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初等部
18.嬉しい手紙、不穏な手紙
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改めてイヴァン様と寮に戻ると、ヴェルナ様からのお返事が届いていました。
「……ヴェルナ嬢ですか?」
イヴァン様の問いかけに、僕は「はい」と頷きました。
今日はもう遅いですが、幸い明日は休日です。ゆっくりお返事を書く時間があります。
「……明日、イヴァン様のお部屋に遊びに行ってもいいですか?」
イヴァン様の『印象的な言葉』を聞きながら書きたいのです。
僕の意図はすぐ伝わって、イヴァン様は緩く微笑みながら「えぇ。もちろん」とおっしゃってくださいました。
イヴァン様と別れて部屋に戻ります。
恐る恐る扉を開きましたが、今度は、ベッドには誰も座っていませんでした。
ほっとしつつ机に座って、ヴェルナ様からのお手紙を開きます。
ヴェルナ様からのお手紙には、形式的な挨拶と、『やはりまだまだ寂しいが、その他に嫌なことはなく元気に過ごしている』という内容の後、こんなことが書かれていました。
『仲良くなりたいと心から思える人ができたようでうれしいです。シエノーク兄様がその人と仲良くなれるように、ソバキン領から応援しています。
お母様に人と仲良くなる方法を尋ねてみたら、「私ならお茶会に誘うわ」とおっしゃっていました。もしよければ試してみてください。
そして、お茶会でその人と楽しい思い出ができたら、お手紙で教えてほしいです。
シエノーク兄様から楽しい話を聞けたら、私も楽しくなります。
でも、もしその人に嫌な思いをさせられたら、すぐにイヴァン様に相談して、私にも教えてくださいね。
シエノーク兄様がつらいことを一人で背負ってしまうのは悲しいです。
次のお手紙も楽しみにしています』
頬が緩みます。
やっぱり、ルスラン様との仲を応援してくれました。僕がルスラン様と仲良くなる方法を真剣に考えて、アリサ様にも相談してくださったようです。最後に心配もしてくださっているのが、ヴェルナ様らしいです。
今日は少し話すことができましたが、普段は挨拶をするくらいしか会話することがありませんから、お茶会に誘うという案はとてもいい案です。
もし断られても、そのお誘いをきっかけにして、少し会話ができればいいのです。
お茶会に誘うという名目で、挨拶以外にも話しかけるきっかけができたことを、喜ばしく思いました。
次の授業が楽しみです。
翌日、イヴァン様から『印象的なお言葉』もいただいて、お返事を書きました。
内容は、大体以下のようになりました。
『ヴェルナ・ソバキン様
前略
イヴァン様から「個人的な手紙なら形式的な挨拶は省いてもいいと思います」と教えていただいたので、早速試してみました。こうすると、手紙いっぱいに個人的なことが書けますね。
ヴェルナ様がソバキン領で健やかに過ごしていらっしゃるようで安心しました。
お茶会のご提案、ありがとうございます。挨拶以外で声をかける機会が中々なかったので、助かりました。次に会ったとき、早速お誘いしてみようと思います。
~~~~~~
追伸
イヴァン様がこの間、「ソバキン家で暮らす夏季休暇が今から楽しみです。別れ際に言ったことを、ヴェルナ様は覚えていてくださっているでしょうか?覚えて、楽しみにしていてくださっていると嬉しいですね」といったことをおっしゃっていました。
覚えているでしょうか?
