俺が王太子殿下の専属護衛騎士になるまでの話。

黒茶

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エピローグ。

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ラルフは公務に出発する前に身支度を整えるエーレンフリート王太子殿下のお側に控えていた。
ゆるく編んだ紅い髪がゆれる。

「さあ、行こうか、ラルフ。」

と殿下が俺のほうを振り返って言った。
俺は何も言わず、軽く頭を下げた。

二人で目的の場所まで長い廊下を歩く。

するとふいに殿下が立ち止まり、
振り返ったかと思うと俺にキスをした。

「殿下!
このような誰が見ているかわからない場所ではお控えください!」

俺が慌てて言うと、
殿下はしょげた顔をして、

「しょうがないじゃないか・・・。
最近公務続きで疲労困憊なんだよ・・・。
ちょっと充電させてくれ・・・。」

と俺に身体をよせ、肩に頭を乗せてきた。

正直、かわいすぎる。

俺はそっと背中に手を添えて、

「それは仕方ないですね。
殿下のご命令とあらば専属護衛騎士としては逆らえませんから。」

と答えた。

すると殿下は、

「命令じゃない、おねがい、だ。」

といたずらっ子のような顔をして俺の目を見て言った。

この確信犯め。

すぐそばに扉があるこの部屋は、確か使われていなくて人もめったにこないはず・・・
そういう情報も王太子殿下の専属護衛騎士である俺は逐一把握している。もちろん。

「おねがいか、それじゃあエルの言うことを聞かないわけにはいかないな。」

俺もエルと同じ、いたずらっ子のような顔をしながら、
二人でその部屋に消えていったのだった。


俺たちの関係はしばらく公表するのはやめておこう、と二人で決めた。
王族、いろいろとしがらみがあるらしい。
せめてエルの妹である皇女様のご成婚の儀が終わるまでは、
ということなので、
二人で秘密の関係を続けている。
表では王太子殿下とその専属護衛騎士。
二人のときは、親友であり相棒であり、かけがえのない恋人。

こんな日がくるなんて夢のようだ。

なお、
俺達は自分たちの仲を隠しているつもりなのだが、
金獅子騎士団長のアルベルト団長をはじめ、
実は俺達の仲は公然の秘密となっていることに
少なくとも俺は気付いていなかった。

仲睦まじい、王太子殿下とその専属護衛騎士のお話。



おしまい。




----------------------------------------------

ここまでお読みくださり、ありがとうございます!!!
感謝しかございません!!!

鈍感すぎる上に勘違いまでしちゃう、
でもまっすぐで素直な攻であるラルフくん、
どうだったでしょうか。

そんなまっすぐなラルフくんにやられてしまったけど
騙しているという罪悪感から気持ちに答えられなかったエルくん、
どうだったでしょうか。

お互い大好きなのに・・・いろいろ「なんでそうなった!?」ってなかなか
くっつけないのがいいなあ・・・好き・・・(自画自賛)

あと、王太子なのにプライベートでは感情豊かな年相応の男の子っていうのが個人的な癖です。
公務では感情を読ませないように穏やかな雰囲気を保っているのに、
プライベートでは感情高ぶると泣いちゃう王太子、いい。

あとですね、
「乙女ゲームの難関攻略対象をたぶらかしてみた結果。」
の攻だったジークハルトくん、
若かりし学院時代にラルフに勝手にライバル視されたり嫉妬されたりしたんですね。
可哀想ですね。
しかも本人全く絡んでないし。
実はこういうことが裏であったんじゃないかなーっていうの、大好きです。

ではまたどこかでお会いできたらうれしいです!

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