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第二章:初めての社交お茶会に出向く。
第14話 喜劇主人公のフォロー(1)
しおりを挟む現れた彼らの背景には、ここと似た間取りの部屋が存在している。
どうやら此処との続き部屋の様だ。
パッと見る限り、そこはこの応接室に人を通している時の、家主達側の休憩室の様な用途で使われるものの様である。
モンテガーノ侯爵達は、おそらく最初から隣の部屋で待機させていたのだろう。
そんな風に状況を分析していると、セシリアは不意に敵意を向けられている事に気がついた。
そちらに目をやると、そこに居たのはクラウンだ。
彼は、酷い仏頂面でキッとセシリアを睨み付けていた。
(『今回の件で父親あたりから怒られたりした』という所かな)
などという風に、彼がこちらに敵意を向けてくる理由は分かるのだが、しかしだからといって彼にそんな視線を向けられる筋合いは無い。
何故なら。
(貴族としての自覚も無く、浅慮のまま自らの欲望に走った。そんな彼の自業自得の結果がソレなんだから)
全く、逆恨み甚だしいというものだ。
しかし、それにしても。
(『和解』ってどういう意味なのか、あちらはちゃんと分かってるのかしら)
思わずそう思ってしまうくらい、彼の目はあからさまだ。
せめてもう少し感情を隠すとかしなければ、『和解』のアクションをする意味がなくなってしまう。
あらかじめ本人の意思をそちらに向けておいてほしかったのだが。
(モンテガーノ侯爵も、クラウン様の様子に全く気付いてないし……)
だからこそ、貴族の仮面を貼り付けた表情で友好的な態度が取れる。
「オルトガン伯爵夫人、久しぶりだな」
「ご無沙汰しておりますわ、モンテガーノ侯爵」
まずはそう挨拶をして、それからセシリアへと視線を向けてくる。
「セシリア嬢も、こうして会って話すのは君が4歳だった時以来か」
「はい、大変ご無沙汰しております」
彼は、まるで古くからの既知を相手にするかの様な気さくさを演出してきた。
それに対してクレアリンゼとセシリアの2人は、きちんと一度席を立ち、正式な貴族の礼で彼に応じる。
そして、自身の事よりも他人の事の方が見えやすいのか。
そんな両者間の温度差に、ヴォルド公爵は早々に気が付いた。
つい先程まで、見え透いた喜劇を演じていた彼なのに。
そして「今から和解をしようという両者の空気がこれではマズイ」とでも思ったのだろうか。
場を少しでも和ませようと、さして興味も無い雑談をこちらに振ってきた。
「ほう? モンテガーノ侯爵は社交界デビューよりも以前にセシリア嬢にあった事があるのか?」
「はい、以前偶々オルトガン伯爵邸へ行く用事があったのですが、その時に」
「そうか、貴殿とオルトガン伯爵は学生時代からの級友だったな」
納得の表情を浮かべる公爵に、侯爵がニコニコと笑いながらそう頷いてみせた。
しかし『級友』の部分を全く否定しない侯爵に、セシリアは。
(嘘つけ)
そう、内心で少し悪態をつく。
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