診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第1章 サテライトオープン

7話 理事の知恵・収納場所

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 眠くて、なんだか院長室にいてもぼうっとしてしまう。

あれから毎晩、サテライトの夜間緊急オンコールを引き受けている。

だって、しょうがないんだよ。

ただ寝て待てばいいと思ってたのに、来るわ来るわ。

結局は、なんのことはない。ただの診療の続きだよ。

おかげで「夜間のオンコールもお任せください」と言った西村さんも、翌朝は朝7時から仕事をしているから、もう見た目にもフラフラだよ。

あの歳で、かわいそうだよ。

早く夜間のオンコールから解放してやらないと、ダメだよ。

夏がやって来た。俺の顔を見ると、

「残念でしたねぇ、空っぽでした!」

「楽しんでんのか?」

「そうーでーす!」

くそ! 早く応募箱に申込者がいないかと毎日覗いて待ってるのにさ。

もうこれで3日目だよ。明日は土曜日。12時から16時までが怖い。

16時に終わればいいけどさ。

また市内から患者が殺到するに違いない。

一応サテライトは全員出勤するし、看護部長も「午後は残業します」と言ってくれた。

とにかく、土日のオンコールを止めておいたのは良かったと思うばかりだ。

桐生さんがやって来た。

「あのう、サテライトなんですけど、私にもお手伝いできることがありますか?なんか皆さんすごく疲れているみたいなので、忍びないんですけど……」

理事「そうなの??」

夏と顔を合わせて喜んだ!

「ぜひぜひお願いしますよ!!」俺はすぐ返事をした。

「いや~桐生さんだったら、受付事務もすぐ覚えてもらえそうだから良いよね?」

理事「助かるわ~。本館で水曜日に受付事務をやってくれませんか?木曜日に休んでいいからさ。休日出勤手当も出るしね、お弁当付きだよ」

「助かるねぇ。とにかく今から受付に行って、やり方を覚えてくれますか?まず、ほとんどが初診の人なんですよ。だから手間がかかるんですよね。今、加納主任に電話するね」

電話したら、受付事務を教えてくれるそうだ。

皆、桐生さんが行くと聞いて「うわ~!」と喜んだらしい。フフフ、その調子。

理事「じゃあ、桐生さん、お願いしますね。みんな喜んでるんだって!」

桐生「そうですか。はい、わかりました。では行ってきます」

すぐ部屋を後にした。

夏と二人でニヤニヤしてしまった。

よし、これで一丁上がりだな。

理事「お兄さん、あの宿直室は収納がないから、住むには厳しいと思うよ」

「分かってるさ。そこをどうにかしてくれよ。それが理事の仕事だろ?」

理事「ええ??だって、どこに収納の場所を作ればいいのか分かんないよ」

「いいから、サテライトの上から下まで探して来いよ」

理事「わかったよ。探して来るよ……」

ぶつぶつ言いながら部屋を出ていった。



それから30分くらいで戻ってきた。

理事「お兄さん、俺すごいアイデアが湧いたんだよ!」

「何だよ、聞いてやるよ。なに?」

理事「4階の物流倉庫の端っこに、少しスペースがあったんだよ。そこに大型の両開きの物置を置くんだよ。ほら、
庭によく置いてあるじゃん。あれだよ」

「ああ~なるほどね。いいんじゃないの?」

理事「それだけ?……」

「ご褒美が欲しいのか?」

急ににこっと笑顔いっぱいになって、うんうんと頷く。ワンコか。

「ふっ、じゃあ、おいで」

しょうがないから抱きしめてキスをした。

次の瞬間、思い出した!

あっ、部屋の鍵を掛けてない!――ここまでだ。

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