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裏切り者同士の結婚式
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蝉がかまびすしく鳴いている。
夏の暑い日差しに照らされ、焦げつきそうないきおいだ。
私はアルフレッドと従姉妹のルイーズの結婚式だ。
本当は出席したくなかったけど、母親が二人の間に何もなかった平静さを装うために参加を強制されました。
二人の挙式にはフォルセティ王国のあらゆる王侯貴族が集まった。
しかも、公爵と伯爵の結婚式ということで、王族から男爵まで全ての爵位ある者が招待された。
男爵とは勿論ギルバート家の事。
二人の結婚式は王族などの大切な儀式を執り行うセントグレード大聖堂で行われた。
「辛いだろうけど、二人の門出を祝うフリをするんだよ」
と父は言ってくれた。
ルイーズは花を散りばめたウェディングドレスに身を包んでいた。
お世辞にも似合わないわ。
裏切り者同士がヴァージンロードを歩いている。
許せない!
何なの? 本当に。
私と婚約破棄をしておいて、ルイーズと結婚なんかするなんて。
「姉上。僕は姉上の味方です」
「私もお姉さまの味方ですわ」
アーサーとフロリーナも言ってくれた。
「この二人、幸せそうにしているけれど、いつか絶対に罰が当たるからな」
アーサーのその台詞に私は慰められた。
そうよ。神様は見ているわ。
そこへ司祭が現れた。
「アルフレッド・ギルバート。あなたは病めるときもいかなる時も妻、ルイーズ・リリーナ・アサエロを愛す事を誓いますか?」
「誓います」
嘘よ、と私は思いました。
私と婚約破棄をしておいて、何が今更ルイーズを愛する、だよ。
「ルイーズ・リリーナ・アサエロ。あなたは病める時もいかなる時も夫アルフレッド・ギルバートを愛する事を誓いますか?」
「はい」
といつになく自信ありげに返事した。
「姉上。嘘をついているよ、アルフレッドってヤツ」
アーサーが肘で小突いてきた。
「わかるわ」
私は返事をした。
その時、ふとクレシダ伯母様と目が合った。
私は気まずくなり目を逸した。
「ではここにて新たなる新郎新婦の誕生です。みんなで二人の門出を祝いましょう」
二人が愛を誓った神様。
善神(ぜんじん)ならばこの二人に罰を与えてくれるはずだ、と私は信じました。
もし、罰を与えないなら、その神は悪鬼魔神だ、と思った。
これはねたみ、そねみではありません。
私はむしろ裏切ったこの二人が許せないのです。
裏切って自分らだけが幸せになろうとするのが嫌なだけ。
人の不幸の上に自分らの幸せを築くのが私は嫌いなだけ。
帰りがけ。
クレシダ伯母様に会いました。
「ふふふ。可愛そうねカトリーヌ。でもね、アルフレッド様はうちのルイーズを選んでくれたんですよ。悪しからずね」
クレシダ伯母様は勝ち誇った顔をしていました。
私はひたすら歯を食いしばって我慢しました。
可哀想で何よ。
私には塞翁が馬の結婚が待っているって信じているのよ。
「そうね。男爵令嬢が公爵ご令息と結婚する事自体がありえないのよ。男爵令嬢は大人しく平民でいなさい」
クレシダ伯母様の目は刺すような目をしていました。
「それと。あんた母親と確執起こしているんだってね。妹から聞いたわよ」
さらにまくし立ててくる。
「あんたはアトス家の恥なのよ。もうあんた、アトス家の人間に関わるの、止めてくれないかしら?」
言わせておけば、このクソババア……と思った。
「あんたは恥令嬢、悪役令嬢だわ。それじゃあせいぜい憎まれ役にならないように気をつけるのね」
と行ってクレシダ伯母様は去っていった。
ピンクの日傘を差していた。
「あんなの、気にしない方がいいよ、姉上」
アーサーのその一言で心が救われた。
式は終わり、私達は自宅へ戻りました。
「本当に何なんだよ」
アーサーが精悍(せいかん)な顔つきになった。
「本当よね。あの二人、堂々とし過ぎよ。お姉さまと浮気で婚約破棄した公爵とお姉さまから婚約者を奪った伯爵」
フロリーナも目が鋭くなっていた。
「ありがとう、アーサー。フロリーナ。二人が味方してくれるだけで私は嬉しいわ」
私はアーサーとフロリーナな肩に手を置いた。
「いいの。もう。大聖堂で愛を誓い合ったでしょう。大聖堂の神が善神ならあの二人にはいつか罰が当たるわ」
「もしかするとアルフレッドがまた浮気するとか?」と言ってフロリーナが笑い出した。
「ありうるわね」
私も思わず笑ってしまった。
「ひょっとすると、脱税していたり?」とアーサー。
「そーれも可能性あるかもしれないわね」
私はなぜかそのような事を考えてほくそ笑んでいた。
クレシダ伯母様はやはり敵だった。
私はアトス家の恥。
いいの、誰もわかってくれなくても。
アトス家は私を守ってくれるのだから。
夏の暑い日差しに照らされ、焦げつきそうないきおいだ。
私はアルフレッドと従姉妹のルイーズの結婚式だ。
本当は出席したくなかったけど、母親が二人の間に何もなかった平静さを装うために参加を強制されました。
二人の挙式にはフォルセティ王国のあらゆる王侯貴族が集まった。
しかも、公爵と伯爵の結婚式ということで、王族から男爵まで全ての爵位ある者が招待された。
男爵とは勿論ギルバート家の事。
二人の結婚式は王族などの大切な儀式を執り行うセントグレード大聖堂で行われた。
「辛いだろうけど、二人の門出を祝うフリをするんだよ」
と父は言ってくれた。
ルイーズは花を散りばめたウェディングドレスに身を包んでいた。
お世辞にも似合わないわ。
裏切り者同士がヴァージンロードを歩いている。
許せない!