僕も詳細は聞かされていませんから、もしヴェルナ様も覚えているなら、一緒に楽しみにしていましょうね。
シエノーク・ヴォルコ』
他にも、寮でのちょっとしたエピソードなども書いたため、やはり長くなってしまいました。
喜んでくださるといいな、と思いながら、その日のうちに受付に渡しました。
******
次の授業のとき、ルスラン様をお誘いしてみました。
「ルスラン様、もしご興味があれば、僕と、お茶会しませんか。いつか、都合のつく日があれば」
ルスラン様はこちらを見て、それから視線を逸らしました。
沈黙が訪れます。
……もう誘ってしまったのに、今更不安になってきました。
考えてみれば、お茶会は元々、貴族の文化です。平民でもすると聞きますが、貴族ほど身近ではなかったかもしれません。
貴族らしいことはしたくなくて、しかしお優しい『今』のルスラン様はすぐに断ることもできず、困らせてしまったでしょうか。
僕はおそるおそる口を開きます。
「……あまり興味がなければ、無理にとは言」
「めちゃくちゃ興味ある」
「えっ、……よ、よかった」
ルスラン様は即座に否定してくださって、その後、小さな声で言いました。
「一ヶ月、くれ。……来月のこの日より後で、頼む……。……行けるのは土曜。日曜は教会に行くから」
ぱぁ、と顔が明るくなるのが自分でわかりました。
「お茶会、してくださいますか……!?」
「……うん」
「嬉しいです!僕はいつでも空いています!それなら、来月の三回目の土曜、いかがでしょう?」
「……イケ、ル」
「場所は、ドゥフ寮にお邪魔するのがいいでしょうか?」
「……そうだな」
「では、来月の三回目の土曜、お昼過ぎからドゥフ寮でお茶会しましょう。約束です!」
「……ん」
思わずはしゃいで、食い気味に約束を取り付けてしまいます。
でも、「楽しみにしていますね!」と言ったら、少しの間があって、「俺も」と返してくださいました。
強引に誘ってしまったにも関わらず、ルスラン様も楽しみにしてくださっているようです。僕はなんて幸運なんでしょう。
こういうとき、ルスラン様が、嫌なら嫌と言う素直な性格でいてくださって、本当にありがたいと感じます。ルスラン様の言葉はお世辞ではなく本心だとすぐに実感できるからです。
誘ってよかった。
次のヴェルナ様への手紙で、いい報告ができそうです。
一ヶ月後が楽しみです。
******
次のお手紙は、また休日の前日に届きました。
もしかすると、このタイミングで届くようにソバキン家の方で調整してくださっているのかもしれません。
郵便受けから手紙を取って、早く部屋に戻って開けようとワクワクしながら部屋に向かおうとすると……、
ドッ
と、誰かとぶつかり、少しよろめいて後退りました。
「ぁ、わ、ご、ごめんなさい……っ」
咄嗟に謝ってぶつかった人を見上げれば、そこにいたのは、第二王子のフェオフォーン様でした。
「いえ、謝罪するのはこちらです。考え事をしていて、前が見えていませんでした。申し訳ございません。お怪我は?」
フェオフォーン様は相変わらずの無表情で淡々とおっしゃいます。今日は、エリザヴェータ様は近くにいないようです。
「ありません!フェオフォーン様は……」
「ありません。お互いに怪我がなくてよかった。それでは」
フェオフォーン様は、そう言うとさっさと立ち去っていってしまいました。
不敬になるのではないかと冷や冷やしましたが、忙しくて気にならなかったのかもしれません。僕はほっと胸を撫で下ろし、今度こそ部屋に向かいました。
ヴェルナ様からのお返事では、イヴァン様の『印象的なお言葉』へのお返事も書かれていました。別れの言葉を覚えていること、とっても楽しみにしていること。
……明日、またイヴァン様の部屋に行って、このことを伝えましょう。イヴァン様なら、きっと喜んでくださいます。
その後、イヴァン様のお部屋でお返事を書いて、お茶会のお誘いが成功したことを報告しないと。
ふと、水を飲もうと思い、椅子から立ちあがると、懐からわずかにカサリという音がしました。
はて、なんでしょう?首を傾げながら音がしたあたりを探ると、折り畳まれた紙が入っていました。
