診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第17章 夏輝・人気と自由と……

317話 週末、休養の旅へ

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 夏や莉子と相談した結果──
今のタイミングで休まないと、どんどん仕事が舞い込んでくる。
だから、すぐに伝えようということになった。

事務所に戻り、桐生さんに話した。

「俺たちだけで申し訳ないんだけど、家族で過ごす時間がずっとなくてさ。
気持ちがカサカサしてるんだよね。
それで、週末の金・土・日と休養を取って出かけたいんだけど、いいかな?」

──他のスタッフが、どっと笑った。

桐生さんは口を半分開けたまま、「ええ……?」って感じだった(笑)

夏も莉子も笑顔でうんうんと頷いている。
──諦めてくれたかな?

「はい、分かりました。では、お仕事は取っておきますので、ごゆっくり行ってらしてください」

「悪いね。ありがとう」

──皆、クスクス笑ったままだった。

それで、俺たち3人はいったん帰宅して、作戦会議をすることにした。
──はあ、休むと言っただけでこんなに気持ちが開放されるとは。

もう気分はルンルンだ。

とりあえず、病院の各部長・副部長・課長・主任級には、すべて連絡だけはしておいた。
──「絶対仕事を振ってくるなよ」という、暗黙の宣言だ。

3人とも決まった拘束はない。
夏は桐生さんがスケジュールを管理しているから、予定がなければ何とかしてもらえばいい。

俺は有休を毎年捨てるくらい、たっぷりある。
──今までが働きすぎなんだよ。

夏も身体を壊したくらいだから、働きすぎ確定。

俺たちには、ちょっと意見が一致していることがあった。
──今の住まいが、だんだん脅かされていて、
心からゆっくり休める場所ではなくなってきているということ。

だから、別荘を持つ人の気持ちが分かったんだ。

それで「場所を決めるならどこにする?」と聞くと、
みんな軽井沢で意見が一致した。

真夏以外は人が少なく、プライバシーが保てる。
でも、別荘を持つとなると──軽井沢は寒すぎて、経費も人手もかかる。

掃除もしたくないし、緑豊かだから湿気も多い。

かといって、ホテルでは不特定多数の人の目にさらされる。
──夏がこうなった以上、それは無理だ。

新幹線ならすごく近い。
車で行くのは身体の負担になる。

──変装して新幹線で行こう。
荷物はすべて配送を利用する。
軽井沢に着いたら、レンタカーを借りよう。

夏「コンドミニアムが良いんじゃない?
行ってみて良くなかったら、離れがあるような高級ホテルにしようよ」

莉子「賛成! 私、この前行ったレストランで良くしてもらったし、美味しかったからあそこに行きたい」

「大体ネットで調べて、あとは不動産屋さんに紹介してもらおうか?
いちいちこっちで回るのは時間のロスだよ」

夏「だよね~。じゃあ、莉子は良さそうな高級ホテルを探して。
俺とお兄さんはコンドミニアムを探すよ」

莉子「OK! 任せて」

──みんな、ルンルンで探し始めた。

こういうリラックスした雰囲気は、久しぶりだった。

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