ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち

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第117話牛を捕りにいこう

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 今まででっかいエリアに対して、家一軒分という贅沢な扱い方をしていたセーフエリアに、今新しく広大な柵を用意する計画が立ち上がった。

 というのも少し前、僕はカフェでまったりとティータイムをしていた浦島先輩に遭遇した。

 そしてテイマーの話と一緒に牛の話をしてみたところ浦島先輩は快く乗ってきたわけだ。

「え? テイムって無限に出来んの? 道理でいくらテイムしても上限っぽいの無いなって思ってたんだよ。じゃあ。ちょっくらその牛、テイムしてくるわ」

「あっ。じゃあ一緒に行きます?」

「いいねぇ。せっかくだからコスプレしていこうよ。撮影もしてさ。上から順番にここで飼えそうな子を探してテイムしていって、その子達だけでここまで戻って来ようぜー」

 なんか磯〇ー野球しようぜーみたいなノリで始めたダンジョン探索はとても緩いノリだった。



 1階に転移宝玉で移動して、僕の案内で1階から順にモンスターをテイムしていく。

 浦島先輩はヘルメットの上からでもわかるほど、楽し気にモンスターを探していた。

「まずは豚かな? そう言えばテイムしようってなったことないけどどうすればいいの?」

「レベル差もありますから、スキルでテイムしてもいいですけど……キノコ食べさせれば行けるらしいです。ああ、キノコありますよ?」

「……なんで持ってるんだよ。まぁいいか。ほーらほらキノコだぞ?」

 リポップのポイントを探し出し、10匹ほどテイムして次へ。

「カニはどうする?」

「今回はカフェメニューに使えそうなのにしましょうよ」

「じゃあ……え? 豚をカフェに? ちなみに想定どのあたり? 軽食まで出す感じ?」

「使うの部員だけですしね。……ハンバーガーとか?」

「肉……肉か……テイムじゃなくてよくない? 肉はドロップアイテムだけでいいと思うの」

 切実にいやそうだったので、まぁそう言われればそうかって感じだった。

 まぁスタートが牛のテイム始まりなので間違いなく畜産みたいなものを想像しておりましたよ僕は。

 まぁ肉テイムはともかく。このまま牧場っぽいものが出来上がるのならセーフエリアもまた一つ、取れる可能性が増えるのは間違いないとは思う。

 しかし軽い気持ちで初めてみたが、やはりうちの学校のダンジョンは浅い層の方がモンスターのバリエーションが豊かなように思えた。

 薄々感じてはいたが、一番迷宮っぽく、石で出来た迷路がずっと続く階層は最も
もダンジョンのイメージに近い印象があった。

「今見ると、ダンジョンとしては初心者向けというかそんな感じですよね。いろんな種類のモンスターと戦えて、そこまで極度に強くないのも都合がいいというか」

 僕がそんな風に呟くと、確かにねぇと浦島先輩は頷いた。

「だから学校で独占させてるんでしょ。あと10階の守護者が適度に強いってのもいい具合だって聞いたことあるよ」

「そこがなんとも……弱い方がよさそうなもんじゃないですか?」

 あの鉄巨人は学生の手にはいくらなんでも余るんじゃないかと密かに思っていたのだが、なにも倒せればいいというものじゃないと浦島先輩は言った。

「いやいや、いったんストッパーになるでしょ? 調子に乗って深く潜ったら救助する方も大変なんだから」

「ああ、なるほどですね」

 本当に実力のある探索者だけを厳選するために鉄巨人君は今日も10階で守護者をやってくれているわけだ。

 どこまでも頭の上がらないやつである。

 この先も長い付き合いになりそうだし、僕としては今後も仲よく接していきたいものだった。



 僕らはいつも目的がない限りは最短ルートで下を目指しているわけだが、今回はモンスターを避けてはいないので遭遇率はかなり高かった。

「あっ。2階にスライムいるらしいんで何匹かテイムしてもらっていいですか?」

「いいけど……まさか食べるの?」

「いや、トイレに突っ込んでみようかなって」

「ああ……ワタヌキ君はトイレ好きだねぇ。改良に余念がない」

「トイレが好きなんじゃなくて綺麗好きと言って欲しいもんです。ファンタジーの定番でしょ? 試してみたくありません?」

「どうかな? ケツとか触手で舐められたらことだぜ?」

「……確かに。酸性っぽいですしね」

 何やら心外な評価を受けたが、しかしスライムトイレなんていうのは昨今は割かしメジャーなファンタジー工夫の一つじゃないだろうか?

