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第150話備えあれば
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僕はトンカンと金槌を使い、珍しくダンジョンではないところで大工仕事に励んでいた。
作っているのは枠とドア。
市販品だが、暗いブラウンの風合いのある木製のドアは、僕のお気に入りポイントだ。
それを3セット用意して、衝立のように立てられるようにする。
後は攻略君の言うままに文字を刻んで細工を施せば完成である。
ドアノブにこっそりでっかい宝石がはめてあるから防犯用の注意は必要だが、壁際に並べると専用通路の完成だった。
「ふぅ……よし。部室も少しは使ってあげないとだしなぁ。せっかく頑張って取り戻したんだから」
完成したそれを眺め、僕は上機嫌でうんと頷いた。
ダンジョンの中もどんどん住みやすくなってきているけど、やっぱり僕としては部室の雰囲気も捨てがたい。
このドアはどこにでも行けるわけじゃないが、これさえあればダンジョンの中の決まったポイントを自由に行き来できるアイテムとなっている。
いちいち魔法でゲートを作る必要すらない僕の魔法を応用した便利アイテムは、もちろん攻略君の産物だった。
ダンジョンの外ですらオーバーテクノロジーなのだが、しかしこういう常識外の技術が入ってこないと、どう考えてもド〇えもんの未来にはたどり着けないよなーなんて愉快なことを考えながらの作業はとても楽しかったと言っておこう。
僕としても魔力の消費が抑えられるのはとてもありがたい。
空間系の魔法は、割と燃費の悪い方の魔法だった。
専用通路の座標は『カフェ行き』『龍宮城行き』『売店行き』の三カ所。
主にスピードを求められる緊急事態に活躍することになるだろう。
普段は手続きをしてダンジョンに入らないと行方不明扱いされるからみんなにも注意は伝えておくとしよう。
「しかし、ずいぶんダンジョンの中にも気軽に入れるようになってきたし、みんな強くもなって来た。もうよっぽどのことがない限り緊急事態なんて起らないかもなあ」
そんな風に思うのは最近芽生えて来た自信によるところが大きかったのかもしれない。
レベルが上がったことで、ダンジョンの中を安定して歩き回ることが出来るようになった経験は、僕の心に思った以上の安定をもたらしていた。
作業が一段落した頃、部室の扉がノックされて僕は入り口に急ぐ。
ここで何かしてると客が多いなと苦笑しながら、僕は一応東雲さん辺りを予想していた。
「はいはい。どなたですかー……」
そしてガラッと引き戸を開けると、僕はそのままの体勢でぎょっとして固まってしまった。
そこには見たことのある腕章をつけた方々が沢山いたからだ。
「こんにちは。少しいいかな?」
「……! も、もちろんです……」
八坂生徒会長率いる生徒会の皆様方が頭数を揃えてやって来た。
……緊急事態だ!
さっそくドアが役に立ちそうで、僕は心の底から冷や汗を掻いた。
作っているのは枠とドア。
市販品だが、暗いブラウンの風合いのある木製のドアは、僕のお気に入りポイントだ。
それを3セット用意して、衝立のように立てられるようにする。
後は攻略君の言うままに文字を刻んで細工を施せば完成である。
ドアノブにこっそりでっかい宝石がはめてあるから防犯用の注意は必要だが、壁際に並べると専用通路の完成だった。
「ふぅ……よし。部室も少しは使ってあげないとだしなぁ。せっかく頑張って取り戻したんだから」
完成したそれを眺め、僕は上機嫌でうんと頷いた。
ダンジョンの中もどんどん住みやすくなってきているけど、やっぱり僕としては部室の雰囲気も捨てがたい。
このドアはどこにでも行けるわけじゃないが、これさえあればダンジョンの中の決まったポイントを自由に行き来できるアイテムとなっている。
いちいち魔法でゲートを作る必要すらない僕の魔法を応用した便利アイテムは、もちろん攻略君の産物だった。
ダンジョンの外ですらオーバーテクノロジーなのだが、しかしこういう常識外の技術が入ってこないと、どう考えてもド〇えもんの未来にはたどり着けないよなーなんて愉快なことを考えながらの作業はとても楽しかったと言っておこう。
僕としても魔力の消費が抑えられるのはとてもありがたい。
空間系の魔法は、割と燃費の悪い方の魔法だった。
専用通路の座標は『カフェ行き』『龍宮城行き』『売店行き』の三カ所。
主にスピードを求められる緊急事態に活躍することになるだろう。
普段は手続きをしてダンジョンに入らないと行方不明扱いされるからみんなにも注意は伝えておくとしよう。
「しかし、ずいぶんダンジョンの中にも気軽に入れるようになってきたし、みんな強くもなって来た。もうよっぽどのことがない限り緊急事態なんて起らないかもなあ」
そんな風に思うのは最近芽生えて来た自信によるところが大きかったのかもしれない。
レベルが上がったことで、ダンジョンの中を安定して歩き回ることが出来るようになった経験は、僕の心に思った以上の安定をもたらしていた。
作業が一段落した頃、部室の扉がノックされて僕は入り口に急ぐ。
ここで何かしてると客が多いなと苦笑しながら、僕は一応東雲さん辺りを予想していた。
「はいはい。どなたですかー……」
そしてガラッと引き戸を開けると、僕はそのままの体勢でぎょっとして固まってしまった。
そこには見たことのある腕章をつけた方々が沢山いたからだ。
「こんにちは。少しいいかな?」
「……! も、もちろんです……」
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……緊急事態だ!
さっそくドアが役に立ちそうで、僕は心の底から冷や汗を掻いた。
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