今まで尽してきた私に、妾になれと言うんですか…?

水垣するめ

文字の大きさ
8 / 31

8話


「クソッッ!!!」

 ダン!とロビンは怒りに任せて壁を殴りつけた。

「何故だ! 何故側近から外されるんだ!」

 ロビンは納得していなかった。
 確かに、最近の自分は不真面目だったと思う。

 しかし、たった一度のミスで切り捨てるなんて普通あり得ないだろう!
 ロビンは心の中で叫ぶ。

 ロビンは苛立ちを抱えながら自分の身に振りかかった悲劇を嘆いた。
 その時、ロビンはある違和感を抱いた。

「いや待て。何かおかしくないか?」

 ロビンは勘違いし始めた。
 ルイスはロビンに対して「そろそろ戻ってきてくれ」と何度も忠告していた。だが、ロビンはそれを面倒臭がっていた。

 完全に自業自得だ。

 しかしロビンは見当違いの違和感を、卓越した妄想力により膨らませていく。
 なぜ、ルイス王子は自分を冷遇するようになったのだ、と。

「ルイス王子はあんな人物ではなかった。もっと懐の深い人物だった。なぜあんな急に冷酷になってしまったんだ……」

 ロビンは考える。

「ルイス王子が変わってしまったのか、それとも……」

 あるいは、誰かにロビンを切り捨てろ、と言われたのか。

「っ……!」

 ロビンの頭に、ある人物が浮かび上がった。
 最近ルイス王子に接近して、それでいて自分を陥れるような恨みを抱えている人物。

「そうか……! そうか! お前かメアリー!」

 ロビンは確信した。
 事実とは全くかけ離れている妄想を。

「お前がルイス王子に僕の悪評を流したんだな! そして復讐のために側近から外すように進言したんだ! そうに違いない!」

 近頃やけにする必要のない生徒会の仕事をしていたし、ルイス王子も側近にメアリーを推すと言っていたから、確定だ。
 ロビンは散らばっていたピースを次々とはめていく。

 ロビンの怒りはより一層増した。

「醜い嫉妬で僕を陥れ、ルイスはにまで近づくとは……絶対に許さないぞ! メアリー!」

 ロビンは憎しみの篭った声で唸る。
 もうすでに、ロビンの頭にはメアリーへの復讐しか無かった。
感想 185

あなたにおすすめの小説

婚約破棄の翌日に謝罪されるも、再び婚約する気はありません

黒木 楓
恋愛
 子爵令嬢パトリシアは、カルスに婚約破棄を言い渡されていた。  激務だった私は婚約破棄になったことに内心喜びながら、家に帰っていた。  婚約破棄はカルスとカルスの家族だけで決めたらしく、他の人は何も知らない。  婚約破棄したことを報告すると大騒ぎになり、私の協力によって領地が繁栄していたことをカルスは知る。  翌日――カルスは謝罪して再び婚約して欲しいと頼み込んでくるけど、婚約する気はありません。

有能婚約者を捨てた王子は、幼馴染との真実の愛に目覚めたらしい

マルローネ
恋愛
サンマルト王国の王子殿下のフリックは公爵令嬢のエリザに婚約破棄を言い渡した。 理由は幼馴染との「真実の愛」に目覚めたからだ。 エリザの言い分は一切聞いてもらえず、彼に誠心誠意尽くしてきた彼女は悲しんでしまう。 フリックは幼馴染のシャーリーと婚約をすることになるが、彼は今まで、どれだけエリザにサポートしてもらっていたのかを思い知ることになってしまう。一人でなんでもこなせる自信を持っていたが、地の底に落ちてしまうのだった。 一方、エリザはフリックを完璧にサポートし、その態度に感銘を受けていた第一王子殿下に求婚されることになり……。

妹に一度殺された。明日結婚するはずの死に戻り公爵令嬢は、もう二度と死にたくない。

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
恋愛
婚約者アルフレッドとの結婚を明日に控えた、公爵令嬢のバレッタ。 しかしその夜、無惨にも殺害されてしまう。 それを指示したのは、妹であるエライザであった。 姉が幸せになることを憎んだのだ。 容姿が整っていることから皆や父に気に入られてきた妹と、 顔が醜いことから蔑まされてきた自分。 やっとそのしがらみから逃れられる、そう思った矢先の突然の死だった。 しかし、バレッタは甦る。死に戻りにより、殺される数時間前へと時間を遡ったのだ。 幸せな結婚式を迎えるため、己のこれまでを精算するため、バレッタは妹、協力者である父を捕まえ処罰するべく動き出す。 もう二度と死なない。 そう、心に決めて。

良いものは全部ヒトのもの

猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。 ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。 翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。 一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。 『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』 憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。 自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。

【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい

春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。 そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか? 婚約者が不貞をしたのは私のせいで、 婚約破棄を命じられたのも私のせいですって? うふふ。面白いことを仰いますわね。 ※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。 ※カクヨムにも投稿しています。

従姉と結婚するとおっしゃるけれど、彼女にも婚約者はいるんですよ? まあ、いいですけど。

チカフジ ユキ
恋愛
ヴィオレッタはとある理由で、侯爵令息のフランツと婚約した。 しかし、そのフランツは従姉である子爵令嬢アメリアの事ばかり優遇し優先する。 アメリアもまたフランツがまるで自分の婚約者のように振る舞っていた。 目的のために婚約だったので、特別ヴィオレッタは気にしていなかったが、アメリアにも婚約者がいるので、そちらに睨まれないために窘めると、それから関係が悪化。 フランツは、アメリアとの関係について口をだすヴィオレッタを疎ましく思い、アメリアは気に食わない婚約者の事を口に出すヴィオレッタを嫌い、ことあるごとにフランツとの関係にマウントをとって来る。 そんな二人に辟易としながら過ごした一年後、そこで二人は盛大にやらかしてくれた。

殿下はご存じないのでしょうか?

7
恋愛
「お前との婚約を破棄する!」 学園の卒業パーティーに、突如婚約破棄を言い渡されてしまった公爵令嬢、イディア・ディエンバラ。 婚約破棄の理由を聞くと、他に愛する女性ができたという。 その女性がどなたか尋ねると、第二殿下はある女性に愛の告白をする。 殿下はご存じないのでしょうか? その方は――。

わたしを捨てた騎士様の末路

夜桜
恋愛
 令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。  ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。 ※連載