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7話
しおりを挟むロビンは驚愕する。
「は……? 側近に、なれない?」
「ああそうだよ。今の君じゃ側近に推薦することは出来ない」
「な、何故ですか……? 今まで公爵家の人間が側近にならなかったことなどありません」
客観的に見れば理由は分かりきっているが、ロビンは理解できていないらしい。
ルイスはため息をついて説明し始めた。
「君、僕が任せた仕事を忘れたのは何回目か覚えているかい? これでもう三回目だよ」
ロビンは以前にも何回かロビンに任された仕事を忘れていることがあった。
そう何回も仕事を忘れるような人間が側近として仕事ができるわけが無いのは自明の理だ。
「それに君は最近生徒会を休みすぎだ。いくら君が公爵家ど言えど、流石にこれでは側近にすることはできないよ」
本来なら、生徒会の仕事は王子の側近になるため、能力を図るためのものだ。
それに出席もせず、仕事もできないとなればいよいよロビンを側近にする意味は無い。
それどころか、側近にすれば迷惑なだけだろう。
ルイスは極めて合理的な判断をしている。
しかし、ロビンにとっては不服だった。
「私は少し休んでいただけです! どうか考え直してください!」
「駄目だ。君には何度も生徒会に来るように言っていた。それを無視したのは、君だよ」
ぴしゃり、と断られロビンは歯軋りする。
そして悔し紛れにルイスへと反論した。
「……私がいなくなったら、後任はどうするんですか?」
「後任はメアリーにする」
「………………は?」
ロビンは思考が停止した。
メアリーが、生徒会に?
何故?
「彼女は君がいない間も毎日生徒会に来て、業務をこなしてくれていた。この功績を踏まえて、側近候補になってもらうつもりだ」
「ま、待ってください? メアリーが? あんな女を側近にするつもりですか?」
「そうだ」
「ルイス王子! 考え直してください! あいつは悪人です! 側近にしても王子に迷惑をかけるだけです!」
ロビンは心からの忠告をする。
「そんなわけないだろう。生徒会で一緒に仕事をしてきて、彼女の人柄も能力も申し分ないことは分かっている。そして何より勤勉だ。……君よりもね」
「っ……!」
最後に付け加えられた言葉に、ロビンの頭は沸騰しそうな程に怒りで満たされた。
しかしすんでのところで踏みとどまる。
相手は王子、不敬な態度をとるのは好ましくない。
最も、ルイスにはロビンの表情からどんなことを考えているのかわかりきっていたが。
「それじゃ、言いたいことはそれだけだよ」
そう言ってルイスは踵を返す。
ロビンはその背中を無言で見送った。
固く、固く、拳を握りながら。
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