『明日14:00。合図は窓に三度。極秘。焼却』
暗号のような手紙。
一体いつの間に、誰が。
……少し考えて、先ほどのフェオフォーン様だとすぐに気がつきます。
郵便受けがある場所は、決して狭い場所ではありません。たくさんの生徒が行き来するため、それなりに広く作られています。
それなのに、わざわざ郵便受けのスレスレを歩いて僕にぶつかったフェオフォーン様。考え事をしていたと言われましたが、今思えば不自然です。
それに、今日関わった人の中で、極秘連絡という手段を使う可能性があるのも、ルスラン様……の護衛の『ズナーク』と、フェオフォーン様だけです。
もし『ズナーク』なら、この書き方はしないでしょうから、フェオフォーン様しか考えられません。
というのも『ズナーク』からの手紙だった場合、場所が書かれていない以上、僕が知る場所の中で『ズナーク』がいる唯一の場所であるドゥフ寮に向かうしかないのですが……、ドゥフ寮には『ズナーク』以外にも王国の護衛の監視がついており、死角がないため、極秘連絡には全く向いていないのです。
これが『ズナーク』からの手紙なら、僕が間違えて監視が厳しいドゥフ寮に行かないように、場所を指定する文言を必ず入れているはずです。それがないため、消去法でフェオフォーン様の手紙だと推測できます。
あえて名前や場所を書いていないのは、この手紙の送り主を正しく把握して、正しい場所に訪れることができるか、僕を試しているのでしょうか……。
僕はもう一度手紙を読み返します。
『明日14:00。合図は窓に三度。極秘。焼却』
行くべき場所があえて書かれていないということは、言わなくても僕が辿り着ける場所……、一階にあるフェオフォーン様の個室に来るように言われている可能性が高いです。時間はそのまま、明日の14:00。
合図は窓に三度、ということは、正面から尋ねるのではなく、窓のある寮の裏に回って、窓を3回ノックする必要があるのでしょう。
極秘と書かれていますから、誰にも言わず、悟られず行かなくてはいけないようです。
……そういえばこの前寮の裏に行った時、護衛の目などは全くありませんでした。
もしかすると、こういうときのために、あえて全く監視していないのかもしれません。
……それにしても、一体なんの用事なのでしょう?
イヴァン様に関わることでしょうか?
なんだか不安になり、胸元の服を握ります。
なんにせよ、ヴェルナ様にお返事を書くのは、明後日にしなければいけなさそうです。
僕は手紙の指示通り、寮の焼却炉で手紙を燃やしました。
「……ヴェルナ嬢ですか?」
イヴァン様の問いかけに、僕は「はい」と頷きました。
今日はもう遅いですが、幸い明日は休日です。ゆっくりお返事を書く時間があります。
「……明日、イヴァン様のお部屋に遊びに行ってもいいですか?」
イヴァン様の『印象的な言葉』を聞きながら書きたいのです。
僕の意図はすぐ伝わって、イヴァン様は緩く微笑みながら「えぇ。もちろん」とおっしゃってくださいました。
イヴァン様と別れて部屋に戻ります。
恐る恐る扉を開きましたが、今度は、ベッドには誰も座っていませんでした。
ほっとしつつ机に座って、ヴェルナ様からのお手紙を開きます。
ヴェルナ様からのお手紙には、形式的な挨拶と、『やはりまだまだ寂しいが、その他に嫌なことはなく元気に過ごしている』という内容の後、こんなことが書かれていました。
『仲良くなりたいと心から思える人ができたようでうれしいです。シエノーク兄様がその人と仲良くなれるように、ソバキン領から応援しています。
お母様に人と仲良くなる方法を尋ねてみたら、「私ならお茶会に誘うわ」とおっしゃっていました。もしよければ試してみてください。
そして、お茶会でその人と楽しい思い出ができたら、お手紙で教えてほしいです。
シエノーク兄様から楽しい話を聞けたら、私も楽しくなります。
でも、もしその人に嫌な思いをさせられたら、すぐにイヴァン様に相談して、私にも教えてくださいね。
シエノーク兄様がつらいことを一人で背負ってしまうのは悲しいです。
次のお手紙も楽しみにしています』
頬が緩みます。
