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悪魔が投げた雷の槍が兄の背中に刺さったが、それを抜いて兄は逃げた。
しかし、逃げた先の建物と建物の間の細い道の行き止まりで、兄は倒れてしまう。
必死に兄の名を呼ぶエイルリスの小さな手を握りしめ、消え入りそうな声で伝える。伝え終わると同時に、手が解けて息絶えた。動かなくなった兄の体は、光に包まれて消えた。
兄が死ぬ前に言ったこと。
ある屋敷を訪ねろ。そこに行けば、助けてくれる。必ずそこへ行けと。
エイルリスは、しばらく兄が消えた地面を見つめていた。
もう家に帰っても誰もいない。兄が話した場所へ行くのも不安だ。七歳のエイルリスには、どうすればいいのかがわからなかった。
でも、ずっとここにいても、どうにもならない。力なく立ち上がり、歩き出した。途方に暮れて、街中をさまよった。
屋敷を訪ねろと場所を教えられたけど、どうやって行けばいいのか、さっぱりわからない。ましてや歩いては行けない距離だと思う。
まだ幼い頭の中に色んな感情が渦巻いて、雨雲に覆われ、月明かりも見えない暗い街を、ふらふらと歩き続けた。
そのうち雨が降ってきた。傘など持ってる訳もなく、すぐにずぶ濡れになった。
雨に濡れて震えながら歩くエイルリスを、哀れな目で見てくる人達がいるものの、皆雨に濡れないよう急ぎ足で通り過ぎていく。
エイルリスは、手足が重く疲れてきて、目もかすみ始めた。
このまま僕も両親や兄と一緒に死んでしまいたいと、道の真ん中で空を見上げていると、近くで馬車の止まる音がした。
ぼんやりと顔を下ろしたエイルリスの前で、年老いた男が、慌てて馬車から飛び出てきた。
「大丈夫かい?びしょ濡れじゃないか!早く馬車に乗りなさい。もう安心だからね」
そう言って、エイルリスの肩を優しく抱いた。
馬車は大きな屋敷に着いた。
屋敷に入るとすぐに、年老いた女がエイルリスを毛布で包んだ。
「こんなに冷えて震えて。温かいお湯につかりましょうね。その後は温かいココアを飲みましょう。それから暖かい布団に入って、ゆっくり休みましょうね」
この女もまた、エイルリスに対して、とても優しい。
エイルリスは微かに頷き、女に肩を抱かれて屋敷の奥へと進んだ。
この老夫婦は、エイルリスの両親と知り合いらしい。
もし何かあった場合、エイルリスのことを頼まれていたそうだ。
エイルリスは、初めこそ心を閉ざしていたが、老夫婦の優しさに触れ、穏やかな気持ちで毎日を過ごせるようになった。
老夫婦に大切に愛され、両親や兄を殺された憎しみが薄らいでいくようだった。
エイルリスはよく笑い、時には子供らしいわがままも言うようになり、優しく育っていった。
しかし、逃げた先の建物と建物の間の細い道の行き止まりで、兄は倒れてしまう。
必死に兄の名を呼ぶエイルリスの小さな手を握りしめ、消え入りそうな声で伝える。伝え終わると同時に、手が解けて息絶えた。動かなくなった兄の体は、光に包まれて消えた。
兄が死ぬ前に言ったこと。
ある屋敷を訪ねろ。そこに行けば、助けてくれる。必ずそこへ行けと。
エイルリスは、しばらく兄が消えた地面を見つめていた。
もう家に帰っても誰もいない。兄が話した場所へ行くのも不安だ。七歳のエイルリスには、どうすればいいのかがわからなかった。
でも、ずっとここにいても、どうにもならない。力なく立ち上がり、歩き出した。途方に暮れて、街中をさまよった。
屋敷を訪ねろと場所を教えられたけど、どうやって行けばいいのか、さっぱりわからない。ましてや歩いては行けない距離だと思う。
まだ幼い頭の中に色んな感情が渦巻いて、雨雲に覆われ、月明かりも見えない暗い街を、ふらふらと歩き続けた。
そのうち雨が降ってきた。傘など持ってる訳もなく、すぐにずぶ濡れになった。
雨に濡れて震えながら歩くエイルリスを、哀れな目で見てくる人達がいるものの、皆雨に濡れないよう急ぎ足で通り過ぎていく。
エイルリスは、手足が重く疲れてきて、目もかすみ始めた。
このまま僕も両親や兄と一緒に死んでしまいたいと、道の真ん中で空を見上げていると、近くで馬車の止まる音がした。
ぼんやりと顔を下ろしたエイルリスの前で、年老いた男が、慌てて馬車から飛び出てきた。
「大丈夫かい?びしょ濡れじゃないか!早く馬車に乗りなさい。もう安心だからね」
そう言って、エイルリスの肩を優しく抱いた。
馬車は大きな屋敷に着いた。
屋敷に入るとすぐに、年老いた女がエイルリスを毛布で包んだ。
「こんなに冷えて震えて。温かいお湯につかりましょうね。その後は温かいココアを飲みましょう。それから暖かい布団に入って、ゆっくり休みましょうね」
この女もまた、エイルリスに対して、とても優しい。
エイルリスは微かに頷き、女に肩を抱かれて屋敷の奥へと進んだ。
この老夫婦は、エイルリスの両親と知り合いらしい。
もし何かあった場合、エイルリスのことを頼まれていたそうだ。
エイルリスは、初めこそ心を閉ざしていたが、老夫婦の優しさに触れ、穏やかな気持ちで毎日を過ごせるようになった。
老夫婦に大切に愛され、両親や兄を殺された憎しみが薄らいでいくようだった。
エイルリスはよく笑い、時には子供らしいわがままも言うようになり、優しく育っていった。
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