ふれたら消える

明樹

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青 19

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「けっこう人が多いな。昊、手…繋ぐ?」
「はあ?やだよ」
「じゃあ俺のシャツ掴んでてよ」
「だからなんで俺がはぐれると思ってんの?」
「だって昊、方向音痴じゃん」
「う…」

 図星を指されて昊が不満そうな顔で足を止める。
 そんな顔もかわいいと見とれている間に、俺の身体がどんどんと人波に押されて、昊と離れてしまう。
 俺は必死で人をかき分けて昊の所へ戻ると、しっかりと手を握りしめた。

「あっ、おい!」
「離さないよ。昊とはぐれたら俺、心配で祭りどころじゃないから」
「逆じゃね?俺の方が青を守らないとじゃん」
「弟が兄を心配するのも当然だろ?それより早く夏樹たちと合流しよう。花火見るのにいい席取れたってメール来てたから」
「うん…」

 俺が腕を引くと、昊は素直について来た。男同士、しかも弟に手を引かれることに抵抗があるんだろう。でも俺は離さないよ。誰に見られたって気にしない。むしろ見てほしい。俺の大切な昊は、絶対に俺が守るんだ。
 

 今日、俺が部活から帰ってくると、昊がリビングのソファーで寝ていた。シャワーを浴びた後らしく、パンツだけを履いた無防備な姿で。
 その姿を目にした瞬間、俺は思わず持っていたカバンを落とした。大きな音に昊が起きるかと思ったけど、よほど疲れているのかビクともしない。俺は足音を立てないよう静かにソファーに近づき、膝をついた。白い肌をさらして眠る昊。伏せられた長いまつ毛が、時おりピクピクと震えている。

「夢でも見てるのか?俺の夢だといいな…」

 ほとんど音に出ない声で呟いて、白い身体を見ていく。昊の裸を初めて見るわけじゃない。俺が中学に入るまでは一緒に風呂に入っていたし、今でも風呂上がりの昊と鉢合わせすることもある。まあいつも、冷静ではいられないけど。今も目の前の裸体を見て、俺の胸がドキドキとうるさい。
 俺はそっと昊の頬をさわる。なめらかで柔らかい。次に背中に触れる。きれいな背中だ。スベスベの手触りで、吸い付きたくなる。そう思った時にはもう、肌に唇を寄せていた。
 ああ…ボディーソープとは違う、いい匂いがする。俺は何度もキスをして、首の後ろを強く吸った。少しだけ顔を離して見ると、きれいにキスマークがついている。嬉しい。俺のものだという印みたいで嬉しい。調子に乗った俺は、うつ伏せで寝ている昊のパンツに手をかけた。ゆっくりと下げて、あらわになった丸くて白い尻に目が釘付くぎづけになる。

「やばい…」

 頭がクラクラする。かわいい、うまそう、エロい。あの尻を割って、穴に指を入れたらどんな反応をするんだろう。昊と身体をつなげて昊の中に欲を吐き出したら、どんなに気持ちいいだろう。どんなに満たされるだろう。
 その時、昊が頭を上げた。
 俺は慌てて昊のパンツを元に戻す。
 昊は寝ぼけているのか、寝返りを打って、再び眠った。
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