 ならば僕もやってみたいと主張すると、浦島先輩は半笑いながらも同意してくれた。

「ああ、まぁ確かに。飲食店は清潔感命だしね」

 うん。言ってみるもんだなって感じだ。なんかスライム可愛いし。

 ポヨポヨ跳ねるスライムは、いつかの極悪なスライムと違ってどこか愛嬌がある。

 こちらも酸の攻撃は危険だが、瞬時に何でも溶かすわけでもなく一番警戒すべき攻撃は、不意打ちの窒息らしい。

 適度に遭遇したモンスターを見繕いつつ、僕らはどんどん下の階に向かって進んでゆくと、まず牛を見つけた目標の5階に到達した。

 そして目標が決まっていれば僕には探し出すのは容易だった。

「あ、いたいた。あれがミルクバッファローですよ」

「ワォ! でっかいおっぱいの牛だわね。白黒だし……バッファローっていうよりホルスタインじゃない? 」

「まさしくその通りではあるんですがね……テイム方法は、草を食べさせればいいそうですよ。ただ、アホほど食べますんで気を付けて? ストックありますからこれで」

「だから、用意がよすぎる。了解了解。お? オッパイこっちに向けたね」

「!」

 ドンとその場に座ったミルクバッファローは攻撃態勢を整えてこっちをロックオン。

「あ、マズイ」

 僕は素早く盾を構えて浦島先輩の前に出ると、ミルクバッファローは胸をこちらに向けミルクを発射した。

 一見間抜けなようだが、立派な攻撃である。

 その威力はまさに凶器。ウォーターカッターのように鋭く飛び出すミルクの刃だ。

 僕はしかし慌てず騒がずミルクを弾いて、手のひらに落ちた飛沫を一舐めした。

 うん、攻撃のやつも普通にミルクだ。だが、軽く毒もあるらしく要注意だった。

「こんな風に攻撃してくるんで注意です。ミルクはおいしいですよ」

「いやぁ……面白過ぎだわ。何でこんな面白い奴に気がつかなかったんだろう?」

「あー……やっぱりなんだかんだ余裕ないからじゃないですかね? こいつも5階のレアモンスターみたいですし」

「レアとかあるんだ。そりゃあ、今度からは注目して見ておかないと」

 テイマーとしては、そういう所に注目していきたいと浦島先輩はやる気である。

 そしてミルクバッファローを5匹ほどテイムしたら、中々の大所帯になって来た。

 しかし……確かに今回はテイムしたモンスターで基本戦おうとは言ったが、その光景は中々にシュールだった。

「よし! 行けミルキーズ! 突進だ!」

「「「「「モー!!!!!」」」」」

 その上、この牛の一斉突撃が思った以上に強力だった。

 浦島先輩の号令で一丸となった牛のド迫力のタックルが、出会ったモンスターを踏んづけて行く様は、その辺のモンスターじゃ止められる気がしない。

 まさに筋肉と言う感じの質量の塊は、シンプルに強いらしい。

「……めっちゃ強いな牛。乳の質量も合わさって重量感が半端じゃない。今の私とどっちが上だろう?」

「そこは人類として、牛に勝たないでください? 見てくださいよ。リザードマンが吹っ飛んでいきましたよ。牛ってこんなに迫力あるんですねぇ」

 慄きながら牛タックルの後ろからついて行っている僕らは楽なものだった。

 だがこんなに気楽にダンジョンの中を歩けると言うのも妙な気分で、ほんの少し前には考えられないことだったろうと僕は思った。

「ええっと、今6階でしたよね?」

「そうね。なんていうか……ほぼ、散歩気分で歩けるのは妙な気分だわ」

「やっぱり先輩もそう思います? 僕もですよ。ついこの間まで、6階なんて完全に死ぬ気で走っていたのに……」

 だと言うのに今となっては、この階層のモンスターは脅威どころか、落ち着いて観察することすらしているのだから余裕が出来たものだった。

「まぁ、あんまり気を抜きすぎるのもまずいんでしょうけど……」

「そう? ワタヌキ後輩は真面目だね。余裕があることはいいことだと思うよ。張りつめておくことも大事だけどさ? そういう時、人間ってピントを絞って危険だけに集中してるもんだよ。だから思わぬ大発見も見落として歩いてる」

