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朝早い時間だというのに、もう日差しが強い。初夏の太陽は油断できない。日除けのためにマントを頭からかぶっているせいもあり、首や背中が汗ばんできている。
馬の背に揺られながら、僕は小さく深呼吸を繰り返した。
「フィー、大丈夫か?」
「ん…大丈夫」
リアムが僕の異変に気づいた。
心配かけないように、本当に小さく息を吐き出したのに。リアムは僕のどんな些細な異変にも、すぐに気づく。
僕の前を進んでいたリアムが、手綱を引いて僕の隣に並ぶ。そして手を伸ばして僕の手を握った。
「指が冷たい。気分が悪いのか?」
リアムが焦った様子で、僕の目を見た。
僕は首を振って「大丈夫だから」と力なく笑う。
「少し暑いなと思っただけ。この先の街で休憩してもいい?」
「もちろん。今すぐに休むか?」
「ううん、進むよ」
「そうか…」
「ごめんね…。僕、もっと体力をつけないとダメだね。弱くて情けない…」
「フィーは弱くも情けなくもない。それに体力が落ちた原因は俺にあるから」
僕の手から離れたリアムの手を掴んで、反対の手でパシっと叩く。
リアムが驚いた顔で「痛い」と言う。
僕はリアムの手を強く握りしめて睨んだ。
「また言ってる。確かに僕はあの怪我から体力が落ちたけど、あれからもう半年近くは経ってるんだよ。それなのに戻らないのは、僕自身のせいだから。リアムのせいじゃない…って何度も言ってるのに…。次言ったら殴るよ」
「殴るの?どこを?顔?腹?」
「なにそれ…。どうして楽しそうにしてるの」
「…え?いやいや、そんなことはないぞ」
僕は苦笑する。
あれは期待してる顔だ。殴られたいなんておかしくない?一緒に暮らし始めてわかったけど、リアムは僕に怒らない。だからケンカにならない。いつも僕が勝手に怒っているだけなんだ。
リアムに一度、どうして怒らないのか聞いたことがある。そうしたら笑いながら、フィーが大切だから怒る気にならないと言われた。フィー以外のヤツらには容赦しないけどな、とも。確かにゼノや、特にラズールには容赦がないと思う。それに僕に優しくしてくれる理由に、記憶をなくしていた時に僕の腕を斬り落としたことを、今も後悔し続けているのだろうな。
リアムの指が頬に触れ、優しく動く。
「怒った…?」
「怒ってないよ。リアムは僕に甘いなぁと思っただけ」
「当然だろ?おまえは俺の、唯一の人なんだから」
「うん…僕もリアムが唯一だよ」
「わかってるけど、フィーに直接口に出して言ってもらえると嬉しいな」
本当に嬉しそうに笑って、今度は僕の背中を撫で始めた。
気分は悪くないと言ってるのに、心配しすぎ。
「…早く街に行こ?涼しい所で休みたい」
「わかった。しんどくなったらすぐに言えよ?」
「うん」
リアムがようやく僕から離れ、馬を走らせる。
僕もリアムから遅れないように、ロロの横腹を軽く蹴った。
馬の背に揺られながら、僕は小さく深呼吸を繰り返した。
「フィー、大丈夫か?」
「ん…大丈夫」
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心配かけないように、本当に小さく息を吐き出したのに。リアムは僕のどんな些細な異変にも、すぐに気づく。
僕の前を進んでいたリアムが、手綱を引いて僕の隣に並ぶ。そして手を伸ばして僕の手を握った。
「指が冷たい。気分が悪いのか?」
リアムが焦った様子で、僕の目を見た。
僕は首を振って「大丈夫だから」と力なく笑う。
「少し暑いなと思っただけ。この先の街で休憩してもいい?」
「もちろん。今すぐに休むか?」
「ううん、進むよ」
「そうか…」
「ごめんね…。僕、もっと体力をつけないとダメだね。弱くて情けない…」
「フィーは弱くも情けなくもない。それに体力が落ちた原因は俺にあるから」
僕の手から離れたリアムの手を掴んで、反対の手でパシっと叩く。
リアムが驚いた顔で「痛い」と言う。
僕はリアムの手を強く握りしめて睨んだ。
「また言ってる。確かに僕はあの怪我から体力が落ちたけど、あれからもう半年近くは経ってるんだよ。それなのに戻らないのは、僕自身のせいだから。リアムのせいじゃない…って何度も言ってるのに…。次言ったら殴るよ」
「殴るの?どこを?顔?腹?」
「なにそれ…。どうして楽しそうにしてるの」
「…え?いやいや、そんなことはないぞ」
僕は苦笑する。
あれは期待してる顔だ。殴られたいなんておかしくない?一緒に暮らし始めてわかったけど、リアムは僕に怒らない。だからケンカにならない。いつも僕が勝手に怒っているだけなんだ。
リアムに一度、どうして怒らないのか聞いたことがある。そうしたら笑いながら、フィーが大切だから怒る気にならないと言われた。フィー以外のヤツらには容赦しないけどな、とも。確かにゼノや、特にラズールには容赦がないと思う。それに僕に優しくしてくれる理由に、記憶をなくしていた時に僕の腕を斬り落としたことを、今も後悔し続けているのだろうな。
リアムの指が頬に触れ、優しく動く。
「怒った…?」
「怒ってないよ。リアムは僕に甘いなぁと思っただけ」
「当然だろ?おまえは俺の、唯一の人なんだから」
「うん…僕もリアムが唯一だよ」
「わかってるけど、フィーに直接口に出して言ってもらえると嬉しいな」
本当に嬉しそうに笑って、今度は僕の背中を撫で始めた。
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「…早く街に行こ?涼しい所で休みたい」
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「うん」
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