診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第17章 夏輝・人気と自由と……

333話 緊急避難・VOXIVE(ヴォクシヴ)・3

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 翌日、俺と夏は引っ越し会社に連絡して、レジデンスに荷物を運んでもらい、空き室に入れてもらった。

箱にはそれぞれの名前が書いてあるので、後で取りに来ればいい。

病院には病衣があるし、必要品は莉子がスーパーで買ってきてくれた。

莉子「みんな大丈夫なの?ペットボトルの水もいっぱい買ってきたよ。あと、お腹が空くかなと思ってゼリーも買ってきた」

院長「うん、ありがとう。みんな夕食が出るから大丈夫だと思うけど、病室の冷蔵庫に入れておくよ」

莉子「うん、わかった。でも下着は?」
「荷物から出せばいいんだけど、明日夏に見てもらうよ。足りなければ買ってくればいい」

莉子「うん、わかった。みんな大変だったんだね。それにしても事務所がひどすぎる」

「うん、わかってる。絶対このままじゃ済ませない。安心して」

事務所との契約書は桐生さんに渡した。
俺も診断書を集めて追加で渡した。あとは彼に任せる。

ただ本人たちから経過の聞き取り調査をしないといけない。
トーマ君の手術日程次第だ。

桐生さんは社長への報告と弁護士への相談も進めているはずだ。
どう言われるのか?

全員の復帰には半年以上かかる見込み。
退院後は本館5階の個室に住んでもらい、サテの人たちと一緒に朝食を食べれば少しは気が紛れるだろう。

夕方、桐生さんが戻ってきた。

桐生「社長が、“みんなが頼ってくれたなら、全面的に戦って5人を守る”とおっしゃいました。“それまでフォローをお願いします”とのことです」

「そうだね。わかった。絶対守ろう」

ところで、トーマ君の親御さんは驚いてすぐに駆けつけてくれた。
でもトーマ君と話して安心したらしい。

経過については俺と夏から説明した。

宿泊はレジデンスにご案内した。
レジデンスがあって本当に良かったよ。

その後、トーマ君の手術が三日後に行われた。
しばらくは安静だ。

岡田弁護士による聞き取り調査は、病室のベッドで行われ、
「勝利間違いなしだから安心してください」と皆に伝えてくれた。

皆、契約があと1年残っていることと、
仕事に穴を空けたことの賠償責任を心配しているようだった。
確かに場合によっては何億も請求されることがあるそうだ。

でもその点については「事務所の責任であって、皆さんの責任ではない」と弁護士が言ってくれたので、皆すごく安心したようだ。

桐生さんの話では、芸能組とレオさん、みずきさんには内密で伝えたらしい。
皆の驚きといったらなくて、騒然としたらしい。

「ええーーーっ??」ってさ。(笑) ――そりゃそうだよね。

でも「身体が回復するまで6か月以上かかること」

「回復した人から順に身体ならしで練習に参加すること」を説明し、協力をお願いしたそうだ。

レオさんやみずきさんは、やる気パワーが全開になっていたらしい。

まあまあ、抑えてね。身体と心の回復には時間がかかるからさ。

退院して本館5階の個室に移れた人には、調子が良ければ監督とみずきさんに来てもらう。

あまりに現役から長く離れると、戻すのが大変になると思ったからだ。

しかし、この間にもオリオンの事務所から電話がかかってきたらしい。

探りの電話だ。とぼけてくれたそうだ。

誰も知らないことになっているが、2~3日で浅田工業の岡田顧問弁護士から郵便が届くはずだ。

まあ、うちが保護していることは明白。
しかも全員入院加療が必要なら、2号館に入院していることはバレバレなんだけどね。

でも夏の時と同じように、返事は文章に限定している。

向こうも下手をすれば自分たちが訴えられるから、さすがに考えるだろう。

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