「そうですね。こうして低い階層でも、まだまだ興味深い要素は沢山あるってことですね。ちなみに……その壁は隠し部屋があったりします。中身は……なんと消えるマントです」

「それは……神アイテムじゃないか!」

 僕と浦島先輩はアイテムを回収しようとホクホクしていたら、遠くから戦闘音が聞こえてきて、反射的に僕らは身構えていた。

 音の先では、誰かが戦っているのだろう。

 こういう時、探索者的には警戒して待機しつつ様、子をうかがうのがベターである。

「誰だろうね?」

「とりあえず、ドローンを飛ばしてみるなんてどうです? 実は最近カメラに馴染ん出来たカメラ君が編み出したスキルがあるんですよ」

「ほほう。それは興味深いね」

 僕らはカメラ君に偵察を命じると、隠し部屋に入って透明マントをとりあえずゲット。

 床に座り込んで、さっそく新技を披露した。

「では……リモートビュー」

「おお! 空中に映像が!」

「これがカメラ君の視界ですね。光の精霊の力で、映像をこっちに飛ばすスキルみたいなんです」

 あのカメラボディーのせいで覚えたスキルのようだし、光の精霊っぽくも感じる。

 実際はどうなのか? 実に気になるし、便利過ぎる機能だった。

 カメラ君が映しているのは4人組の探索者集団で、そこには月読さんの姿もあった。

「……よく会うな最近。まぁクラスメイトだから当たり前っちゃ当たり前なんだけど」

「あらかわー。ビジュアルえぐいなぁおい」

「先輩? クラスメイトなので押さえてください?」

「推せるか推せないかは。クラスメイト云々関係なくない?」

 そりゃそうなんだけど、基本浦島先輩とは趣味が合うのにリアルのこういう反応はいまいち反応が割れるんだよなぁと、僕は趣味の多様性に感心しつつも首を傾げた。 今まででっかいエリアに対して、家一軒分という贅沢な扱い方をしていたセーフエリアに、今新たに広大な柵を用意する計画が立ち上がった。

