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第一話
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私、公爵令嬢のマリア・クレイヤは婚約者マティス・ジェレミー第一王子と婚約している。
その婚約は私とマティスが八歳の頃に決められたことだった。
婚約してからすぐに、私の次期王妃としての教育が始まった。
王妃教育は厳しかった。
休日は無く、毎日テーブルマナーや教養を叩き込まれた。
マティスは面倒臭がってサボってばかりいたが、逆に王子があんなのだから私が頑張らければならないと意気込んで、真面目に取り組んだ。
始めは教師たちも何とかしようとしていたが、「死刑にするぞ!」と脅したために誰も王子であるマティスに注意しなくなった。
その結果、現在十六歳にして私とマティスには教養や気品のある所作について大きな差が開いた。
やがてマティスは教養の差が開きすぎた私に劣等感を抱き避けるようになった。
私はそれでも構わないと思っていた。
結婚は決められた事。避けられていてもいつかは結婚しなければならないのだと。
そうして毎日を過ごしていたある日。
「お前との結婚を破棄する」
マティスは休日にも関わらず私の家に押しかけて自室までくると、そんなことを言い放った。
傍らに見覚えのある女性を連れて。
その婚約は私とマティスが八歳の頃に決められたことだった。
婚約してからすぐに、私の次期王妃としての教育が始まった。
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休日は無く、毎日テーブルマナーや教養を叩き込まれた。
マティスは面倒臭がってサボってばかりいたが、逆に王子があんなのだから私が頑張らければならないと意気込んで、真面目に取り組んだ。
始めは教師たちも何とかしようとしていたが、「死刑にするぞ!」と脅したために誰も王子であるマティスに注意しなくなった。
その結果、現在十六歳にして私とマティスには教養や気品のある所作について大きな差が開いた。
やがてマティスは教養の差が開きすぎた私に劣等感を抱き避けるようになった。
私はそれでも構わないと思っていた。
結婚は決められた事。避けられていてもいつかは結婚しなければならないのだと。
そうして毎日を過ごしていたある日。
「お前との結婚を破棄する」
マティスは休日にも関わらず私の家に押しかけて自室までくると、そんなことを言い放った。
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