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第4章 菜の花、未来を味わう
72話 川瀬にサプライズ
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川瀬が水曜日に必ず来られると聞いて、すぐに注文した。
婦人科の診察台と診療用の器具だ。――内緒。ふふっ、サプライズ。
場所は5階の外科フロアにある個室。
ベッドを撤去して、診察台と机、椅子を入れた。半分はカーテンで仕切れば十分。
近所の産婦人科はどこも水曜が休みで、困れば大学病院に行くしかない。
だがあそこは予約制だ。だから水曜日限定の婦人科開設は、絶対に意味がある。
次の水曜、川瀬は腰を抜かすぞ。ふふっ。
「お疲れ様~」
川瀬がひょっこり顔をのぞかせる。
メールで呼びだしておいたんだ。
「なんかまずいことでもあったの?」――声がちょっとビビってるな。
「いやいや。いいから、5階に降りよう」
二人で降りると、待合室には外科の患者さんが数人。受付の竹野譲君がにこっと笑う。
川瀬「おい、なんか企んでるな? 早く言えよ」
「いいから、そこの個室を開けてみ」
俺の顔を見つつ、川瀬は恐る恐るドアを開ける――ふっ。
「ええーー!? マジか!? うっわぁ、すげええ!」
中をぐるぐる歩き回り、棚の隅までチェック。
「どう、揃ってる?」
「いやあ、すぐには分かんないけど……悪くない! で、ナースは誰がつくんだ?」
「あっ……考えてなかった」
自分で仕掛けておいて穴だらけ。俺も笑ってしまう。
「経験者なら山科部長?」
「いや、部長がここに来たらサテが崩壊するだろ!」
「……確かに」
川瀬「そうだ、吉川さんは俺の実家の産婦人科から来たんじゃなかった?」
「ああ~無理。サテの夜勤、15時から24時までだよ。それに結婚して村上さんになったんだよ」
「じゃあ朝は?」
「外科ナースの香坂奈津子さんだな。さっき入口にいたろ? あとは男ばっかり」
「なるほど。ちょっと顔見て来る」
「いや、インカムで呼ぶよ。診療道具の確認もあるし」
呼ぶとすぐにやって来た。
「お疲れ様です。御用ですか?」
ぱっちり目で愛嬌のある、かわいい子だ。
「川瀬先生が水曜だけ婦人科診療をやるんだ。サポートお願いできる?」
「はい、承知しました。それなら速見先生や佐久間先生にもお伝えしますね」
「助かる。17時以降は村上亜衣さんに頼んでおく」
川瀬「……ちょっと待て。俺、何時まで仕事するんだ?」
「8時から24時までに決まってるだろ? 患者がいなければ、ご飯くらい行ってもいい」
ぷっと香坂さんが吹き出す。
「香坂さん、彼の寮は隣だから、患者が来たら叩き起こしてやって。弁当もあるし、部屋で食えばいい」
「ふふっ……はい、わかりました。お茶をお持ちしますね!」
クスクス笑いながら答えてくれた。
婦人科の診察台と診療用の器具だ。――内緒。ふふっ、サプライズ。
場所は5階の外科フロアにある個室。
ベッドを撤去して、診察台と机、椅子を入れた。半分はカーテンで仕切れば十分。
近所の産婦人科はどこも水曜が休みで、困れば大学病院に行くしかない。
だがあそこは予約制だ。だから水曜日限定の婦人科開設は、絶対に意味がある。
次の水曜、川瀬は腰を抜かすぞ。ふふっ。
「お疲れ様~」
川瀬がひょっこり顔をのぞかせる。
メールで呼びだしておいたんだ。
「なんかまずいことでもあったの?」――声がちょっとビビってるな。
「いやいや。いいから、5階に降りよう」
二人で降りると、待合室には外科の患者さんが数人。受付の竹野譲君がにこっと笑う。
川瀬「おい、なんか企んでるな? 早く言えよ」
「いいから、そこの個室を開けてみ」
俺の顔を見つつ、川瀬は恐る恐るドアを開ける――ふっ。
「ええーー!? マジか!? うっわぁ、すげええ!」
中をぐるぐる歩き回り、棚の隅までチェック。
「どう、揃ってる?」
「いやあ、すぐには分かんないけど……悪くない! で、ナースは誰がつくんだ?」
「あっ……考えてなかった」
自分で仕掛けておいて穴だらけ。俺も笑ってしまう。
「経験者なら山科部長?」
「いや、部長がここに来たらサテが崩壊するだろ!」
「……確かに」
川瀬「そうだ、吉川さんは俺の実家の産婦人科から来たんじゃなかった?」
「ああ~無理。サテの夜勤、15時から24時までだよ。それに結婚して村上さんになったんだよ」
「じゃあ朝は?」
「外科ナースの香坂奈津子さんだな。さっき入口にいたろ? あとは男ばっかり」
「なるほど。ちょっと顔見て来る」
「いや、インカムで呼ぶよ。診療道具の確認もあるし」
呼ぶとすぐにやって来た。
「お疲れ様です。御用ですか?」
ぱっちり目で愛嬌のある、かわいい子だ。
「川瀬先生が水曜だけ婦人科診療をやるんだ。サポートお願いできる?」
「はい、承知しました。それなら速見先生や佐久間先生にもお伝えしますね」
「助かる。17時以降は村上亜衣さんに頼んでおく」
川瀬「……ちょっと待て。俺、何時まで仕事するんだ?」
「8時から24時までに決まってるだろ? 患者がいなければ、ご飯くらい行ってもいい」
ぷっと香坂さんが吹き出す。
「香坂さん、彼の寮は隣だから、患者が来たら叩き起こしてやって。弁当もあるし、部屋で食えばいい」
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クスクス笑いながら答えてくれた。
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