やっぱり、ルスラン様との仲を応援してくれました。僕がルスラン様と仲良くなる方法を真剣に考えて、アリサ様にも相談してくださったようです。最後に心配もしてくださっているのが、ヴェルナ様らしいです。
今日は少し話すことができましたが、普段は挨拶をするくらいしか会話することがありませんから、お茶会に誘うという案はとてもいい案です。
もし断られても、そのお誘いをきっかけにして、少し会話ができればいいのです。
お茶会に誘うという名目で、挨拶以外にも話しかけるきっかけができたことを、喜ばしく思いました。
次の授業が楽しみです。
翌日、イヴァン様から『印象的なお言葉』もいただいて、お返事を書きました。
内容は、大体以下のようになりました。
『ヴェルナ・ソバキン様
前略
イヴァン様から「個人的な手紙なら形式的な挨拶は省いてもいいと思います」と教えていただいたので、早速試してみました。こうすると、手紙いっぱいに個人的なことが書けますね。
ヴェルナ様がソバキン領で健やかに過ごしていらっしゃるようで安心しました。
お茶会のご提案、ありがとうございます。挨拶以外で声をかける機会が中々なかったので、助かりました。次に会ったとき、早速お誘いしてみようと思います。
~~~~~~
追伸
イヴァン様がこの間、「ソバキン家で暮らす夏季休暇が今から楽しみです。別れ際に言ったことを、ヴェルナ様は覚えていてくださっているでしょうか?覚えて、楽しみにしていてくださっていると嬉しいですね」といったことをおっしゃっていました。
覚えているでしょうか?
僕も詳細は聞かされていませんから、もしヴェルナ様も覚えているなら、一緒に楽しみにしていましょうね。
シエノーク・ヴォルコ』
他にも、寮でのちょっとしたエピソードなども書いたため、やはり長くなってしまいました。
喜んでくださるといいな、と思いながら、その日のうちに受付に渡しました。
******
次の授業のとき、ルスラン様をお誘いしてみました。
「ルスラン様、もしご興味があれば、僕と、お茶会しませんか。いつか、都合のつく日があれば」
ルスラン様はこちらを見て、それから視線を逸らしました。
沈黙が訪れます。
……もう誘ってしまったのに、今更不安になってきました。
考えてみれば、お茶会は元々、貴族の文化です。平民でもすると聞きますが、貴族ほど身近ではなかったかもしれません。
貴族らしいことはしたくなくて、しかしお優しい『今』のルスラン様はすぐに断ることもできず、困らせてしまったでしょうか。
僕はおそるおそる口を開きます。
「……あまり興味がなければ、無理にとは言」
「めちゃくちゃ興味ある」
「えっ、……よ、よかった」
ルスラン様は即座に否定してくださって、その後、小さな声で言いました。
「一ヶ月、くれ。……来月のこの日より後で、頼む……。……行けるのは土曜。日曜は教会に行くから」
ぱぁ、と顔が明るくなるのが自分でわかりました。
「お茶会、してくださいますか……!?」
「……うん」
「嬉しいです!僕はいつでも空いています!それなら、来月の三回目の土曜、いかがでしょう?」
「……イケ、ル」
「場所は、ドゥフ寮にお邪魔するのがいいでしょうか?」
「……そうだな」
「では、来月の三回目の土曜、お昼過ぎからドゥフ寮でお茶会しましょう。約束です!」
「……ん」
思わずはしゃいで、食い気味に約束を取り付けてしまいます。
でも、「楽しみにしていますね!」と言ったら、少しの間があって、「俺も」と返してくださいました。
強引に誘ってしまったにも関わらず、ルスラン様も楽しみにしてくださっているようです。僕はなんて幸運なんでしょう。
こういうとき、ルスラン様が、嫌なら嫌と言う素直な性格でいてくださって、本当にありがたいと感じます。ルスラン様の言葉はお世辞ではなく本心だとすぐに実感できるからです。
誘ってよかった。
次のヴェルナ様への手紙で、いい報告ができそうです。
一ヶ月後が楽しみです。
******
次のお手紙は、また休日の前日に届きました。
もしかすると、このタイミングで届くようにソバキン家の方で調整してくださっているのかもしれません。
郵便受けから手紙を取って、早く部屋に戻って開けようとワクワクしながら部屋に向かおうとすると……、
