診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

文字の大きさ
95 / 357
第5章 2号館、屋上から動き出す

93話 院長・寮母に代って・実務編

しおりを挟む
 朝礼で、西村主任が腎盂腎炎で約一週間の加療が必要だと伝えた。
 
みんな一斉に「えーー?」と声を上げて驚いていた。

看護部長が慌てて近づいてきた。

「今の具合はどうなんですか?」

「昨日は川瀬が点滴をしてずっと見守ってくれたから大丈夫ですよ。

俺もこれから寮に行くし、治るまでは朝食を俺が作るから心配いらないですよ。

三輪さんたちにも手伝ってもらうつもりだから、もし気になるなら、顔を見に行ってやってください。

お粥は今から作って、莉子に持って行ってもらおうと思ってるんですよ」

そう言うと、看護部長もようやく安心した表情になった。

さて、ここからが本番だ。

寮に戻る途中で気が付いた。

「お風呂の掃除とか、どうなってるんだろう?」

インカムで山野チーフに確認した。

山野「寮のお風呂やトイレ、水回り、洗濯場、廊下はうちで掃除しています。

ただリビングは主任がやるとおっしゃっていて、こちらではやっていません」

なるほど……。それなら主任が過労気味だったのも分かるな。

「すみませんが主任は少し過労気味なんですよ。申し訳ないのですが、これからはリビングも一緒にお願いできますか?」

山野「はい、かしこまりました。主任をお大事になさってください」

「ありがとうございます。助かります」

これで一件片付いた。次は三輪さんたちだ。

電話して寮に来てもらうことにした。

寮に戻ると、洗った食器が山のように積まれていた。

ふっ、一応洗ったんだな。でも乾燥機に入れてない。

メモに書き忘れた……失敗。

ご飯は三合ほど残っているようだ。

そこへ三輪さんと友井さんがやって来た。

三輪「院長、主任が大変なことになっていると聞きました。具合はいかがですか?」

「腎盂腎炎でね、多分一週間以上かかると思うんですよ」

友井「今朝のご飯はどうなさったんですか?」

「俺が作りました。サラダは理事がやってくれたけどね」

三輪「まあ……。私たちがいなかったばかりにご不自由をおかけしました」

「いやいや、三輪さんたちのせいじゃない。朝食くらい作れるよ。

ただ、これからの相談をしたくて来てもらったんですよ」

友井「はい、出来ることは何でも致します」

「お願いしたいのは冷蔵庫の中を確認して、作れるものを用意してほしいんです。

汁物は朝と夜に作っていたと聞いてるけど、昼も作ってたのかな?」

三輪「さあ……そこまでは分かりません。でもご用意はできます」

そこで、三食の汁物作りと、夜と翌朝のためのおかずの作り置きを頼んだ。

さらに、フーズに何を注文しているのかも確認して、必要なものがあれば注文をお願いした。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

網代さんを怒らせたい

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「なあ。僕たち、付き合わないか?」 彼がなにを言っているのかわからなかった。 たったいま、私たちは恋愛できない体質かもしれないと告白しあったばかりなのに。 しかし彼曰く、これは練習なのらしい。 それっぽいことをしてみれば、恋がわかるかもしれない。 それでもダメなら、本当にそういう体質だったのだと諦めがつく。 それはそうかもしれないと、私は彼と付き合いはじめたのだけれど……。 和倉千代子(わくらちよこ) 23 建築デザイン会社『SkyEnd』勤務 デザイナー 黒髪パッツン前髪、おかっぱ頭であだ名は〝市松〟 ただし、そう呼ぶのは網代のみ なんでもすぐに信じてしまい、いつも網代に騙されている 仕事も頑張る努力家 × 網代立生(あじろたつき) 28 建築デザイン会社『SkyEnd』勤務 営業兼事務 背が高く、一見優しげ しかしけっこう慇懃無礼に毒を吐く 人の好き嫌いが激しい 常識の通じないヤツが大嫌い 恋愛のできないふたりの関係は恋に発展するのか……!?

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

純愛以上、溺愛以上〜無愛想から始まった社長令息の豹変愛は彼女を甘く包み込む~

芙月みひろ
恋愛
保険会社の事務職として勤務する 早瀬佳奈26才。 友達に頼み込まれて行った飲み会で 腹立たしいほど無愛想な高原宗輔30才と出会う。 あまりの不愉快さに 二度と会いたくないと思っていたにも関わらず 再び仕事で顔を合わせることになる。 上司のパワハラめいた嫌がらせに悩まされていた中 ふと見せる彼の優しい一面に触れて 佳奈は次第に高原に心を傾け出す。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...