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第4章 菜の花、未来を味わう
73話 莉子と屋上庭園とデザート
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火曜日。この日は莉子の日に決めていたから、午後から俺も莉子も休みにして、一緒に過ごすことにした。
前の夜、莉子に希望を聞いた。
「莉子、明日の休みはどうしたい? なんでもいいよ、言ってみて」
「う~んとね、まず春ちゃんのことを見せびらかして歩きたい」
「ええ? それどういう意味?」頬が緩んできた。
「そのまんま。おしゃれして、最近できたビルの屋上庭園に行きたいの。すごいらしいよ。
それから百貨店でカチューシャを買いたい。桃香の分もね。
あと、バナナを使ったデザートのお店があるんだって。そこでお茶する」
「ふふっ、普通のデートだね。じゃあお昼ご飯は?」
「う~ん、それがまだ決まってないの」
「じゃあ、百貨店の近くのホテルにある中華にしようか? すごく美味しいらしいよ」
「うん、いいよ。そこにしよう」
*
当日。エリナさんがコーディネートしてくれた服で出かけた莉子は、めちゃくちゃ可愛い。
俺でいいのか? 年齢差が怪しまれないかなと心配になる。
「莉子、すごく可愛いよ。でも俺と年齢差を感じない?」
「え? 全然平気」
あっそう。莉子が気にしていないなら、それでいい。
それでも、家を出てから莉子はずっと俺の手を離さない。
人が多くなると、ひな鳥みたいに俺に寄り添ってきた。
ホテルは高層ビルの中にあって、レストランは大きな窓に囲まれ、都会の景色を一望できた。
とても中華とは思えないほど上品で、莉子も外の景色をうっとり眺めている。
「莉子、気に入ってくれた?」
「うん、素敵。景色がいいね」
「何にする? 軽めにしておこうか。あとでデザートもあるし」
「私ね、海鮮粥が好き。だからそれにする」
莉子は海鮮粥のセットを注文。点心も少し付いてくるらしい。
「莉子、こういうデートがしたかったの?」
……しばらく黙ったあと、小さくうつむいて言った。
「わかんない‥‥‥」
「もし疲れてたら、この上の部屋を取ろうか? 休んでから行ってもいいよ」
「食べてから考えてもいい?」
「うん、いいよ」
海鮮粥はエビやホタテがとろけるように柔らかくて、とても美味しかった。
デザートにはマンゴーのシャーベット、アイスジャスミンティー。
「屋上庭園って、どうやって知ったの?」
「アニメプラスで誰かが言ってたの。すごく素敵だったって」
「ふ~ん、楽しみだね。ここの上だよね?」
「うん。きっと景色がすごいよね」
屋上庭園に向かうと、エレベーターは人でいっぱい。
莉子は俺の胸に隠れるように寄り添ってきたので、俺は両腕で包み込んで守った。
屋上に出た瞬間、思わず息をのんだ。
緑の木々があふれ、森でも林でもない、不思議な空間。
頭上には空がいっぱいに広がっている。
思いっきり深呼吸すると、木々の爽やかな匂いが胸いっぱいに広がった。
青や白、紫の小花がところどころに咲き、落ち着いた雰囲気を醸し出している。
曲がりくねった通路にはベンチが点々と置かれていて、莉子の手を取りながら歩いた。
「素敵だよね?」莉子は目を輝かせている。
「今度できる2号館の屋上も、きっとこんな感じになるよ」
「そうだね……なんだか信じられないね」
人が多かったので、早めに切り上げることにした。
「莉子、疲れてない? 少し休んだ方がいいんじゃない?」
「そう見える?」
「うん、見える」
「じゃあ、休んでいく」
*
下に降りてホテルでツインを取った。
部屋はシンプルながらも高級感があって落ち着く雰囲気。
窓からの景色はやはり素晴らしい。
すぐにバスタブに湯を張る。莉子はソファに腰を下ろし、ふうっとため息をついた。
「莉子、大丈夫か?」
冷蔵庫からドリンクを取り出し、莉子に渡す。
「少し休んでからお風呂に入ろう。洗ってあげるよ」
莉子がじろっと俺を見る。
「春ちゃん、下心あるでしょ?」
ぷっと笑った。「ある」
ない方がおかしいだろ?
