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第4章 少しずつ変わって行く世界
第23話 鵜戸家の人たち
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彼女と爺さんを抱えて、社務所で声をかける。
「はいはい。少しお待ちください」
そんな声が聞こえて、ガラス窓が開かれる。
まあ、当然驚かれる。
「まあ、まあまあ。爺まだ生きています?」
「ええまあ、生きています」
「ちっ」
と舌打ちが聞こえ、
「玄関側を開けますので、どうぞこちらへ回ってくださいます」
「はい」
言われた通り、玄関へと回る。
壮二に子供の様に抱っこされた神音ちゃんを見て、
「この子は、どうしたんでしょうか?」
と聞いてきた、心配になるよな。
「修行をしたいと言いまして、いくつかダンジョンを潰したら、えーとレベル酔いって分かります?」
「ああ新人の駆除従事者さんが、たまにかかる症状ですよね」
「ご存じでしたか。良かった。さっきはいきなり、切りかかられてしまって」
その言葉を聞いて、すごく驚いている。お母さん……かな?
「切りかかって来た? あなた怪我はしていないの? 大丈夫?」
「大丈夫です」
「それは、すごいわね。爺さん、しつこかったでしょう」
「そうですね。次から次へと」
そう答えると、上から下までじっくりと見られた。
「まあ荷物を抱えて、立ち話もなんだし、それを預かるわ」
と言って、俺の抱えていたじいさんの首根っこをつかみ、そのまま足は引きずって奥へと行ってしまった。
そういえば、さっき彼女を、壮二へと渡す時、おんぶにすればよかったかな。この年の子を抱っこだと、違和感があるな。
少し待っていると、戻って来た。
「まあまあ、すいませんね。残念ながら気を失っているだけでしたわ」
そう言って、こっちを見る。
「その子はまあ、そのままお願いしようかしら。上がってお茶でも出しますので、ゆっくりしていって下さいな」
そう言って案内されるまま、お邪魔をする。
家の中に特に隠し扉とか罠はなさそうだ。
「その扉が、その子の部屋なの、中へ入って寝かせてくださる」
「はい」
お母さんらしき人は部屋に入ると、てきぱきと押し入れから布団を出すと寝かせる用意をした。
「ここへお願いします」
そう言って、布団を指し示す。
壮二は、彼女のお尻の下と首の後ろに手を添わせて、スムーズに彼女を布団の上へと寝かせる。
「あら何か? 武術でもやっていらっしゃるの?」
壮二はそう聞かれて、
「武術?」
と疑問に思いながら、こちらを見る。
「まあ基本の体さばきは教えながら、武術という感じではなくじゃれあいだな。
特に型は無くて、受け流しと受け身だけを教えました」
それを聞いた壮二はえっそうなの? そんな顔をしている。
「まあ、そうなの? 遊びの中で、いいわね。この子も私も、爺さんに無茶させられて……」
「少し話は、聞かせていただきました」
「まあ、この子の寝顔を見ながら話すのもおつだけれど、後で叱られそうだからこちらへどうぞ」
案内されて、入った部屋は普通の客間だった。
多少、物騒な槍とか刀が飾られているが。
「しかし、あの爺さんを気絶させたとは、すごいわね。お仕事は何を?」
「さっきすこし話が出た。モンスターの駆除従事の会社です」
「まあそれで。やはり日々戦闘の中に己を置いておかないと錆びるのね」
そんなことを、しみじみとつぶやく。そんなお母さん? まあお母さんでいいや、話をしておこう。
「それでお宅の娘さんの方から、修業がしたいと申し込みが来まして。まあ請け負った次第です」
「中学生なのに、ダンジョンへ入れるの?」
「まあ、大ぴらには入れませんが、野良のダンジョンとかオープンタイプのダンジョンとかがありますので、大丈夫なんですよ」
「まあ、そんなものが。私も修行をお願いしようかしら? 死ぬまでにあの鬼。ああ、あのおじいさん、名前が封滅鬼(ふうめつき)というのよ。どっちが鬼かしらね。一度くらいは勝ちたいし。今度見せていただいていいかしら?」
「時間が合えばいいですけれど、社務所の営業? もあるのでしょう?」
「大丈夫よ。こんな神社。大体氏子でもない一見さんは来ないわよ」
「じゃあ、この週末にでも行きましょうか?」
「さすがに閉めっぱなしはだめだから、昼から参加でよろしいかしら?」
「じゃあ昼過ぎに、お迎えに来ます」
そんな約束をして、帰った。
壮二に聞くと、次の日学校で、真っ赤な顔した彼女が教室まで謝りに来て、壮二のクラスが騒然としたそうだ。
お母さんが、ニマニマしながら彼に抱かれて幸せそうだったわね。
そんな、かなり詳細を省いた説明をしたようだ。
「私は週末。朝から参加するからね」
と、言い残して帰ったようだ。
そんな彼女の行動で、クラスメートから質問は来るわ、告白は来るわ、無視されるわ大変だったらしい。彼女たちのグループは結構有名なグループで、文武両道の美人しか加われないと噂をされるものだったようだ。
修学旅行で助けたのが縁だよと言ったら、幾人かの男子が悔しがったようだが、その時の状態を見た女の子たちが、相手が指定団体の人達みたいだったよと言ったら静かになったようだ。
それを、退けた壮二っていったい何者? と話は変わり、クラスでは色んな憶測を呼ぶことになったのを壮二は知らない。
「はいはい。少しお待ちください」
そんな声が聞こえて、ガラス窓が開かれる。
まあ、当然驚かれる。
「まあ、まあまあ。爺まだ生きています?」
「ええまあ、生きています」
「ちっ」
と舌打ちが聞こえ、
「玄関側を開けますので、どうぞこちらへ回ってくださいます」
「はい」
言われた通り、玄関へと回る。
壮二に子供の様に抱っこされた神音ちゃんを見て、
「この子は、どうしたんでしょうか?」
と聞いてきた、心配になるよな。
「修行をしたいと言いまして、いくつかダンジョンを潰したら、えーとレベル酔いって分かります?」
「ああ新人の駆除従事者さんが、たまにかかる症状ですよね」
「ご存じでしたか。良かった。さっきはいきなり、切りかかられてしまって」
その言葉を聞いて、すごく驚いている。お母さん……かな?
