俺はモブなので。

バニラアイス

文字の大きさ
76 / 267

モブ、噴水に突き落とされる

しおりを挟む


「僕が主人公なんだから、モブは引っ込んでてよ!!!」 

そう俺に向かって叫んでいるのは、このゲームの一応主人公であるカグラ・ミルズだ。


そして.......


「.......」

その主人公に噴水の中へと突き落とされ、水浸しになっているのがゲームのモブであるこの俺だ。



時は遡り一時間前___


第二皇子が皇太子に呼び出されてしまい、一人になった俺は快晴の空を見て思った。

(今日はすごく良い天気だし、ちょっとだけなら一人で散歩に行っても大丈夫だよな。)

そう安易に思ってしまったのが間違いだった。


「どうしてなの?!」

のんびりと散歩をしていた途中、そんな声が聞こえてきた。

そして声がした方向を見て後悔した。


「あれは.....カグラとデリク・グレイ?」

この道を通るべきではなかったと。


「どうして僕からの誘いを断るの!?今までは僕が誘ったら答えてくれてたじゃんか!!」

そう言いながら、デリク・グレイにしがみつくカグラ。

そしてその行動と言葉を聞くに、どうやらカグラはデリク・グレイに言い寄りあっさりと断られたようだった。


「う~ん....」

デリク・グレイは考えるような仕草をした後、

「最初はカグラの事が好きだったよ?顔も好みだし身体の相性も最高だし、いつも笑顔で溌剌とした姿に引かれて本気で恋に落ちてたと思う。

でも......今の君にはこれといって興味も湧かないし、こうやって誘われて正直迷惑なんだよね。
そういう事は、他の男や君の恋人である皇太子殿下にしてもらえないかな?」

そう満面の笑顔でデリク・グレイは言い放った。


「~~~~!!!」

「他に用がないなら俺はもう行くよ。

あ、俺を誘うなら、まずはその醜い中身を直してからにしてね。今の君は見るに耐えないほど中身が酷く穢れてるからさ。じゃあね。」

そして最後に毒を吐き、デリク・グレイはいなくなった。


(うわ....結構言うな......でも主人公のカグラが攻略対象のデリク・グレイにあんな風に言われるなんて、よっぽどしつこく誘ったのかな。)

そんな事を悠長に思いながら、立ち尽くしているカグラを眺めていると.....


「「......」」

やば.....目が合った。


「お前......!」

本当に主人公なのかを疑うほどにすごい形相でこちらを睨みつけたカグラに後ずさり、そして逃げるように俺は走り出した。

「おい、待て!!!」

後ろから聞こえるその声を無視して、俺は必死に走り続ける。

そしてしばらく走り続け、体力の限界がきた俺は息を切らして立ち止まった。


「はぁ....はぁ....ここまで来ればもう大丈夫だろ....」

それにしても俺はつくづく運が悪い。
第二皇子の時といいシャーロットの時といい、どうしてこうも見てはいけないものを見てしまうのだろうか。

自分の不幸体質を呪いながら、噴水の前で一息付いていた時だった。


ドン!!!


「うわっ!!」


バッシャーーーン!!


カグラに噴水へと突き落とされたのは。

しおりを挟む
感想 189

あなたにおすすめの小説

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新! Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

いらない子の悪役令息はラスボスになる前に消えます

日色
BL
「ぼく、あくやくれいそくだ」弟の誕生と同時に前世を思い出した七海は、悪役令息キルナ=フェルライトに転生していた。闇と水という典型的な悪役属性な上、肝心の魔力はほぼゼロに近い。雑魚キャラで死亡フラグ立ちまくりの中、なぜか第一王子に溺愛され!?

なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ
BL
 前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?

お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!

MEIKO
BL
 本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。  僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!  「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」  知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!  だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?  ※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います

緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。 知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。 花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。 十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。 寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。 見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。 宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。 やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。 次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。 アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。 ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。

悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで

二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

処理中です...