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その日も街の端から端まで歩いたが、フォラスを見つけることができなかった。
昼をすぎた辺りから、アンバーが「もう帰ろう。疲れた」と煩かった。
エイルリスが振り向き、顔を歪めてアンバーを見て心の中で呟く。
何しに付いてきたんだ、こいつ…。
「先に帰れよ」
前を向いたまま、アレンが素っ気なく言う。
それに対して、アンバーが不満の声を上げた。
「ええっ、一人にしないでくれよ。俺もエイルリスと街を歩きたい」
「邪魔だ」
「ひどい!でもさ、俺がいた方が、目的の悪魔を見つける確率が上がるんだよ?俺がいないと困らない?」
「別に」
アレンが冷たい。アンバーに対して冷たすぎる。
エイルリスは、確かにアンバーの協力も必要だと思い、アレンをたしなめた。
「アレン、俺もアンバーがいた方がいいと思う。おまえも強いけど、またこの前みたいに怪我をしたら嫌だ」
「ルリス…。ルリスがそう言うなら」
アレンが微笑み、エイルリスの髪に触れる。
視線を感じてエイルリスが横を向くと、アンバーが、至近距離で二人を見ていた。
エイルリスが再び顔を歪める。
「近いな。離れろよ」
「好きな人がいるっていいね。幸せ?」
「さあな」
「あ、俺のことは気にせずに、どうぞ手を繋ぐなり腕を組むなりして。最後か……」
「なに?」
「ん、何でもないよ。あ、そこの角を曲がろうか」
アンバーが前に出て、先頭に立って進む。
エイルリスが怪訝な顔をする。
アンバーの最後の言葉が聞き取れなかった。とても小さな声で聞き取れなかった。一体何を言った?大したことではなさそうだが、気になる。
でも、もう一度聞く機会がなく、昼を過ぎて夕方になった。
さすがに二日続けて外泊はできない。明日は講義もある。だから、日が暮れる前に、渋々学園に戻った。
帰りの馬車の中で、エイルリスが難しい顔で考え込んでいたために、アレンがひどく心配していた。「どこか痛いのか?」とか「風邪引いた?」とか。
ひと言「大丈夫」とだけ言って、エイルリスは目を閉じた。
心配をしてくれるのは嬉しいが、今は静かにしてほしい。いろいろと考えたい。簡単にフォラスを見つけられると思ったのに、できなかった。あいつはどこにいる?早く見つけたいけど焦るな。確かに街にはいるはずなんだ。また次の休みに捜しに行こう。見つけるまで、何度も街に行こう。
そんなことを考えているうちに眠ってしまった。
久しぶりの悪夢にうなされて目を開けると、自室のベッドの上だった。
週明け、エイルリスは講義を休んだ。今後のことを、ゆっくりと考えたかったから。
しかし、ゆっくりと考えることができなかった。一時間目の講義が終わった時間に、アレンが来たからだ。
廊下を走る音が聞こえた瞬間、エイルリスは嫌な予感がしていた。案の定、エイルリスの部屋の前で足音が止まり、代わりに扉を激しく叩く音が聞こえる。「ルリス!大丈夫っ?」と叫ぶ声と共に。
エイルリスは、心底嫌そうな顔で扉を開けた。
「うるせぇっ」
「あっ、ルリス!よかったっ」
「ちょっとサボっただけだろうが。元気だから帰れ」
「嫌だ。心配だから一緒にいる」
「元気だって言ってんだろ」
「嫌だ」
アレンがエイルリスを押しのけて、強引に入ってきた。
こいつ…いつも俺の言いなりのくせに!