 というのも少し前、僕はカフェでまったりとティータイムをしていた浦島先輩に遭遇した。

 そしてテイマーの話と牛の話をしてみたところ浦島先輩は快く乗ってきたわけだ。

「え? テイムって無限に出来んの? 道理でいくらテイムしても上限っぽいの無いなって思ってたんだよ。じゃあ。ちょっくらその牛、テイムしてくるわ」

「あっ。じゃあ一緒に行きます?」

「いいねぇ。せっかくだからコスプレしていこうよ。撮影もしてさ。上から順番にここで飼えそうな子を探してテイムしていってさ、その子達だけでここまで戻って来ようぜー」

 なんか磯〇ー野球しようぜーみたいなノリで始めたダンジョン探索はとても緩いノリだった。



 1階に転移で移動して、僕の案内で1階から順にモンスターをテイムしていく。

 浦島先輩はヘルメットの上からでもわかるほど、楽し気にモンスターを探していた。

「まずは豚かな? そういえばテイムしようってなったことないけどどうすればいいの?」

「レベル差もありますから、スキルでテイムしてもいいですけど……キノコ食べさせれば行けるらしいです。ああ、キノコありますよ?」

「……なんで持ってるんだよ。まぁいいか。ほーらほらキノコだぞ?」

 リポップのポイントを探し出し、10匹ほどテイムして次へ。

「カニはどうする?」

「今回はカフェメニューに使えそうなのにしましょうよ」

「……じゃあ豚をカフェに? ちなみに想定どのあたり?」

「……ハンバーガーとか?」

「肉……肉か……テイムじゃなくてよくない?」

 まぁスタートが牛のテイム始まりなので間違いなく畜産みたいなものを想像しております。

 このまま牧場っぽいものが出来上がるのなら、セーフエリアもまた一つ取れる可能性が増えるのは間違いないとは思う。

 しかし軽い気持ちで初めてみたが、やはりうちの学校のダンジョンは浅い層の方がモンスターのバリエーションが豊かなように思えた。

 薄々感じてはいたが、一番迷宮っぽく、石で出来た迷路がずっと続く階層は最もダンジョンのイメージに近い印象があった。

「今見ると、ダンジョンとしては初心者向けというかそんな感じですよね。いろんな種類のモンスターと戦えて、そこまで極度に強くないのも都合がいいというか」

 僕がそんな風に呟くと、確かにねぇと浦島先輩は頷いた。

「だから学校で独占させてるんでしょ。あと10階の守護者が適度に強いってのもいい具合だって聞いたことあるよ」

「そこがなんとも……弱い方がよさそうなもんじゃないですか?」

 あの鉄巨人は学生の手にはいくらなんでも余るんじゃないかと密かに思っていたのだが、なにも倒せればいいというものじゃないと浦島先輩は言った。

「いやいや、いったんストッパーになるでしょ? 調子に乗って深く潜ったら救助する方も大変なんだから」

「ああ、なるほどですね」

 本当に実力のある探索者だけを厳選するために鉄巨人君は今日も10階で守護者をやってくれているわけだ。

 どこまでも頭の上がらないやつである。

 この先も長い付き合いになりそうだし、今後も仲よく接していきたいものだった。



 僕らはいつも、目的がない限りは最短ルートで下を目指しているわけだが、今回はモンスターを避けてはいないのでよくモンスターに遭遇した。

「あっ。2階にスライムいるらしいんで何匹かテイムしてもらっていいですか?」

「いいけど……まさか食べるの?」

「いや、トイレに突っ込んでみようかなって」

「ああ……ワタヌキ君はトイレ好きだねぇ。改良に余念がない」

「トイレが好きなんじゃなくて綺麗好きと言って欲しいもんです。ファンタジーの定番でしょ? 試してみたくありません?」

 何やら心外な評価を受けたが、スライムトイレなんていうのは昨今は割かしメジャーなファンタジー工夫の一つじゃないだろうか?

