その言葉はそのまま返されたもの

己の人生は既に決まっている。
親の望む令嬢を伴侶に迎え、子を成し、後継者を育てる。
ただそれだけのつまらぬ人生。

ならば、結婚までは好きに過ごしていいだろう?と、思った。


侯爵子息アリストには幼馴染がいる。
幼馴染が、出産に耐えられるほど身体が丈夫であったならアリストは彼女を伴侶にしたかった。
可愛らしく、淑やかな幼馴染が愛おしい。
それが叶うなら子がなくても、と思うのだが、父はそれを認めない。
父の選んだ伯爵令嬢が婚約者になった。
幼馴染のような愛らしさも、優しさもない。
平凡な容姿。口うるさい貴族令嬢。
うんざりだ。


幼馴染はずっと屋敷の中で育てられた為、外の事を知らない。
彼女のために、華やかな舞踏会を見せたかった。

比較的若い者があつまるような、気楽なものならば、多少の粗相も多目に見てもらえるだろう。

アリストは幼馴染のテイラーに己の色のドレスを贈り夜会に出席した。


まさか、自分のエスコートもなしにアリストの婚約者が参加しているとは露ほどにも思わず…。


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