エイルリスは、勢いよく扉を閉めて、アレンを睨む。
「おまえは講義に戻れよ。俺は疲れたから、ゆっくり休みたいんだよ」
「じゃあ、俺と一緒に休もう」
「はあ?」
エイルリスは怒りを通り越して、呆れた。
話が通じない。勝手すぎる。こういうところを見ると、悪魔だなと納得する。
昼をすぎた辺りから、アンバーが「もう帰ろう。疲れた」と煩かった。
エイルリスが振り向き、顔を歪めてアンバーを見て心の中で呟く。
何しに付いてきたんだ、こいつ…。
「先に帰れよ」
前を向いたまま、アレンが素っ気なく言う。
それに対して、アンバーが不満の声を上げた。
「ええっ、一人にしないでくれよ。俺もエイルリスと街を歩きたい」
「邪魔だ」
「ひどい!でもさ、俺がいた方が、目的の悪魔を見つける確率が上がるんだよ?俺がいないと困らない?」
「別に」
アレンが冷たい。アンバーに対して冷たすぎる。
エイルリスは、確かにアンバーの協力も必要だと思い、アレンをたしなめた。
「アレン、俺もアンバーがいた方がいいと思う。おまえも強いけど、またこの前みたいに怪我をしたら嫌だ」
「ルリス…。ルリスがそう言うなら」
アレンが微笑み、エイルリスの髪に触れる。
視線を感じてエイルリスが横を向くと、アンバーが、至近距離で二人を見ていた。
エイルリスが再び顔を歪める。
「近いな。離れろよ」
「好きな人がいるっていいね。幸せ?」
「さあな」
「あ、俺のことは気にせずに、どうぞ手を繋ぐなり腕を組むなりして。最後か……」
「なに?」
「ん、何でもないよ。あ、そこの角を曲がろうか」
アンバーが前に出て、先頭に立って進む。
エイルリスが怪訝な顔をする。
アンバーの最後の言葉が聞き取れなかった。とても小さな声で聞き取れなかった。一体何を言った?大したことではなさそうだが、気になる。
でも、もう一度聞く機会がなく、昼を過ぎて夕方になった。
さすがに二日続けて外泊はできない。明日は講義もある。だから、日が暮れる前に、渋々学園に戻った。
帰りの馬車の中で、エイルリスが難しい顔で考え込んでいたために、アレンがひどく心配していた。「どこか痛いのか?」とか「風邪引いた?」とか。
ひと言「大丈夫」とだけ言って、エイルリスは目を閉じた。
心配をしてくれるのは嬉しいが、今は静かにしてほしい。いろいろと考えたい。簡単にフォラスを見つけられると思ったのに、できなかった。あいつはどこにいる?早く見つけたいけど焦るな。確かに街にはいるはずなんだ。また次の休みに捜しに行こう。見つけるまで、何度も街に行こう。
そんなことを考えているうちに眠ってしまった。
久しぶりの悪夢にうなされて目を開けると、自室のベッドの上だった。
週明け、エイルリスは講義を休んだ。今後のことを、ゆっくりと考えたかったから。
しかし、ゆっくりと考えることができなかった。一時間目の講義が終わった時間に、アレンが来たからだ。
廊下を走る音が聞こえた瞬間、エイルリスは嫌な予感がしていた。案の定、エイルリスの部屋の前で足音が止まり、代わりに扉を激しく叩く音が聞こえる。「ルリス!大丈夫っ?」と叫ぶ声と共に。
エイルリスは、心底嫌そうな顔で扉を開けた。
「うるせぇっ」
「あっ、ルリス!よかったっ」
「ちょっとサボっただけだろうが。元気だから帰れ」
「嫌だ。心配だから一緒にいる」
「元気だって言ってんだろ」
「嫌だ」
アレンがエイルリスを押しのけて、強引に入ってきた。
こいつ…いつも俺の言いなりのくせに!
エイルリスは、勢いよく扉を閉めて、アレンを睨む。
「おまえは講義に戻れよ。俺は疲れたから、ゆっくり休みたいんだよ」
「じゃあ、俺と一緒に休もう」
「はあ?」
エイルリスは怒りを通り越して、呆れた。
話が通じない。勝手すぎる。こういうところを見ると、悪魔だなと納得する。
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