 ならば僕もやってみたいと主張すると、浦島先輩は半笑いながらも同意してくれた。

「ああ、まぁ確かに。飲食店は清潔感命だしね」

 うん。言ってみるもんだなって感じだ。なんかスライム可愛いし。

 ポヨポヨ跳ねるスライムは、いつかの極悪なスライムと違ってどこか愛嬌がある。

 こちらも酸の攻撃は危険だが、瞬時に何でも溶かすわけでもなく一番警戒すべき攻撃は、不意打ちの窒息らしい。

 適度に遭遇したモンスターを見繕いつつ、僕らはどんどん下の階に向かって進んでゆくとまず目標の5階に到達した。

 そして目標が決まっていれば僕には探しだすのは容易だった。

「あ、いたいた。あれがミルクバッファローですよ」

「ワォ! でっかいおっぱいの牛だわね。白黒だし……バッファローっていうよりホルスタインじゃない? 」

「まさしくその通りではあるんですがね……テイム方法は、草を食べさせればいいそうですよ。ただアホほど食べますんで気を付けて? ストックありますんでこれで」

「だから、用意がよすぎる。了解了解。お? オッパイこっちに向けたね」

「!」

 ドンとその場に座ったミルクバッファローは攻撃態勢を整えてこっちをロックオン。

「あ、マズイ」

 僕は素早く盾を構えて浦島先輩の前に出ると、ミルクバッファローは乳房をこちらに向けミルクを発射した。

 一見間抜けなようだが、立派な攻撃である。

 その威力はまさに凶器。ウォーターカッターのように鋭く飛び出すミルクの刃だ。

 僕はしかし慌てず騒がずミルクを弾いて、手のひらに落ちた飛沫を一舐めした。

 うん、攻撃のやつも普通にミルクだ。だが、軽く毒もあるらしい。

「こんな風に攻撃してくるんで注意です。ミルクはおいしいですよ」

「いやぁ……面白過ぎだわ。何でこんな面白い奴に気がつかなかったんだろう?」

「あー……やっぱりなんだかんだ余裕ないからじゃないですかね? こいつも5階のレアモンスターみたいですし」

「レアとかあるんだ。そりゃあ、今度からは注目して見ておかないと」

 テイマーとしては、そういう所に注目していきたいと浦島先輩はやる気である。

 そしてミルクバッファローを5頭ほどテイムしたら、中々の大所帯になって来た。

 しかし……確かに今回はテイムしたモンスターで基本戦おうとは言ったが、その光景は中々にシュールだった。

「よし! 行けミルキーズ! 突進だ!」

「「「「「モー!!!!!」」」」」

 その上、この牛の一斉突撃が思った以上に強力である。

 浦島先輩の号令で一丸となった牛のド迫力のタックルが、出会ったモンスターを踏んづけて行く様は、その辺のモンスターじゃ止められる気がしない。

 まさに筋肉と言う感じの質量の塊は、シンプルに強いらしい。

「……めっちゃ強いな牛。乳の質量も合わさって重量感半端ない。今の私とどっちが上だろう?」

「そこは人類として、牛に勝たないでください? 見てくださいよ。リザードマンが吹っ飛んでいきましたよ。牛ってこんなに迫力あるんですねぇ」

 慄きながら牛タックルの後ろからついて行っている僕らは楽なものだった。

 だがこんなに気楽にダンジョンの中を歩けると言うのも妙な気分で、ほんの少し前には考えられないことだったろうと僕は思った。

「ええっと、今6階でしたよね?」

「そうね。なんていうか……ほぼ、散歩気分で歩けるのは妙な気分だわ」

「やっぱり先輩もそう思います? 僕もですよ。ついこの間まで、6階なんて完全に死ぬ気で走っていたのに……」

 だと言うのに今となっては、この階層のモンスターは脅威どころか、落ち着いて観察することすらできるのだから余裕が出来たものだった。

「まぁ、あんまり気を抜きすぎるのもまずいんでしょうけど……」

「そう? 余裕があることはいいことだと思うよ。張りつめておくことも大事だけどさ? そういう時、人間ってピントを絞って危険な事だけに集中してるもんだよ。だから思わぬ大発見も見落として歩いてる」

「そうですね。こうして低い階層でも、まだまだ興味深い要素は沢山あるってことですね。ちなみに……その壁は隠し部屋があったりします。中身は……なんと消えるマントです」

「なんと……神アイテムじゃないか!」

 僕と浦島先輩はアイテムを回収しようとホクホクしていたら、遠くから戦闘音が聞こえてきて、反射的に僕らは身構える。

 音の先では、誰かが戦っているのだろう。

 こういう時、探索者的には警戒して待機しつつ、様子をうかがうのがベターである。

「誰だろうね?」

「とりあえず、ドローンを飛ばしてみるなんてどうです? 実は最近カメラに馴染んで来たカメラ君が編み出したスキルがあるんですよ」

「ほほう。それは興味深いね」

 僕らはカメラ君に偵察を命じると、隠し部屋に入って透明マントをとりあえずゲット。

 床に座り込んで、さっそく新技を披露した。

「では……リモートビュー」

「おお! 空中に映像が!」

「これがカメラ君の視界ですね。光の精霊の力で、映像をこっちに飛ばすスキルみたいなんです」

 あのカメラボディーのせいで覚えたスキルのようだし、光の精霊っぽくも感じる。

 実際はどうなのか? 実に気になるし、便利過ぎる機能だった。

 カメラ君が映しているのは4人組の探索者集団で、そこには月読さんの姿もあった。

「……よく会うな最近。まぁクラスメイトだから当たり前っちゃ当たり前なんだけど」

「あらかわー。ビジュアルえぐいなぁおい」

「先輩? クラスメイトなので抑えてください?」

「推せるか推せないかは、クラスメイト云々関係なくない?」

 そりゃそうなんだけど、基本浦島先輩とは趣味が合うのにリアルのこういう反応はいまいち反応が割れるんだよなぁと、僕は趣味の多様性に感心しつつも首を傾げた。
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