診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第13章 菜の花の新しい風

252話 走馬灯のように・2

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 倒れても、いつも誰かが助けてくれた。

何より、夏が一番看病をしてくれたと思う。

おまけに、いつも莉子や桃香も支えてくれた。

そんな時、大学病院が事故患者で手いっぱいになり、妊産婦の危篤患者をうちに押し付けてきた。
それがきっかけで、弁護士に依頼して訴える準備もしていたが、結局、大学が非を認めたことで協定を結ぶことになった。

それから2号館に応募してきたのは、都内の三次救命センターから“逃げてきた”8名だった。

紆余曲折あって、社長が乗り出してくれて、事実上運営不能になっていた三次救命センターを二次に格下げし、菜の花の傘下に入れた。

こうして菜の花病院のスタッフは、センターと2号館を合わせると、もう400名を超えていた。

そこへ、今度は夏がVOXIVE(ヴォクシヴ)のコンサートに期間限定で出演したことがきっかけで、
オリオンミュージックから「事務所に入ってプロに」と熱心に誘われた。

福利厚生として、菜の花の400名のスタッフをコンサートに招待した社長だったが、
そこで夏の決定的な歌や踊りの才能に、皆が感動してしまったことで新たな展開が始まった。

夏も本格的にプロとして歌をやっていくことを決意。
急遽自分の音楽事務所を立ち上げてスタッフを採用し、
ようやく今の体制が出来上がったところだ。

夏は桐生さんという有能な秘書を抱えて、アニメの動画会社”アニメプラス”と
”Natsu Entertainment Group”という音楽事務所を抱えることになった。 


一方莉子もこの12年間の間に手術を受けたり、初めてパートに行って絵を習ったりした。
それがきっかけで、ニューヨークの展示会に絵を出品して、たくさん売れた。

あとは、夏の助けがあって、キャラクターを描き、ストーリーを作って、アニメのゲームを発売した。

夏は驚くべき商才を発揮して、父親の会社・浅田工業の海外支店をフルに活かし、
莉子や桃香の作品やグッズを世界に売り始めた。

莉子自身も、身体が丈夫ではないのに、大変な毎日を過ごしてきた。
そうだ、もう12年近くになるんだね。莉子も本当に頑張ったよ。

それも全部、夏が支えてくれたんだよね。

ようやく、すべてが手を離れて、自動で動いていけるシステムができた。
ここまでが長かったよ。

今は、新しいことに挑戦している夏を支えたい。

とりあえず、あまり話をする時間もなかったから、どこかで夏と息抜きをしたいんだけど……邪魔かな?(笑)

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