシュエの中から出ようと動くと、くったりとしていたシュエはびくっと身を震わせ白い足がシーツを蹴った。
「ああっ、ん……」
その乱れた様子に、落ち着いたと思っていた欲がまた湧き上がってくる。思わず胸の淡く色づく縁を掻いて尖りを捏ねると、さらに甘い声で啼く。
ずっと、ずっと目で追うだけだった存在が、グラースの寝台で、自分の下で身悶えている。白を背景にチョコレート色の艷やかな髪を散らせ、いつもは雪のように白い肌も今は火照って汗ばんでいる。
暗い髪色は平民の色だ、と貴族は馬鹿にしがちであるものの、シュエの肌と薔薇色の唇にはこの髪がこの上なく似合っていると思う。
やっと、手に入った……。信じられない思いで芸術品のように美しい男に見とれていると、シュエは口づけで腫らした唇を小さく動かす。
「ちょっと痛い、かも……」
「っ!? どこがだ!?」
冷水を浴びせられた気分でシュエの身体を検めると、枷の部分を引っ張りすぎて手足が痛むようだった。慌てて四箇所の枷を外せば、皮膚が擦れて赤くなっている。
そもそもが叶うはずのない想いを慰めるためにあれこれ買い物したのであって、実用のために用意していたものでもない。大事な肌を傷つけてしまったことに、グラースは青褪めおろおろとした。
「なんてことだ……! 悪い。本当に悪かった」
「いやだなぁ、そんな大げさにしないでよ。こんなの舐めとけば治るって」
そう軽く言って、シュエは赤い舌で手首を舐めた。グラースが目を奪われていることに気づき、目を細めて妖艶に笑う。本当に、この男は。
シュエの自由になった膝が、グラースの力を取り戻した中心を撫でる。そのままころんと自らうつ伏せになって、誘うように尻を持ち上げた。
「な、なんっ、シュエ……!」
「ほら、申し訳思うなら、もう一回気持ちよくして? 僕、グラースの……気に入っちゃった。――っ、あ゙ああっ!」
赤く熟れた蕾を目の前に晒されて、我慢できるはずもなかった。
自分よりも細くて繊細そうで、大事に、大切にしたいと思っていた身体だ。しかし気づけば、ひと息に奥まで貫いてしまっていた。
温かい泥濘に屹立を包まれると、なぜか安心する。それ以上に腰を震わすほどの快感が襲ってきて、眼前が白むような高揚に包まれる。
突き上げると白く丸い尻が震え、シュエが首を反らす。グラースの名で幾度も喘いで、目を潤ませながら何度も振り返って見てくるから際限なく身が疼いた。
「はっ、あ、あっ、あん! ぐらーす、ぐらーすぅ……」
思わず背中に沿うようにして身体を倒すと、口づけを強請られる。かわいい。顔を撫でて乱れた髪を払い、掠めるようなキスを何度も繰り返した。
腰を押し付けたまま奥を捏ねると、くぅんと子犬のような声で啼く。シュエの顔は蕩け、いつの間にか唇も開きっぱなしになっている。
その気持ちよさそうな表情にグラースまでもが悦楽に呑まれ、絶頂へと駆け上がってしまう。堪え性のない自分を情けなく思いつつ、先端を最奥にぐっと押し付けた。
すると、最奥だと思っていた場所は柔らかく解け、さらに奥へをグラースを誘い込んだ。くぽ、とどこかに嵌まる。そこで吐精してしまう。
「――っあ! ま……て! ぐら――っ……」
「く……」
恐ろしいほどの快感と解放感だった。
腰を引くと肉の絡みつく感触があり、先端を扱かれるようで息を詰めた。シュエもびくびくと身体を跳ねさせたあと、ぐったり伏せて死んだように動かなくなる。
驚いて身体を返せば、シュエの下にあるシーツは漏らしたようにぐちゃぐちゃになっていた。はた、とグラースの動きが止まる。これは、もしや……?
あらぬ期待にシュエの顔を見やるも、放心していた彼は目が合うと緩慢に瞬き、途端むくれた顔つきになった。不機嫌そうにシーツをかき寄せて抱く。
「……これだからっ童貞は! 加減ってものを知らないんだから!」
「お前が誘ったんだろうが!」
飛び出してきた憎まれ口に、即座に応酬する。
グラースが実はこの口論をずっと楽しんでいたなんて知ったら、シュエは怒るか呆れるか、どちらだろうか? どちらの表情も好きだなんて知ったら、どうなるだろう?