ドッ
と、誰かとぶつかり、少しよろめいて後退りました。
「ぁ、わ、ご、ごめんなさい……っ」
咄嗟に謝ってぶつかった人を見上げれば、そこにいたのは、第二王子のフェオフォーン様でした。
「いえ、謝罪するのはこちらです。考え事をしていて、前が見えていませんでした。申し訳ございません。お怪我は?」
フェオフォーン様は相変わらずの無表情で淡々とおっしゃいます。今日は、エリザヴェータ様は近くにいないようです。
「ありません!フェオフォーン様は……」
「ありません。お互いに怪我がなくてよかった。それでは」
フェオフォーン様は、そう言うとさっさと立ち去っていってしまいました。
不敬になるのではないかと冷や冷やしましたが、忙しくて気にならなかったのかもしれません。僕はほっと胸を撫で下ろし、今度こそ部屋に向かいました。
ヴェルナ様からのお返事では、イヴァン様の『印象的なお言葉』へのお返事も書かれていました。別れの言葉を覚えていること、とっても楽しみにしていること。
……明日、またイヴァン様の部屋に行って、このことを伝えましょう。イヴァン様なら、きっと喜んでくださいます。
その後、イヴァン様のお部屋でお返事を書いて、お茶会のお誘いが成功したことを報告しないと。
ふと、水を飲もうと思い、椅子から立ちあがると、懐からわずかにカサリという音がしました。
はて、なんでしょう?首を傾げながら音がしたあたりを探ると、折り畳まれた紙が入っていました。
『明日14:00。合図は窓に三度。極秘。焼却』
暗号のような手紙。
一体いつの間に、誰が。
……少し考えて、先ほどのフェオフォーン様だとすぐに気がつきます。
郵便受けがある場所は、決して狭い場所ではありません。たくさんの生徒が行き来するため、それなりに広く作られています。
それなのに、わざわざ郵便受けのスレスレを歩いて僕にぶつかったフェオフォーン様。考え事をしていたと言われましたが、今思えば不自然です。
それに、今日関わった人の中で、極秘連絡という手段を使う可能性があるのも、ルスラン様……の護衛の『ズナーク』と、フェオフォーン様だけです。
もし『ズナーク』なら、この書き方はしないでしょうから、フェオフォーン様しか考えられません。
というのも『ズナーク』からの手紙だった場合、場所が書かれていない以上、僕が知る場所の中で『ズナーク』がいる唯一の場所であるドゥフ寮に向かうしかないのですが……、ドゥフ寮には『ズナーク』以外にも王国の護衛の監視がついており、死角がないため、極秘連絡には全く向いていないのです。
これが『ズナーク』からの手紙なら、僕が間違えて監視が厳しいドゥフ寮に行かないように、場所を指定する文言を必ず入れているはずです。それがないため、消去法でフェオフォーン様の手紙だと推測できます。
あえて名前や場所を書いていないのは、この手紙の送り主を正しく把握して、正しい場所に訪れることができるか、僕を試しているのでしょうか……。
僕はもう一度手紙を読み返します。
『明日14:00。合図は窓に三度。極秘。焼却』
行くべき場所があえて書かれていないということは、言わなくても僕が辿り着ける場所……、一階にあるフェオフォーン様の個室に来るように言われている可能性が高いです。時間はそのまま、明日の14:00。
合図は窓に三度、ということは、正面から尋ねるのではなく、窓のある寮の裏に回って、窓を3回ノックする必要があるのでしょう。
極秘と書かれていますから、誰にも言わず、悟られず行かなくてはいけないようです。
……そういえばこの前寮の裏に行った時、護衛の目などは全くありませんでした。
もしかすると、こういうときのために、あえて全く監視していないのかもしれません。
……それにしても、一体なんの用事なのでしょう?
イヴァン様に関わることでしょうか?
なんだか不安になり、胸元の服を握ります。
なんにせよ、ヴェルナ様にお返事を書くのは、明後日にしなければいけなさそうです。
僕は手紙の指示通り、寮の焼却炉で手紙を燃やしました。
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