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第二章
41 退院
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2週間の入院生活を終え、鉄堅は本日、無事に退院をした。身体の異常は特になく、記憶が戻ったり戻らなかったりの落ち着かない状態ではあったが、五体満足で退院できたことを、皆が喜んでくれた。
朝一で病院へ迎えにきた葉月は、すれ違う白衣の天使、看護師さん達に、彼氏さん元気になって良かったわねぇなんて口々に言われて、赤面する。おもはゆい思いをしながら、鉄堅のいる病室へとはいった。
「おはよ、鉄堅迎えに来た」
「おはよう、葉月ちゃん来てくれてありがとう」
「うん、今日は休みだったしちょうど良かった、荷物はこれだけ?」
黒のスーツケースを葉月が持とうとしたので、鉄堅は急いでその手を止めた。
「いいよ、自分で持つから」
「何言ってんだよ、退院したばっかのやつは大人しくしとけ、キャリーついてんだから、重くないし」
「そうよ、鉄堅、葉月ちゃんの言うこと聞きなさい」
便乗した母親にまで注意を受けて、鉄堅は、しぶしぶ手を離した。
正直、傷が開こうと、身体中が痛もうと、葉月に少しでも嫌な思いはさせたくないが……手伝いにきたと張り切っている葉月の、邪魔をするのも躊躇われ、葉月に荷物をもって貰うなんて、贅沢なと思いつつ、素直に引き下がり、スーツケースをコロコロと引いて歩く葉月の後に続いた。
玄関には父が車で迎えに来てくれていて、荷物はそこで引き渡された。
「やぁ、葉月君、重いのにすまなかったね」
「いえ、全然です」
「さぁ、鉄堅のとなりに乗って、寿司でも食べに行こう」
「わぁ、良いですね」
葉月は、寿司が好きだったので素直に喜んでいる。
車の運転席に鉄堅の父、助手席に母、後部座席に鉄堅と、葉月が収まり、車は動き出した。
FMラジオからは、軽快な音楽が流れ、社内を陽気にする。
鉄堅は、隣に座る葉月をじっとみつめた。それに気づいた葉月は、小首を傾げた。
「どうした?」
「え、あ、えっと……手、つないでいい?」
物凄く小声でつぶやく。まるで親に隠れて悪いことをしてるみたいな気持ちになった。
でも、正直、こんなに近くに葉月がいるのだから、手くらい繋ぎたい。葉月は、少し顔を赤らめつつ、手に持っていた葉月のバッグを二人の間にすっと置いて、その後ろで隠れるように手を繋いでくれた。
最初、指先がちょんと当たり、少しずつ絡めて、我慢できなくなった鉄堅が襲いかかるみたいに、葉月の手をガシッとつかみ、そして、指をお互いにずらして、絡めて、最終的に恋人繋ぎに落ち着いた。密着した手の平と指先が、気恥ずかしい。
二人は、不自然に目をそらし、だが隠れて手を繋いだまま、小一時間車に乗っていた。
前席では、バックミラーに写る二人を、両親はチラチラ見ながら、口を歪ませる。もう、なんて初なんだと、もじもじしあう二人を、幸せそうに見つめて、父と母は目線をあわせてひっそりと笑う。
可愛らしい後部座席のカップルを、もっとくっつけようと、父はカーブの度に、わざとGがかかるような曲がり方をするので、体重の軽い葉月は、ふらりと鉄堅の方へ傾き、両親の思惑通り、鉄堅に寄りかかっては離れを繰り返していた。
「お前のお父さん、結構運転荒いな……ハンドル握ると人格が変わるタイプかな」
なんて、少し勘違いをされたけれど。
朝一で病院へ迎えにきた葉月は、すれ違う白衣の天使、看護師さん達に、彼氏さん元気になって良かったわねぇなんて口々に言われて、赤面する。おもはゆい思いをしながら、鉄堅のいる病室へとはいった。
「おはよ、鉄堅迎えに来た」
「おはよう、葉月ちゃん来てくれてありがとう」
「うん、今日は休みだったしちょうど良かった、荷物はこれだけ?」
黒のスーツケースを葉月が持とうとしたので、鉄堅は急いでその手を止めた。
「いいよ、自分で持つから」
「何言ってんだよ、退院したばっかのやつは大人しくしとけ、キャリーついてんだから、重くないし」
「そうよ、鉄堅、葉月ちゃんの言うこと聞きなさい」
便乗した母親にまで注意を受けて、鉄堅は、しぶしぶ手を離した。
正直、傷が開こうと、身体中が痛もうと、葉月に少しでも嫌な思いはさせたくないが……手伝いにきたと張り切っている葉月の、邪魔をするのも躊躇われ、葉月に荷物をもって貰うなんて、贅沢なと思いつつ、素直に引き下がり、スーツケースをコロコロと引いて歩く葉月の後に続いた。
玄関には父が車で迎えに来てくれていて、荷物はそこで引き渡された。
「やぁ、葉月君、重いのにすまなかったね」
「いえ、全然です」
「さぁ、鉄堅のとなりに乗って、寿司でも食べに行こう」
「わぁ、良いですね」
葉月は、寿司が好きだったので素直に喜んでいる。
車の運転席に鉄堅の父、助手席に母、後部座席に鉄堅と、葉月が収まり、車は動き出した。
FMラジオからは、軽快な音楽が流れ、社内を陽気にする。
鉄堅は、隣に座る葉月をじっとみつめた。それに気づいた葉月は、小首を傾げた。
「どうした?」
「え、あ、えっと……手、つないでいい?」
物凄く小声でつぶやく。まるで親に隠れて悪いことをしてるみたいな気持ちになった。
でも、正直、こんなに近くに葉月がいるのだから、手くらい繋ぎたい。葉月は、少し顔を赤らめつつ、手に持っていた葉月のバッグを二人の間にすっと置いて、その後ろで隠れるように手を繋いでくれた。
最初、指先がちょんと当たり、少しずつ絡めて、我慢できなくなった鉄堅が襲いかかるみたいに、葉月の手をガシッとつかみ、そして、指をお互いにずらして、絡めて、最終的に恋人繋ぎに落ち着いた。密着した手の平と指先が、気恥ずかしい。
二人は、不自然に目をそらし、だが隠れて手を繋いだまま、小一時間車に乗っていた。
前席では、バックミラーに写る二人を、両親はチラチラ見ながら、口を歪ませる。もう、なんて初なんだと、もじもじしあう二人を、幸せそうに見つめて、父と母は目線をあわせてひっそりと笑う。
可愛らしい後部座席のカップルを、もっとくっつけようと、父はカーブの度に、わざとGがかかるような曲がり方をするので、体重の軽い葉月は、ふらりと鉄堅の方へ傾き、両親の思惑通り、鉄堅に寄りかかっては離れを繰り返していた。
「お前のお父さん、結構運転荒いな……ハンドル握ると人格が変わるタイプかな」
なんて、少し勘違いをされたけれど。
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