183
あなたにおすすめの小説
かわいい王子の残像
芽吹鹿
BL
王子の家庭教師を務めるアリア・マキュベリー男爵の思い出語り。天使のようにかわいい幼い王子が成長するにつれて立派な男になっていく。その育成に10年間を尽くして貢献した家庭教師が、最終的に主に押し倒されちゃう話。
魔性の男は純愛がしたい
ふじの
BL
子爵家の私生児であるマクシミリアンは、その美貌と言動から魔性の男と呼ばれていた。しかし本人自体は至って真面目なつもりであり、純愛主義の男である。そんなある日、第三王子殿下のアレクセイから突然呼び出され、とある令嬢からの執拗なアプローチを避けるため、自分と偽装の恋人になって欲しいと言われ─────。
アルファポリス先行公開(のちに改訂版をムーンライトノベルズにも掲載予定)
何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない
てんつぶ
BL
連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。
その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。
弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。
むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。
だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。
人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――
ヤンデレ王子と哀れなおっさん辺境伯 恋も人生も二度目なら
音無野ウサギ
BL
ある日おっさん辺境伯ゲオハルトは美貌の第三王子リヒトにぺろりと食べられてしまいました。
しかも貴族たちに濡れ場を聞かれてしまい……
ところが権力者による性的搾取かと思われた出来事には実はもう少し深いわけが……
だって第三王子には前世の記憶があったから!
といった感じの話です。おっさんがグチョグチョにされていても許してくださる方どうぞ。
濡れ場回にはタイトルに※をいれています
おっさん企画を知ってから自分なりのおっさん受けってどんな形かなって考えていて生まれた話です。
この作品はムーンライトノベルズでも公開しています。
オメガ公子とアルファ王子の初恋婚姻譚
須宮りんこ
BL
ノアメット公国の公子であるユーリアスは、二十三歳のオメガだ。大寒波に襲われ、復興の途にある祖国のためにシャムスバハル王国のアルファ王子・アディムと政略結婚をする。
この結婚に気持ちはいらないとアディムに宣言するユーリアスだが、あるときアディムの初恋の相手が自分であることを知る。子どもっぽいところがありつつも、単身シャムスバハルへと嫁いだ自分を気遣ってくれるアディム。そんな夫にユーリアスは徐々に惹かれていくが――。
給餌行為が求愛行動だってなんで誰も教えてくれなかったんだ!
永川さき
BL
魔術教師で平民のマテウス・アージェルは、元教え子で現同僚のアイザック・ウェルズリー子爵と毎日食堂で昼食をともにしている。
ただ、その食事風景は特殊なもので……。
元教え子のスパダリ魔術教師×未亡人で成人した子持ちのおっさん魔術教師
まー様企画の「おっさん受けBL企画」参加作品です。
他サイトにも掲載しています。
ビジネス婚は甘い、甘い、甘い!
ユーリ
BL
幼馴染のモデル兼俳優にビジネス婚を申し込まれた湊は承諾するけれど、結婚生活は思ったより甘くて…しかもなぜか同僚にも迫られて!?
「お前はいい加減俺に興味を持て」イケメン芸能人×ただの一般人「だって興味ないもん」ーー自分の旦那に全く興味のない湊に嫁としての自覚は芽生えるか??
令嬢に転生したと思ったけどちょっと違った
しそみょうが
BL
前世男子大学生だったが今世では公爵令嬢に転生したアシュリー8歳は、王城の廊下で4歳年下の第2王子イーライに一目惚れされて婚約者になる。なんやかんやで両想いだった2人だが、イーライの留学中にアシュリーに成長期が訪れ立派な青年に成長してしまう。アシュリーが転生したのは女性ではなくカントボーイだったのだ。泣く泣く婚約者を辞するアシュリーは名前を変えて王城の近衛騎士となる。婚約者にフラれて隣国でグレたと噂の殿下が5年ぶりに帰国してーー?
という、婚約者大好き年下王子☓元令嬢のカントボーイ騎士のお話です。前半3話目までは子ども時代で、成長した後半にR18がちょこっとあります♡
短編コメディです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる