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魔獣の森での実習。
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俺が心臓付近を中心とする身体の異変や
何者かからの闇魔法で精神操作をされることに悩まされつつも、
魔法騎士学院生活自体はつつがなくすぎていき、
俺達は入学して4年目を迎えていた。
俺は16歳になり、身長も192センチと、かなり身長が伸びた。
エルは、
「ラルフ、すごく身長伸びたよなぁ。オレは182センチだった。うらやましい。」
とぼやいていた。
といっても同期の中ではエルも身長が高いほうだが。
そして毎年恒例の魔獣の出現する森での実習の時期がきた。
この実習は、辺境に出現する魔獣の退治を主に担っている黒竜騎士団に所属することを想定した
実習訓練となっている。
といってもこの森は辺境ほど魔獣の出没率も高くなく、
脅威となるような強い魔獣も出現しないので実習にちょうどいいらしい。
魔法騎士学院からは少し遠いため、泊まりの実習となっている。
みんなで行く、ちょっとした旅行みたいで、
学生の間では楽しいイベントのようなものになっている。
しかし、この年だけは違った。
例年は教師に見守られながら複数人で弱い魔獣を1匹相手にする程度なのに、
今年は大量の魔獣が俺達を襲ってきた。
教師も想定外だったらしく、現場はかなり混乱していた。
魔法騎士学院の学生が全員参加する実習であるため、
学生の中ではぶっちぎりで強い、俺の兄であるレグルス兄さんやアルベルトさん、ヴァルターさんも
参加していたが、
全ての魔獣を一度に一掃するまでは手が回らないようで、
兄さんたちがどのあたりで戦闘をしているかは、ここからは様子がわからなかった。
「みんな落ち着け。
普段からやっている対魔獣訓練どおり、陣形を組め。
1人になるな。
1人でなんとかしようとするな。
オレ達が団結できればこのくらいなんてことない!」
とエルが周りのクラスメイトに声を張り上げた。
こんなときのエルは本当に頼もしい。
「俺とエルが先頭に立つ。」
俺がそう言うと、
「そうだな、行くか!」
エルがそう返した。
「みんな、フォローを頼む!
信じてるぞ!
このあたりの魔獣はオレ達で一掃しよう!」
とクラスメイト達に声をかけた。
エルが風魔法を使い、敵を索敵していく。
次々と現れる魔獣を俺は次々と雷魔法をエンチャントさせた剣で倒していく。
背後や横からくるヤツはエルが炎魔法と剣でなぎ倒していく。
俺とエルとの連携、そしてクラスのヤツらとの連携で、
この一帯は圧勝だった。
死者はおろか、負傷者もなく魔獣を撃退することができた。
その頃には他の区域の魔獣も沈静化したようで、
魔獣の森の雰囲気も落ち着いてきたようだった。
「どうやら終わったみたいだな。」
ふーっと長い息を吐いて、エルが言った。
「エルが一緒に戦ってくれたおかげで、全部撃退できた。
ありがとな。」
と俺が言うと、
「お前とオレの仲だろ、何言ってるんだよ。」
とエルが笑った。
そんなエルの顔を見ていたら、エルの顔が土で汚れているのに気づいた。
「あ、エルの顔、ちょっと汚れちゃったな。」
と俺は汚れをとるためにエルの茶色の髪と頬に間に手を添えた。
するとにわかにエルの顔が赤くなった。
俺はあわてて、
「大丈夫か!?
熱があるんじゃないか!?
さっきの戦闘で実は負傷していたのか!?
それとも魔法の副作用とか!?」
とエルに声をかけた。
「大丈夫、大丈夫だから。」
とエルが手を顔にぱたぱたさせながら一歩後ろに下がった。
エルは大丈夫と言ったが、
本当はさっきの戦闘でかなり無理をしたのではないか。
戦闘が終わって安心したところで反動がきたのではないか。
なにやら誤魔化すようにクラスのヤツらのところへ行ってしまったエルの後ろ姿を見ながら、
エルのことが心配で心配でたまらなくなった。
何者かからの闇魔法で精神操作をされることに悩まされつつも、
魔法騎士学院生活自体はつつがなくすぎていき、
俺達は入学して4年目を迎えていた。
俺は16歳になり、身長も192センチと、かなり身長が伸びた。
エルは、
「ラルフ、すごく身長伸びたよなぁ。オレは182センチだった。うらやましい。」
とぼやいていた。
といっても同期の中ではエルも身長が高いほうだが。
そして毎年恒例の魔獣の出現する森での実習の時期がきた。
この実習は、辺境に出現する魔獣の退治を主に担っている黒竜騎士団に所属することを想定した
実習訓練となっている。
といってもこの森は辺境ほど魔獣の出没率も高くなく、
脅威となるような強い魔獣も出現しないので実習にちょうどいいらしい。
魔法騎士学院からは少し遠いため、泊まりの実習となっている。
みんなで行く、ちょっとした旅行みたいで、
学生の間では楽しいイベントのようなものになっている。
しかし、この年だけは違った。
例年は教師に見守られながら複数人で弱い魔獣を1匹相手にする程度なのに、
今年は大量の魔獣が俺達を襲ってきた。
教師も想定外だったらしく、現場はかなり混乱していた。
魔法騎士学院の学生が全員参加する実習であるため、
学生の中ではぶっちぎりで強い、俺の兄であるレグルス兄さんやアルベルトさん、ヴァルターさんも
参加していたが、
全ての魔獣を一度に一掃するまでは手が回らないようで、
兄さんたちがどのあたりで戦闘をしているかは、ここからは様子がわからなかった。
「みんな落ち着け。
普段からやっている対魔獣訓練どおり、陣形を組め。
1人になるな。
1人でなんとかしようとするな。
オレ達が団結できればこのくらいなんてことない!」
とエルが周りのクラスメイトに声を張り上げた。
こんなときのエルは本当に頼もしい。
「俺とエルが先頭に立つ。」
俺がそう言うと、
「そうだな、行くか!」
エルがそう返した。
「みんな、フォローを頼む!
信じてるぞ!
このあたりの魔獣はオレ達で一掃しよう!」
とクラスメイト達に声をかけた。
エルが風魔法を使い、敵を索敵していく。
次々と現れる魔獣を俺は次々と雷魔法をエンチャントさせた剣で倒していく。
背後や横からくるヤツはエルが炎魔法と剣でなぎ倒していく。
俺とエルとの連携、そしてクラスのヤツらとの連携で、
この一帯は圧勝だった。
死者はおろか、負傷者もなく魔獣を撃退することができた。
その頃には他の区域の魔獣も沈静化したようで、
魔獣の森の雰囲気も落ち着いてきたようだった。
「どうやら終わったみたいだな。」
ふーっと長い息を吐いて、エルが言った。
「エルが一緒に戦ってくれたおかげで、全部撃退できた。
ありがとな。」
と俺が言うと、
「お前とオレの仲だろ、何言ってるんだよ。」
とエルが笑った。
そんなエルの顔を見ていたら、エルの顔が土で汚れているのに気づいた。
「あ、エルの顔、ちょっと汚れちゃったな。」
と俺は汚れをとるためにエルの茶色の髪と頬に間に手を添えた。
するとにわかにエルの顔が赤くなった。
俺はあわてて、
「大丈夫か!?
熱があるんじゃないか!?
さっきの戦闘で実は負傷していたのか!?
それとも魔法の副作用とか!?」
とエルに声をかけた。
「大丈夫、大丈夫だから。」
とエルが手を顔にぱたぱたさせながら一歩後ろに下がった。
エルは大丈夫と言ったが、
本当はさっきの戦闘でかなり無理をしたのではないか。
戦闘が終わって安心したところで反動がきたのではないか。
なにやら誤魔化すようにクラスのヤツらのところへ行ってしまったエルの後ろ姿を見ながら、
エルのことが心配で心配でたまらなくなった。
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