「切りかかって来た? あなた怪我はしていないの? 大丈夫?」
「大丈夫です」
「それは、すごいわね。爺さん、しつこかったでしょう」
「そうですね。次から次へと」
そう答えると、上から下までじっくりと見られた。
「まあ荷物を抱えて、立ち話もなんだし、それを預かるわ」
と言って、俺の抱えていたじいさんの首根っこをつかみ、そのまま足は引きずって奥へと行ってしまった。
そういえば、さっき彼女を、壮二へと渡す時、おんぶにすればよかったかな。この年の子を抱っこだと、違和感があるな。
少し待っていると、戻って来た。
「まあまあ、すいませんね。残念ながら気を失っているだけでしたわ」
そう言って、こっちを見る。
「その子はまあ、そのままお願いしようかしら。上がってお茶でも出しますので、ゆっくりしていって下さいな」
そう言って案内されるまま、お邪魔をする。
家の中に特に隠し扉とか罠はなさそうだ。
「その扉が、その子の部屋なの、中へ入って寝かせてくださる」
「はい」
お母さんらしき人は部屋に入ると、てきぱきと押し入れから布団を出すと寝かせる用意をした。
「ここへお願いします」
そう言って、布団を指し示す。
壮二は、彼女のお尻の下と首の後ろに手を添わせて、スムーズに彼女を布団の上へと寝かせる。
「あら何か? 武術でもやっていらっしゃるの?」
壮二はそう聞かれて、
「武術?」
と疑問に思いながら、こちらを見る。
「まあ基本の体さばきは教えながら、武術という感じではなくじゃれあいだな。
特に型は無くて、受け流しと受け身だけを教えました」
それを聞いた壮二はえっそうなの? そんな顔をしている。
「まあ、そうなの? 遊びの中で、いいわね。この子も私も、爺さんに無茶させられて……」
「少し話は、聞かせていただきました」
「まあ、この子の寝顔を見ながら話すのもおつだけれど、後で叱られそうだからこちらへどうぞ」
案内されて、入った部屋は普通の客間だった。
多少、物騒な槍とか刀が飾られているが。
「しかし、あの爺さんを気絶させたとは、すごいわね。お仕事は何を?」
「さっきすこし話が出た。モンスターの駆除従事の会社です」
「まあそれで。やはり日々戦闘の中に己を置いておかないと錆びるのね」
そんなことを、しみじみとつぶやく。そんなお母さん? まあお母さんでいいや、話をしておこう。
「それでお宅の娘さんの方から、修業がしたいと申し込みが来まして。まあ請け負った次第です」
「中学生なのに、ダンジョンへ入れるの?」
「まあ、大ぴらには入れませんが、野良のダンジョンとかオープンタイプのダンジョンとかがありますので、大丈夫なんですよ」
「まあ、そんなものが。私も修行をお願いしようかしら? 死ぬまでにあの鬼。ああ、あのおじいさん、名前が封滅鬼(ふうめつき)というのよ。どっちが鬼かしらね。一度くらいは勝ちたいし。今度見せていただいていいかしら?」
「時間が合えばいいですけれど、社務所の営業? もあるのでしょう?」
「大丈夫よ。こんな神社。大体氏子でもない一見さんは来ないわよ」
「じゃあ、この週末にでも行きましょうか?」
「さすがに閉めっぱなしはだめだから、昼から参加でよろしいかしら?」
「じゃあ昼過ぎに、お迎えに来ます」
そんな約束をして、帰った。
壮二に聞くと、次の日学校で、真っ赤な顔した彼女が教室まで謝りに来て、壮二のクラスが騒然としたそうだ。
お母さんが、ニマニマしながら彼に抱かれて幸せそうだったわね。
そんな、かなり詳細を省いた説明をしたようだ。
「私は週末。朝から参加するからね」
と、言い残して帰ったようだ。
そんな彼女の行動で、クラスメートから質問は来るわ、告白は来るわ、無視されるわ大変だったらしい。彼女たちのグループは結構有名なグループで、文武両道の美人しか加われないと噂をされるものだったようだ。
修学旅行で助けたのが縁だよと言ったら、幾人かの男子が悔しがったようだが、その時の状態を見た女の子たちが、相手が指定団体の人達みたいだったよと言ったら静かになったようだ。
それを、退けた壮二っていったい何者? と話は変わり、クラスでは色んな憶測を呼ぶことになったのを壮二は知らない。
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