何なの? 本当に。
私と婚約破棄をしておいて、ルイーズと結婚なんかするなんて。
「姉上。僕は姉上の味方です」
「私もお姉さまの味方ですわ」
アーサーとフロリーナも言ってくれた。
「この二人、幸せそうにしているけれど、いつか絶対に罰が当たるからな」
アーサーのその台詞に私は慰められた。
そうよ。神様は見ているわ。
そこへ司祭が現れた。
「アルフレッド・ギルバート。あなたは病めるときもいかなる時も妻、ルイーズ・リリーナ・アサエロを愛す事を誓いますか?」
「誓います」
嘘よ、と私は思いました。
私と婚約破棄をしておいて、何が今更ルイーズを愛する、だよ。
「ルイーズ・リリーナ・アサエロ。あなたは病める時もいかなる時も夫アルフレッド・ギルバートを愛する事を誓いますか?」
「はい」
といつになく自信ありげに返事した。
「姉上。嘘をついているよ、アルフレッドってヤツ」
アーサーが肘で小突いてきた。
「わかるわ」
私は返事をした。
その時、ふとクレシダ伯母様と目が合った。
私は気まずくなり目を逸した。
「ではここにて新たなる新郎新婦の誕生です。みんなで二人の門出を祝いましょう」
二人が愛を誓った神様。
善神(ぜんじん)ならばこの二人に罰を与えてくれるはずだ、と私は信じました。
もし、罰を与えないなら、その神は悪鬼魔神だ、と思った。
これはねたみ、そねみではありません。
私はむしろ裏切ったこの二人が許せないのです。
裏切って自分らだけが幸せになろうとするのが嫌なだけ。
人の不幸の上に自分らの幸せを築くのが私は嫌いなだけ。
帰りがけ。
クレシダ伯母様に会いました。
「ふふふ。可愛そうねカトリーヌ。でもね、アルフレッド様はうちのルイーズを選んでくれたんですよ。悪しからずね」
クレシダ伯母様は勝ち誇った顔をしていました。
私はひたすら歯を食いしばって我慢しました。
可哀想で何よ。
私には塞翁が馬の結婚が待っているって信じているのよ。
「そうね。男爵令嬢が公爵ご令息と結婚する事自体がありえないのよ。男爵令嬢は大人しく平民でいなさい」
クレシダ伯母様の目は刺すような目をしていました。
「それと。あんた母親と確執起こしているんだってね。妹から聞いたわよ」
さらにまくし立ててくる。
「あんたはアトス家の恥なのよ。もうあんた、アトス家の人間に関わるの、止めてくれないかしら?」
言わせておけば、このクソババア……と思った。
「あんたは恥令嬢、悪役令嬢だわ。それじゃあせいぜい憎まれ役にならないように気をつけるのね」
と行ってクレシダ伯母様は去っていった。
ピンクの日傘を差していた。
「あんなの、気にしない方がいいよ、姉上」
アーサーのその一言で心が救われた。
式は終わり、私達は自宅へ戻りました。
「本当に何なんだよ」
アーサーが精悍(せいかん)な顔つきになった。
「本当よね。あの二人、堂々とし過ぎよ。お姉さまと浮気で婚約破棄した公爵とお姉さまから婚約者を奪った伯爵」
フロリーナも目が鋭くなっていた。
「ありがとう、アーサー。フロリーナ。二人が味方してくれるだけで私は嬉しいわ」
私はアーサーとフロリーナな肩に手を置いた。
「いいの。もう。大聖堂で愛を誓い合ったでしょう。大聖堂の神が善神ならあの二人にはいつか罰が当たるわ」
「もしかするとアルフレッドがまた浮気するとか?」と言ってフロリーナが笑い出した。
「ありうるわね」
私も思わず笑ってしまった。
「ひょっとすると、脱税していたり?」とアーサー。
「そーれも可能性あるかもしれないわね」
私はなぜかそのような事を考えてほくそ笑んでいた。
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私はアトス家の恥。
いいの、誰もわかってくれなくても。
アトス家は私を守ってくれるのだから。
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