莉子はくすくす笑いながらそばに来たので、俺は手を取って抱きしめた。
「こういうの、嫌?」
「ううん、いいよ」
その後のことは――バナナのデザートよりも美味しかったかどうかはわからない。
ただひとつ言えるのは、莉子がとても色っぽくて、そして本当に愛おしかったということだ。
前の夜、莉子に希望を聞いた。
「莉子、明日の休みはどうしたい? なんでもいいよ、言ってみて」
「う~んとね、まず春ちゃんのことを見せびらかして歩きたい」
「ええ? それどういう意味?」頬が緩んできた。
「そのまんま。おしゃれして、最近できたビルの屋上庭園に行きたいの。すごいらしいよ。
それから百貨店でカチューシャを買いたい。桃香の分もね。
あと、バナナを使ったデザートのお店があるんだって。そこでお茶する」
「ふふっ、普通のデートだね。じゃあお昼ご飯は?」
「う~ん、それがまだ決まってないの」
「じゃあ、百貨店の近くのホテルにある中華にしようか? すごく美味しいらしいよ」
「うん、いいよ。そこにしよう」
*
当日。エリナさんがコーディネートしてくれた服で出かけた莉子は、めちゃくちゃ可愛い。
俺でいいのか? 年齢差が怪しまれないかなと心配になる。
「莉子、すごく可愛いよ。でも俺と年齢差を感じない?」
「え? 全然平気」
あっそう。莉子が気にしていないなら、それでいい。
それでも、家を出てから莉子はずっと俺の手を離さない。
人が多くなると、ひな鳥みたいに俺に寄り添ってきた。
ホテルは高層ビルの中にあって、レストランは大きな窓に囲まれ、都会の景色を一望できた。
とても中華とは思えないほど上品で、莉子も外の景色をうっとり眺めている。
「莉子、気に入ってくれた?」
「うん、素敵。景色がいいね」
「何にする? 軽めにしておこうか。あとでデザートもあるし」
「私ね、海鮮粥が好き。だからそれにする」
莉子は海鮮粥のセットを注文。点心も少し付いてくるらしい。
「莉子、こういうデートがしたかったの?」
……しばらく黙ったあと、小さくうつむいて言った。
「わかんない‥‥‥」
「もし疲れてたら、この上の部屋を取ろうか? 休んでから行ってもいいよ」
「食べてから考えてもいい?」
「うん、いいよ」
海鮮粥はエビやホタテがとろけるように柔らかくて、とても美味しかった。
デザートにはマンゴーのシャーベット、アイスジャスミンティー。
「屋上庭園って、どうやって知ったの?」
「アニメプラスで誰かが言ってたの。すごく素敵だったって」
「ふ~ん、楽しみだね。ここの上だよね?」
「うん。きっと景色がすごいよね」
屋上庭園に向かうと、エレベーターは人でいっぱい。
莉子は俺の胸に隠れるように寄り添ってきたので、俺は両腕で包み込んで守った。
屋上に出た瞬間、思わず息をのんだ。
緑の木々があふれ、森でも林でもない、不思議な空間。
頭上には空がいっぱいに広がっている。
思いっきり深呼吸すると、木々の爽やかな匂いが胸いっぱいに広がった。
青や白、紫の小花がところどころに咲き、落ち着いた雰囲気を醸し出している。
曲がりくねった通路にはベンチが点々と置かれていて、莉子の手を取りながら歩いた。
「素敵だよね?」莉子は目を輝かせている。
「今度できる2号館の屋上も、きっとこんな感じになるよ」
「そうだね……なんだか信じられないね」
人が多かったので、早めに切り上げることにした。
「莉子、疲れてない? 少し休んだ方がいいんじゃない?」
「そう見える?」
「うん、見える」
「じゃあ、休んでいく」
*
下に降りてホテルでツインを取った。
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窓からの景色はやはり素晴らしい。
すぐにバスタブに湯を張る。莉子はソファに腰を下ろし、ふうっとため息をついた。
「莉子、大丈夫か?」
冷蔵庫からドリンクを取り出し、莉子に渡す。
「少し休んでからお風呂に入ろう。洗ってあげるよ」
莉子がじろっと俺を見る。
「春ちゃん、下心あるでしょ?」
ぷっと笑った。「ある」
ない方がおかしいだろ?
莉子はくすくす笑いながらそばに来たので、俺は手を取って抱きしめた。
「こういうの、嫌?」
「ううん、いいよ」
その後のことは――バナナのデザートよりも美味しかったかどうかはわからない。
ただひとつ言えるのは、莉子がとても色っぽくて、そして本当に愛おしかったということだ。
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