診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

文字の大きさ
290 / 357
第15章 進むべき道へ

288話 舞台監督・レオさん

しおりを挟む
 みずきさんが、事務所に舞台監督さんを連れてきてくれた。

スラッと長身で、髪は茶色。
外人か? なかなかイケてるではないか。

みずき「こんにちは、ご紹介しますね。舞台監督というか、音楽も含めてすべてトータルでプロデュースできる人です。レオさんと言います」

夏が外人だと思ったらしく、英語で挨拶をした。
そしたら英語で返ってきたから、やっぱりアメリカ人なんだと思った。

桐生さんや村瀬さん、他のスタッフも全員英語で挨拶。

俺だけ「初めまして、北原です」と言うと——

レオ「初めまして、レオです。どうぞよろしくお願いします。
皆さん、英語がお上手ですね」

皆ぷーっと吹き出した。
もう~、しょっぱなからお笑いかよ……。

みずき「レオさんは、私と一緒にラスベガスやハリウッド、ロスでショーを担当していたんです。
その時の仲間です。彼は日本とのハーフなので、日本語は話せますが、読み書きは難しいようです。
それで、少しフォローが要ります。
三日ほど前に日本に初めて来て、少しゆっくりしてから仕事を探そうかと言っていたんです。
まだホテル住まいなので、こちらは寮もあるからぴったりだなあって思ったんです」

桐生「なんてぴったりなんでしょう。みずきさん、ありがとうございます。
できましたら、過去の実績といいますか、何か手がけた舞台などの動画はないでしょうか?
一度拝見したいのですが」

みずき「はい、そう言われるかなと思って、ロスのナイトショーの舞台を撮った録画があります。
ダンスは私が手がけて、舞台全体の光や背景、装置などは、レオのアイデアとプロデュースです」

DVDを出してくれた。
パソコンに入れて、大画面でみんなで見た。

すげえ派手なんだけど……光が交差する舞台で、すごく華やかだ。
ダンサーたちも派手だなあ。
アメリカ人好みか? バックもなかなか凝っていた。

どうなんだろう? これと夏、合うか?

みんな、う~んとちょっと考え込んでいた。
きっと思いは俺と同じだな。

みずき「この舞台はアメリカ人向けなので派手だと思うんですけど、
NATSUさんのKAIさんとのデュエットや、他の歌っている動画を彼にファイルで送ったんですよ。
それで、NATSUさんの雰囲気に合わせた舞台を3Dで作ったそうなので、プレゼンとして見ていただけますか?」

また大きな画面で映された。
舞台の背景が、星が浮かぶ宇宙のような空間になっている。
ファンタジックな感じだ。

その中で、NATSUとKAI君が切々と愛を歌う。
光が交差して、二人を浮かび上がらせるような演出。

どうやって、こんな感じにできたんだろう?

すごく良かったんだよ。
歌や夏の雰囲気に、すごく合っていた。

見終わったら、みんな「はー……」とため息をついていた。

夏「すごくいい雰囲気だよね?」

桐生「あのデュエットを、こういう舞台にしてパソコンで再現できるというのはすごいですね」

レオが、にこっとした。

「僕はパソコンは得意なんですよ。
実際に舞台を作る前に、シミュレーション動画にして皆さんに見てもらいます。
それでOKなら始めます。そうしないと、いろいろと無駄になりますからね」

みんなでほほ笑んで、顔を見合わせていた。

桐生「はい、分かりました。ではレオさんをうちの監督として採用します。
舞台だけではなく、音楽やイベントスペースなど、いろいろな場所でこれからやっていくと思いますが、
すべて専属でお願いもしていいですか?」

レオ「はい。よろしくお願いします」

桐生「早速、採用したばかりのキャストたちに紹介しますので、すぐにも寮に引っ越して来ませんか?
ビジネスホテルと、2LDKのマンションがありますが、どちらでもいいですよ。
それと、みずきさんもですよ。みずきさんにも専属契約をお願いしたいのですが、どうでしょうか?」

レオとみずきさんが顔を見合わせて、ニコッとしていた。
二人が頷いた。

みずき「はい、では二人ともお願いします」

桐生「はい。ありがとうございます。では契約について今からお話をして、
その後にホテルやマンションにご案内しますね」

——ここで俺は失礼した。

これからどうなるのか知らないが、まあ、任せるさ。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

網代さんを怒らせたい

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「なあ。僕たち、付き合わないか?」 彼がなにを言っているのかわからなかった。 たったいま、私たちは恋愛できない体質かもしれないと告白しあったばかりなのに。 しかし彼曰く、これは練習なのらしい。 それっぽいことをしてみれば、恋がわかるかもしれない。 それでもダメなら、本当にそういう体質だったのだと諦めがつく。 それはそうかもしれないと、私は彼と付き合いはじめたのだけれど……。 和倉千代子(わくらちよこ) 23 建築デザイン会社『SkyEnd』勤務 デザイナー 黒髪パッツン前髪、おかっぱ頭であだ名は〝市松〟 ただし、そう呼ぶのは網代のみ なんでもすぐに信じてしまい、いつも網代に騙されている 仕事も頑張る努力家 × 網代立生(あじろたつき) 28 建築デザイン会社『SkyEnd』勤務 営業兼事務 背が高く、一見優しげ しかしけっこう慇懃無礼に毒を吐く 人の好き嫌いが激しい 常識の通じないヤツが大嫌い 恋愛のできないふたりの関係は恋に発展するのか……!?

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

純愛以上、溺愛以上〜無愛想から始まった社長令息の豹変愛は彼女を甘く包み込む~

芙月みひろ
恋愛
保険会社の事務職として勤務する 早瀬佳奈26才。 友達に頼み込まれて行った飲み会で 腹立たしいほど無愛想な高原宗輔30才と出会う。 あまりの不愉快さに 二度と会いたくないと思っていたにも関わらず 再び仕事で顔を合わせることになる。 上司のパワハラめいた嫌がらせに悩まされていた中 ふと見せる彼の優しい一面に触れて 佳奈は次第に高原に心を傾け出す。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...